天使のいる図書館の紹介:2017年日本映画。新人司書のさくらは生真面目で不器用な性格が災いし、レファレンスサービスの仕事に行き詰まりを感じていました。ある日、さくらは古い写真を持ち歩く老婦人と知り合い、彼女のレファレンスを担当することになりますが…。豊かな自然が広がる奈良県の葛城地区を舞台に、新人司書の成長を描く心温まるヒューマンドラマです。
監督:ウエダアツシ 出演者:小芝風花(吉井さくら)、横浜流星(芦高幸介 / カフカ)、内場勝則(吉井満彦)、飯島順子(上嶋弘美)、森本レオ(田中草一朗)、香川京子(芦高礼子)、ほか
映画「天使のいる図書館」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「天使のいる図書館」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
天使のいる図書館の予告編 動画
映画「天使のいる図書館」解説
この解説記事には映画「天使のいる図書館」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
天使のいる図書館のネタバレあらすじ:起
舞台は奈良県の葛城地区。吉井さくら(小芝風花)は新人司書として広陵町立図書館に勤務しています。さくらはレファレンスサービスを担当していますが、利用者の求める本を提供することができず、上司の上嶋弘美(飯島順子)からは、司書としてもっと勉強をするべきだと言われてしまいます。さくらは頭脳明晰で生真面目な性格でしたが、人とコミュニケーションを取ることを苦手としていました。
そんなある日、さくらは図書館を訪ねてきた老婦人芦高礼子(香川京子)と知り合います。礼子はさくらに一枚の古い写真を見せます。そこには神社の前で微笑む若い男女が写っていました。さくらは婦人がその神社に行きたがっているものだと思い、親切心から神社に関する地理の本を紹介します。
天使のいる図書館のネタバレあらすじ:承
別の日、さくらは本を返却にやってきた礼子から別の写真を見せられます。前回と同じ男女二人の写真でしたが、背景に写っているのはさくらの実家、天神社でした。
数日後、さくらは礼子が新たに持ってきた写真の場所、葛城一言主神社へ礼子を案内することになりました。写真の女性は若かりし頃の礼子で、男性は礼子が愛した人だと言います。礼子にとって男性とともに葛城の名所を歩き、写真を撮った日のことはとても大切な思い出になっていました。さくらは礼子とともに葛城の名所を一緒に巡るようになり、少しずつ交流を深めるようになっていきます。さくらは大好きだった亡き祖母と礼子を重ね合わせていました。
一方、図書館には大きなリュックを背負った青年(横浜流星)が頻繁に現れるようになります。村上春樹の小説「海辺のカフカ」に出てきそうな青年だからと、司書達は彼をカフカ君と密かに呼んでいました。青年はどうやらさくらを観察しているようでした。
休日、礼子に勧められた小説を借りに来たさくらは図書館の外でカフカ君から話しかけられます。しかし彼をストーカーと思い込むさくらは驚いて自転車で走り去ってしまいます。その帰り道、転倒して借りてきた本を一冊紛失してしまいました。翌日、さくらが落ち込んだまま出勤すると、カフカ君は田んぼの溝に落ちていたと、なくした本を届けに来てくれました。
天使のいる図書館のネタバレあらすじ:転
そんなある日、さくらは礼子から再び別の写真を見せられ、そこに写っている神社へ行ってみたいと頼まれます。さくらは休みを利用して、近所を自転車で回り、ようやく写真の場所、當麻山口神社を探し当てました。さらに父の知人から、写真の男性が写真コンクールで優勝したことのある地元の青年だという情報を得ます。
翌日、目的の神社へ案内すべく、図書館で礼子の来訪を待つさくらでしたが、礼子は現れませんでした。翌日、カフカ君が入院中の祖母に本を読ませてあげたいと図書館を訪ねてきます。カフカ君は礼子の孫で、名前を芦高幸介といいました。幸介は礼子が病を患い、東京から故郷のこの町へ戻ってきたこと、もうあまり長くは生きられないことを打ち明け、祖母に親切にしてくれたことにずっとお礼を言いたかったとさくらに伝えました。
礼子のために何かをしてあげられることはないだろうかと考えたさくらは、礼子の恋人を見つけ出すため、数十年前の新聞を片っ端から調べ、やがて一人の男性に辿り着きます。男性は図書館に勤める先輩司書の田中草一朗(森本レオ)でした。礼子は草一朗に会うため図書館に通っていたのでした。
天使のいる図書館の結末
さくらは草一朗の自宅を訪ね、礼子に会って欲しいと頼みますが、迷惑だと追い返されてしまいます。
さくらは礼子の病院を訪ね、外出許可を貰って幸介とともに礼子にとって思い出深い地、ススキ野原へ出掛けます。そこで礼子は草一朗が高校教師をしていた時の教え子であったこと、草一朗から思いを打ち明けられながらも、見合い結婚の道を選んだことを二人に告白します。
礼子はこの町に帰ってきて良かったとさくらに感謝を伝えました。若かりし頃に思いを馳せながら、礼子がススキ野原に佇んでいると、そこに草一朗が現れます。二人は数十年分の空白を埋めるように親密に語らいます。さくらはその光景を美しく思い、涙を流すのでした。
秋がやってきて、礼子は息を引き取りました。利用者と本を繋げる司書の仕事の素晴らしさを知ったさくらは、以前よりも意欲的にレファレンスの仕事に取り組むようになりました。ある日、図書館にやってきた幸介は、今度一緒に祖母の写真の場所を巡ってくれませんか?とさくらを誘います。さくらに恋の予感が舞い降りてきた瞬間でした。
以上、映画「天使のいる図書館」のあらすじと結末でした。
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