ダゲレオタイプの女の紹介:2016年フランス,ベルギー,日本映画。ジャンは写真家ステファンの助手となる。ステファンのダゲレオタイプによる撮影は銀盤上でモデルに永遠の命を与えるが、それは非常な苦痛を伴うものだった。青いドレスの幽霊が階段を上り下りするパリ郊外の古い屋敷を舞台とする、ジャンと写真家の娘マリーの恋の物語。
監督:黒沢清 出演者:タハール・ラヒム(ジャン・マラシス)、コンスタンス・ルソー(マリー・エグレー)、オリヴィエ・グルメ(ステファン・エグレー)、マチュー・アマルリック(ヴァンサン)、マリック・ジディ(トマ)ほか
映画「ダゲレオタイプの女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ダゲレオタイプの女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ダゲレオタイプの女の予告編 動画
映画「ダゲレオタイプの女」解説
この解説記事には映画「ダゲレオタイプの女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ダゲレオタイプの女のネタバレあらすじ:拘束されるマリー
写真家ステファンの助手に応募したジャンは郊外の大きな屋敷を訪れる。面接を受ける候補者は彼一人だ。ステファンに会うのを待つ間、ジャンは階段の上にいる青いドレスの女に気付くのだった。さっそく仕事を始める。巨大な銀盤を現像室に運ぶ。高名なファッション写真家だったステファンは今、とうの昔にすたれてしまったダゲレオタイプで写真を撮っている。やがて銀盤に浮かび上がったのはステファンの娘マリーの、永遠の命を与えられたような等身大の映像だった。マリーは植物園の仕事の面接を受ける。彼女は屋敷の温室で植物を育てていて植物には詳しい。職は得られなかったがマリーは他の植物園の仕事の推薦を頼む。屋外でヴァンサンに頼まれた仕事するステファンとジャン。女性モデルが露光時間を我慢できないのに不満を言うステファン。彼にとって理想のモデルは娘に他ならない。ジャンは有害な水銀をタンクに捨てに出たところで温室にいたマリーと初めて出会う。やがて青いドレスを着たマリーの撮影に立ち会う。拘束器具でジャンによって体をしめつけられ苦しそうに息を漏らすマリー。「露光時間は70分」というステファンの声が響く。
ダゲレオタイプの女のネタバレあらすじ:もう一人の青いドレスの女
撮影の終わったマリーは手紙をもって階段を上る。トゥールーズの植物園からの採用のための面接をしたいという手紙だった。彼女は作業をしていたジャンを見て、その喜びを伝える。温室と父が心配だが自分の道を行くと。そしてジャンにキスするマリー。ある日ステファンは棺に収まった赤ん坊の写真を撮影する。あなたこそ芸術家だと感謝する父親。家の前から霊柩車が去っていくのを見てマリーはジャンに死者への冒涜だと言う。そして父のモデルをしていた彼女の母が温室で自殺したことを教える。ステファンは部屋で彼を呼ぶ声を聞く。窓を開けると庭に青いドレスの女、亡き妻ドゥーニーズが立っているのだった。
ダゲレオタイプの女のネタバレあらすじ:マリーが階段から落ちる
レストランでジャンはヴァンサンと出くわし彼のいとこのトマを紹介される。再開発地域にあるステファンの家をトマは高額で買いたいのだ。翌日トマはステファンに会うが追い返される。帰り際にトマはジャンに書類を渡してとりなしを頼む。ある夜、ジャンは再びドゥーニ―ズの声を聞く。地下室へ幽霊を追いかける。物音を聞きつけてマリーも地下室に来る。誰も見当たらず階段を上っていくが階段を転げ落ちてしまう。絶望するステファン。後から来たジャンが救急車を呼べと言っても、手遅れだと言って何もしない。ジャンはマリーを抱き上げて自動車に乗せて病院をめざす。だが川沿いで急停車すると、後部座席に寝かせていたはずのマリーがいない。彼女をさがすジャン。すると暗闇からマリーが浮かび上がってくる。全く異状はないという。頭部の傷も消えていた。だが、ステファンはマリーが助かったことを信じない。ジャンはマリーに、しばらく彼女が死んだとステファンに思わせておいてその間に屋敷を高額で売ってしまおうともちかける。マリーはジャンのアパートに暮らすことになる。ジャンはトマのオフィスに行く。450万ユーロで屋敷が売れたら50万ユーロの手数料をジャンが受け取るという話がまとまる。ジャンは屋敷の売却に必要な登記簿を捜し続ける。ある日屋敷にある物品の鑑定に来てもらった男が階段の所で若い女性を見たという。マリーはジャンのアパートにいるはずなのだが。
ダゲレオタイプの女の結末
電燈が怪しく揺れているのを見てステファンが温室に入ると、ドゥーニ―ズの幽霊が現れ彼を追いつめる。ジャンはついに登記簿を見つけるが、温室から出てきたステファンは売買の同意書にサインをしようとしない。夜、マリーの同意の元ジャンはステファンのサインを偽造する。しかしトマは偽造書類を許さなかった。ジャンはステファンの部屋のドアを叩き、マリーがまだ生きていることをとうとう白状する。だが室内で銃声がする。ステファンは銃で自殺したのだ。そこにトマが現れる。トマはジャンが殺したと思う。ジャンはその銃でトマを射殺してしまう。ジャンとマリーは自動車でパリを出て田舎をめざす。ホテルで一夜を過ごす。翌日、ある教会で、結婚式をしようということになる。路上に落ちていた針金で即席の結婚指輪を作って二人だけで儀式をしてキスをする二人。だが、そこへ人が現れ、開館は11時だから出てくださいと言う。それに答えたジャンが横を見るとマリーがいなくなっていた。一人だけで自動車を走らせるジャン。田舎道で停車し、あたかも助手席にマリーがいるかのように会話をするのだった。
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