映画「飢えたライオン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
飢えたライオンの紹介：2017年日本映画。第30回東京国際映画祭ワールドプレミア上映作品です。高校教師が生徒との淫行容疑で逮捕され、関係を疑われた女子高生は追い詰められて自殺。しかし、事件はマスコミの格好の餌食となり、女子高生の人物像は勝手に捏造されて世間に広まっていく…。SNS全盛の時代、世間に蔓延する「フェイクニュース」を題材にした衝撃のサスペンスです。モデルで女優の松林うららと『仮面ライダージオウ』で怪人役を演じた水石亜飛夢のダブル主演で、監督は『子宮に沈める』の緒方貴臣です。
監督：緒方貴臣 出演者：松林うらら（杉本瞳）、水石亜飛夢（藤川ヒロキ）、筒井真理子（杉本裕子）、菅井知美（木下美咲）、日高七海（尾田七海）、加藤才紀子（佐々木萌）、上原実矩（杉本明日香）、菅原大吉（近藤哲也）、小木戸利光（細野剛）、遠藤祐美（吉川沙織）、品田誠（西島浩平）、細川岳（東川淳）、竹中直人（校長先生）ほか
この解説記事には映画「飢えたライオン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
冬の朝。とある高校では担任の細野（小木戸利光）が出欠を取っていました。そこに遅れて入ってきた女子高生・杉本瞳（松林うらら）が遅刻の理由を聞かれたその時、細野は突如学年主任に呼び出され、そのまま駆け付けた警察に連行されていきました。細野は未成年との淫行容疑がかけられており、学校内や地元は瞬く間にその話で持ち切りになりました。
親友の木下美咲（菅井知美）や尾田七海（日高七海）、佐々木萌（加藤才紀子）と細野の話題で盛り上がった瞳は、その数時間後に恋人でフリーターの藤川ヒロキ（水石亜飛夢）とデートを楽しみました。瞳はヒロキとの馴れ初めをスマホで自撮りし、自身のSNSにアップしました。
瞳はその翌日もヒロキとデートをしていました。途中でヒロキは先輩の西島（品田誠）や東川（細川岳）という男と出くわし、西島や東川は瞳に興味津々な様子を見せました。その後、瞳とヒロキはホテルに入り、ヒロキはベッドでシーツにくるまっている瞳をスマホで撮影、そのままセックスに及びましたが、スマホは二人の喘ぎ声だけを記録していました。
翌日、瞳が登校すると、クラスでは細野と淫行していた女子高生とされる人物が映った動画が出回っていました。その人物の顔にはモザイクがかけられており、こともあろうかその女性は瞳ではないのかという噂がどこからか流れていました。しかし、雰囲気も声も明らかに瞳とは異なるものであり、親友たちには理解してもらえたのですが、その日を境に噂は拡散されていき、瞳に関するデマは周囲に広まっていきました。
瞳は母・裕子（筒井真理子）や妹・明日香（上原実矩）、そしてヒロキからも疑いの目をかけられました。悩む瞳の前に西島と東川が車で送ってやると現れ、瞳は二人に噂のことを相談しました。しかし、噂は止むどころか益々エスカレートしていき、下駄箱にはコンドームや“大人のおもちゃ”が入れられ、机にはイタズラ書きが書かれ、遂には瞳は学校側から休学を提案されました。
クリスマスの夜。ヒロキから拒絶された瞳は自宅で裕子や明日香、裕子の交際相手の近藤（菅原大吉）と食事していましたが、そこにもネット民のいたずらで頼んでもいないピザが何枚も配達されてきました。耐えかねて家を飛び出した瞳は西島と東川に相談しようとしましたが、最初から瞳を性の対象としか見ていなかった西島と東川は車の中に彼女を連れ込むとレイプに及びました。帰り道、死んだ目の瞳はヒロキの姿を見つけましたが、彼は西島たちと共に去っていきました。全てに絶望した瞳は、駅のホームから電車に飛び込み自ら命を絶ちました。
瞳の通っていた高校では全校集会が開かれ、校長（竹中直人）や担任代理の吉川（遠藤祐美）は命の大切さと何かあれば周囲の大人に相談するよう語り掛けました。しかし、瞳の死はマスコミの格好の餌食となり、連日のように「SNSで人気だった美人女子高生の淫行動画流出からの自殺」が大々的に報じられ、瞳の家にも多くの報道陣が詰めかけました。やがて話題は瞳の両親の離婚などプライベートにも踏み込み、勝手に瞳の造られた虚像が独り歩きしていくようになっていきました。
瞳が最期を迎えた駅のホームには鹿児島からやってきた中学生の女子（涼凪）が父と共に献花に訪れていました。女子はマスコミの問いに対し、瞳のSNSを見て元気をもらい、おかげで不登校から立ち直れたのだと語りました。
そして時は流れ、バレンタインデーを迎えました。テレビのニュースでは、細野と女子高生との淫行動画を流出させたという女子高生一人と、女子高生に性的暴行を加えた容疑で近辺に住む未成年男性二人が書類送検されたとの報道が流れていました。
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