点の紹介:2017年日本映画。山田孝之演じる主人公の理容師が、元恋人と再会したことから始まるショートストーリー。ある夏の日、主人公の高志が営む床屋に、高校時代の恋人で幼なじみのともえが訪れる。14年ぶりに再会した二人は、昔を懐かしむ中でしだいに…。
監督:石川慶 出演者:山田孝之(高志) 、中村ゆり(ともえ)、 天光眞弓(母)、ほか
映画「点」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「点」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
点の予告編 動画
映画「点」解説
この解説記事には映画「点」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
点のネタバレあらすじ:起
田舎町で床屋を営む理容師の高志(山田孝之)。父親が亡くなり、6年前に店を引き継いだ。カミソリを研ぐ高志の表情は真剣で、電話が鳴っても出ようとしない。
一方、高志の幼馴染で高校時代の恋人・ともえ(中村ゆり)は、友人の結婚式に出席するために実家に戻ってきている。鏡台の前で髪をまとめていると、携帯に『この前は会えなくてごめん。娘が急に熱出しちゃった。』とラインがきた。それを読んで深くため息をつくともえ。
そこへ、ともえの母が洗濯を干すために部屋に入ってくる。母親は洗濯物を干しながら、「結婚式には着物を着ていくの?」と尋ねる。「結婚式でいい人がいればいいね。」と母親に言われ、ともえは「市役所の人とか私には無理…」と言い返す。すると「いい加減、振袖着るのもこれが最後にしときなさいよ!」と、ともえは嫌味を言われてしまった。
その後、ともえは自転車を走らせて、高志の店にやって来る。郵便受けには高志の名前の他に、女性の名前と子どもらしき人物の名前もあった。それを見て、ため息をつくともえ。そこへ外にタオルを干していた高志が戻って来る。
14年ぶりに再会した二人。ともえは、あえて明るく「久しぶり高志君!」と挨拶する。「高校まで一緒だったともえ。覚えてる?」と尋ねると、「覚えてるよ…」とぼそぼそ話す高志。高校時代と変わらないと言われた高志は、「変わらないってことはないと思うけど…」とはにかんだ表情を浮かべた。
点のネタバレあらすじ:承
その後もぎこちない会話を続ける二人。ともえが土産のバームクーヘンを渡すと、高志が「こっちに戻って来てるの?」と尋ねる。ともえは友人の結婚式に出席するために戻ってきたことを伝え、「着物着ようと思ってて。うなじの毛を剃ってほしいの。」とお願いした。すると高志は少し戸惑いながらも、ともえを店の中へ案内してくれた。
店の見回すと赤ちゃんのおもちゃがあり、うつむいてしまうともえ。そんな彼女に「まだカメラやってるの?」と尋ねる高志。写真はやってないと話すともえに、高志は「えっ…、でも写真部だったよね?」と質問。吹奏楽部に所属していたともえは、高志の記憶があいまいなことで少し切なくなった。
スタジオの受付の仕事をしているともえは、雑用しかさせてもらっていない自分と比べて、結婚もして子どももいる高志をスゴイと褒める。そこへともえの携帯にラインがきた。『今夜嫁がいないみたい』とメッセージがあり、またため息をつくともえ。
奥で作業をしていた高志から「ともえが幸せそうで良かったよ。」と言われ、ともえは自分は友人の結婚式に招待されたことを改めて説明し、それを聞いて高志は「そうだったんだ…」と苦笑いを浮かべた。
点のネタバレあらすじ:転
ともえが土産に持ってきたバームクーヘンを食べながら、何気ない会話を続ける。高志は、昔からバームクーヘンをめくるようにして食べる癖があり、それが変わらないことに笑い出すともえ。理髪店を営む高志が髭を伸ばしていることも、ともえは気になってしかたがない。
ともえは、幼い頃からずっと高志のことを『高志君』と呼んでいた。しかし付き合い出してからは、『タカちゃん』と呼び始めた。14年経って再会した二人だが、自然と会話を続ける中でともえは、高志のことを高志君からタカちゃんと呼ぶようになる。一瞬、気まずい空気が流れる。すると店の電話が鳴り、高志は電話に出る。
その後、ともえを椅子に座らせケープをかけ、髪をとかす高志。髪を一つにまとめてうなじをみた高志が、「あの時さ…」と何か言いかける。すると笑い出すともえ。二人が付き合っていた時、高志がともえの前髪を切ったことがあった。しかし大失敗に終わる。「あの時は好きだったし信用してたから。若さって怖いよね…」と言った後に、「今でも信用してるけど…」と言い直すともえ。
そこへ携帯が鳴る。しかしともえは携帯に出ようとしない。携帯が鳴りやまず、たまらなくなったともえはケープをとって外に出た。携帯に出たともえは、怒り口調で「もう色々限界なんだよね!」と泣きそうになる。
店の中からともえの会話を聞いている高志。ともえが店に戻ってくると、「大丈夫?」と声を掛ける。暗い表情を浮かべるともえを笑わせるために、薄毛の客の話をする高志。ともえの表情が少し和らいだ。
点の結末
高志は、ともえのうなじにホクロがあるのを見て、懐かしく感じたと伝える。ともえは自分のうなじにホクロがあるのを忘れており、照れた表情を見せる。ともえは、うなじのホクロが嫌いだった。しかし高志から「俺は好きだけどな…」と言われ、「タカちゃんは優しいよね。」と、ともえはうつむいた。
その後、椅子に座らせケープをかけ、ともえの肩をマッサージする高志。やさしくうなじを剃っていく。するとともえが、前髪も切ってほしいと頼んだ。
店を出たともえは、「ありがとね。」と礼を伝える。高志に「じゃあね」と、笑顔で別れを告げると自転車にまたがり帰っていくともえ。高志はそんな彼女の後ろ姿をずっと見守っていた。
その夜、店を片付けていた高志は、ふと鏡に映る自分をじっと見つめる。髭に手をあてた高志は、カミソリを手にして自分の髭を剃るのであった。
以上、映画「点」のあらすじと結末でした。
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