さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~の紹介:2014年日本映画。父が残した舟小屋でコーヒー店を営むことになった中年女性が民宿に住む子供達やその母と心の交流を重ねていく人間ドラマ。永作博美主演、台湾出身の女性監督チアン・ショウチョンによる作品です。
監督:チアン・ショウチョン 出演者:永作博美 (吉田岬)、佐々木希(山崎絵里子)、臼井あさ美(城山恵)、村上淳(清水俊夫)、浅田美代子(山崎由希子)、イッセー尾形(弁護士)ほか
映画「さいはてにて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「さいはてにて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~の予告編 動画
映画「さいはてにて」解説
この解説記事には映画「さいはてにて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~のネタバレあらすじ:起
海沿いの小さな町。父俊夫が残した舟小屋を受け継ぐことになった吉田岬が大きな荷物を車に乗せて町にやってきます。俊夫は漁師をしていましたが、乗っていた漁船ゆたか丸が海で消息を絶ち、行方が分からなくなって8年が経過していました。岬がまだ4歳の頃に両親は離婚、以来俊夫には会ったことはありませんでしたが、小さかった頃父がこの舟小屋でギターを弾いてくれたことだけはよく覚えていました。岬は朽ち果てた舟小屋を改装し、コーヒー店を開業する準備を始めます。高台に建つ民宿山崎で一泊しようとしますが、住人の山崎絵里子は岬を民生委員だと勘違いして追い払います。シングルマザーの絵里子には有沙と翔太という小さな子供がいますが、生活は苦しく、絵里子は金沢でキャバ嬢をして生活を支えています。岬は立ち寄ったスーパーで有沙が万引き未遂を起こし、逃げ出していく現場を目撃してしまいます。有沙は給食費の支払いがあることすら絵里子に言い出せません。給食費の回収日、クラスメートのりかが給食費がないと言い出すと、犯人は有沙なのではないかと子供達が騒ぎ出すのでした。
さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~のネタバレあらすじ:承
岬は店にヨダカ珈琲と名付け、大きなコーヒー焙煎機で毎日豆を挽き始めます。有沙と翔太は学校の行き帰り、興味深そうに岬の店を覗くようになります。絵里子はわずかなお金だけを置いて金沢へと出かけていき、その間子供達は二人きりで生活しています。ある日有沙のクラスの担任城山恵が給食費を請求するため民宿を訪ねてきます。有沙は母が不在であることを告げると逃げるように家を飛び出していきます。困り果てた恵は海岸近くのヨダカ珈琲店に入ってみることにしました。岬は恵みを温かく出迎え、コーヒーを振舞います。恵が帰ると有沙が店にやってきて、給食費のお金を貸してくれないかと岬に頼みます。岬はお金なんて簡単に借りるものではないと教え、給料を支払うのでこの店で働いてみないかと誘います。岬は有沙にコーヒーの美味しさが分かるかを試験し、有沙は見事に合格します。岬は有沙に仕事を一から仕込み始めます。一週間が経ち、有沙は岬から一週間分の給与を貰いました。そして学校に給食費を収めた帰り、スーパーのアクセサリー売り場に立ち寄ります。真剣にピアスを選んでいると、隣に立っていた女子高生が万引きする瞬間を目撃してしまいます。女子高生は有沙に口止めしてその場を立ち去りますが、店を出ようとした瞬間万引き容疑で取り押さえられます。女子高生はあの子が鞄の中に入れたと有沙に濡れ衣を着せようとします。有沙は以前に万引き未遂を起こしていたことから、犯行を疑われてしまうのでした。夜遅くになり有沙は恵に連れられて家へ戻ってきました。絵里子は事情を聞こうともせず有沙を平手打ちします。さらに恵から給食費のことを初めて聞き、どうして教えてくれなかったのかと有沙を責めます。給食費の出所が岬だったと分かり恵はほっとしますが、絵里子は子供達に今後一切関わらないで欲しいと岬に告げます。有沙は初めての給料で母にピアスをプレゼントしようとアクセサリー売り場に行ったのではないかと岬は思うのでした。
さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~のネタバレあらすじ:転
民宿には絵里子の恋人の中年男が頻繁に現れるようになります。男は絵里子が出稼ぎに行っている間も民宿に入り浸り、家に居づらくなった子供達は岬に助けを求めます。岬は子供達を店に泊まらせ、有沙は次の日から再び岬の仕事を手伝い始めます。ある日有沙の同級生りかが母へのプレゼントを買いにヨダカ珈琲店にやってきます。りかは給食費がないと騒いだことで有沙が疑われてしまったことを申し訳なく思っていました。有沙がりかのためにコーヒーを選んであげると、りかは家でバーベキューをするから今晩泊まりにおいでよと有沙と翔太を誘います。岬は子供達をりかの家まで送り届けて戻ってきますが、店に灯りがついているのを見て不審に思います。恐る恐る店に入ると絵里子の恋人の男が父の形見のギターをつま弾いていました。岬は男を追い出そうとしますが、ねじ伏せられ、性的暴行を加えられそうになります。そこへちょうど帰宅した絵里子が現れます。絵里子は岬に覆いかぶさる男の頭を殴打し、男はまもなく逮捕されました。岬は絵里子を店の中に招き入れ、コーヒーを入れます。岬は子供達が男達に怯えていたことを教え、小さな子供達だけで生活するのは無理だと話します。絵里子は金沢で三人で暮らすしかないのかもしれないとこぼしますが、岬は絵里子にここで働いてはどうかと提案します。そして次の日から絵里子もヨダカ珈琲店で働き始めます。すっかり絵里子と子供達と仲良くなった岬は、入院している絵里子の祖母のお見舞いに行きます。
さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~の結末
祖母の由希子は岬の父俊夫のことをよく覚えていました。絵里子は岬が消息の分からない父の帰りをずっと待っていることを知ります。俊夫とともにゆたか丸に乗っていた漁師の家族達に連絡をとってみてはどうかと絵里子から勧められ岬が手紙を書くと、後日漁師の家族達が岬に会いに民宿へ泊まりに来ます。岬は自分と同じ悲しみを抱えながら生きている家族達と過ごすことで心が癒される思いがするのでした。しかしその後漁船が海上で四つの頭蓋骨と船体の一部を発見したというニュースが飛び込んできます。岬は漁師仲間の家族の一人から鑑定を受けるべきだと勧められますが、岬は父の死を受け入れることができず、苦しみます。そして店を畳むことを決意した岬は絵里子達に別れを告げ、別の地へと旅立っていきます。絵里子は民宿の再開に向けて動き出し、主人のいなくなったヨダカ珈琲店の外灯を毎晩ともし続けます。ある日の夕方絵里子が珈琲店から海を眺めていると後ろには岬が立っていました。絵里子が岬におかえりと言うと、有沙と翔太も走ってきて岬に抱きつくのでした。
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