富江re-birth(リバース)の紹介:2001年日本映画。富江、それは不死身の麻薬といっても過言ではない。何度命を奪っても僅かな細胞や血液によって甦り、元の絶世の美女となる。反社会的性格で人を傷付けても男を狂わせる彼女とその中毒になった男の危険なラブサスペンスホラー。
監督: 清水崇 出演者: 酒井美紀(富江)、妻夫木聡(青山巧)、芭野未亜(青山理恵)、遠藤久美子(北村ひとみ)、黄川田将太(細田俊一)、蜂巣友里(佐野由美子)、忍成修吾(木俣英雄)ほか
映画「富江re-birth」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「富江re-birth」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「富江re-birth」解説
この解説記事には映画「富江re-birth」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
富江re-birthのネタバレあらすじ:起
美大に通う画家の卵、英雄は賞を獲るほどの腕前の持ち主。女性をモデルに描いていた彼はある日、モデルの女性、富江に自分の未完成の作品を落書きされて衝動的に彼女を殺害してしまいました。しかし彼は殺害した後、富江に白い布を被せて「愛してるよ・・・富江」とつぶやきます。友人である俊一と巧は彼の罪を隠蔽する為にその女の遺体を山中に埋めるのを手伝います。巧が帰宅すると、恋人で同棲しているひとみが明け方まで何処へ行っていたのかと問いただしますが、タクミは当然真実は言えず、俊一達と飲みに出掛けていたと嘘をつきます。ひとみは前夜、巧の妹の理恵から電話があり、彼女が今日来ることを伝えました。富江を殺害した英雄を手伝った巧は挙動不審でひとみは彼を疑います。脱いだ巧の服に赤いしみがあり、ひとみは益々怪しいと思うのです。その赤い染みは富江の遺体を運んだ時についてしまった彼女の口紅の跡だったのです。一方で英雄は富江に落書きされた絵にまだ床に染み渡る富江の血を塗りたくって「芸術」に酔いしれるのでした。
富江re-birthのネタバレあらすじ:承
英雄を元気づける為に同じ大学に通う佐野由美子が合コンを開きました。俊一や巧も一緒に参加します。楽しく盛り上がっている最中に停電が発生し、照明が付いたと途端に遅れてきた謎の女の子が姿を見せました。その子は富江でした。あの富江でした。俊一や巧、英雄は動揺を隠せません。泣きぼくろが特徴の美人、富江はあっという間に会場にいた他の男の子達を虜にしてしまいます。英雄は「富江は俺のものだ」と一括します。富江は「いつからあなたのものになったの?人殺し」とこの場の空気を乱すことを言います。由美子含めた女の子達はあきれ果て帰ってゆきます。富江のことでパニックになり、精神的に具合が悪くなった英雄はトイレに駆け込んで嘔吐します。その後、彼を心配した俊一と巧がトイレに様子を見に行ってみると、英雄は無残な姿で自殺していたのです。ある日、巧がひとみと住むアパートに妹の理恵と母がやってきました。母、幸子はひとみと息子が同棲していることを知って今度、実家の湯ノ沢に遊びにおいでと言います。湯ノ沢は裏山に綺麗な滝がありますが、自殺の名所として有名な場所でした。自殺した死者の霊も出るのではないかと心霊番組でも取り上げられた程の場所でもありました。英雄の葬儀後に、巧と俊一は富江の遺体を確かめる為に再びあの山奥へ向かいます。葬儀に参列していた時、英雄の母が息子を放置してしまったから彼は亡くなったと言っていたからです。巧は拒否し、俊一が1人シャベルで遺体を掘り返します、ふいに一台の車が現れて、中から富江が姿を現します。恐怖で動揺する俊一に富江は言います。「わたしのこと探してたんでしょ」。巧は木の影から二人の様子を見守っていました。すると、恐怖と目の前の異常な光景にパニックになった俊一は富江を持っていたスコップで二度殴って殺します。そして、再び彼女の遺体を埋めました。バーでひとみと吞んでいた巧の前に先程殺されたはずの富江が現れ、巧は驚愕します。「どうして助けてくれなかったの?目が合ったでしょ?」俊一に殺された時の様子を生々しく平然と語る富江。ひとみは怒り、富江が誰なのかを巧みに問い詰めますが、巧は説明できません。帰宅後にひとみは巧に富江が浮気相手なのではないかと激しく怒りをぶつけますが、巧は相変わらずはぐらかすことしか出来ませんでした。
富江re-birthのネタバレあらすじ:転
富江は今度は俊一の家に入り浸り、彼を自分に夢中にさせようとします。違和感を感じた俊一の母、朋子は富江に「そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?」と冷たく接しますが、富江は悪びれもせず。朋子の心の傷を抉ります。実は朋子は俊一の父を殺しており、その事を隠したまま息子を女手一つで懸命に育ててきたのです。それを知る富江に「あなた何者なの?!」と恐怖を感じます。「あなたこそ何者なの?自分の事もよく分かってないくせに」富江は生意気な口を利き、自らの手で朋子が持っていた煙草を自分の手に押し付け、俊一に朋子に煙草を押し付けられたことにしてしまう状況をつくりました。俊一は「富江になんてことするんだよ!」と怒り、すっかり富江に夢中です。朋子は息子を正常にする為、富江に出したコーヒーの中に醤油を混ぜ入れます。富江はわざと「独でもいれたの?」と人の不快感を煽るようなことを言って飲み干します。更には、富江がいなくなると、俊一は麻薬が切れたように混乱して部屋中を除菌します。富江は人が作ったものを食べないとか、他人の匂いを極端に嫌うとか・・・。もう彼は富江という覚せい剤に手を染めたも同然でした。朋子が彼の異常さを止めようとすると、俊一は母を突き飛ばして自分の服にも除菌スプレーをかけるのです。「母さんの匂いがくっついたら富江に嫌われる」。朋子は耐えきれなくなって富江の寝込みを襲い、彼女の首をベルトで絞めて殺害します。異変を感じて起きてきた俊一は浴室で母と子どもの頃の思い出を語りながら、「今度はお母さんを大切にする」といい、2人は富江の遺体をバラバラに解体しながら「親子の時間」を取り戻すのです。俊一と朋子は解体した遺体を仲良くゴミ捨て場に捨てにいきました。ところが、富江は生首だけになって親子を襲います。漸く正常になったと思われていた俊一が富江の頭を抱き上げて依存する姿を見た朋子はその生首を掴み、嫌がる頭部だけの富江を焼却炉に投げ込みます。朋子は奇妙な病気にかかり、死亡します。葬儀に参列した巧は朋子の遺体をお棺を開けて拝んだ際に、彼女の顔じゅうを大量の髪の毛が包んでいるのを見てその異常さに不安を感じます。「大丈夫、心臓は止まってるんだ」と母が死んだというのに感情もなく言う俊一を見て巧は愕然とします。巧は由美子に富江の事を知らないか聞きますが、「合コンに参加した女の子全員があの子の事は誰も呼んでいない」と由美子は言いました。英雄の家を訪問した巧は英雄の母に出迎えられ、彼の部屋でひとみの写真を見つけます。英雄は何とひとみにも粉を掛けていたのです。その時、巧は英雄の母から声を掛けられ、床に落ちていた富江の口をポケットにしまいます。英雄の母から「これ英雄が描いた絵なの。もらってくれる?」と言われ、英雄が描いた富江の不気味な絵を渋々受け取り、後日、実家に帰るという妹の理恵に家の納屋にでも捨てておくよう強引に頼みます。巧とひとみは口論となり、巧は英雄の気持ちをひとみに問いただし、ひとみは富江との浮気を誤魔化す為だと言って、巧はかっとなって瞳の横っ面を引っ叩いてしまいました。ふと、口紅をつけたひとみはどんどん富江に憑りつかれてゆきます。巧との記憶が無くなり、白い夢を見ること、断片断片で途切れており、眩暈がして倒れてしまう事を巧みに話します。俊一と朋子が富江を殺す夢、富江を切断する様子すらも見たというのです。実はひとみは夢を見ているのではなく、脳の回路が富江と繋がってしまったのです。ある日、俊一が病身のひとみを富江と思い込んでキスします。巧は怒りで俊一を殴りつけて家から追い出しました。ところが、「やきもち焼いてるの?」と巧に声を掛けたひとみは最早ひとみではありませんでした。ひとみは一時的に元のひとみに戻ります。そして白い夢を見ていた時「犬が吠え、丸い物と女の子、タイヤが見えた」と巧にとぎれとぎれに伝えます。理恵に預けた絵は納屋に置かれていて、ひとみが夢の中で見たのはその納屋の光景だったのです。慌てて、ひとみを連れて実家へ向かおうとしますが、途中で気が狂った俊一が車で追いかけてきます。彼から逃れるように車に乗り込んでひとみを連れて実家へ向かいます。英雄が描いたあの絵は富江が真っ二つになった不気味な絵でした。巧はあの絵を破壊すればひとみは元通りになるのではないかと思ったのです。
富江re-birthの結末
実家では理恵と両親が穏やかにテレビを見て暮らしていました。犬のゴンの餌をやろうと理恵は吠え続けるゴンを静かにさせる為に餌をやります。理恵はふと、納屋の様子が気になって懐中電灯を手に中へ入ります。何事もなかったかのように思えましたが、絵からは富江の手と多量の髪が出てきて理恵は一端消えてしまいます。実家に到着した巧はひとみを助手席に残して納屋へ入りました。そこで復活した富江を見て恐怖で心を奪われます。富江は本当に巧が愛しているのは富江で、ひとみではないと心無い事を突きます。巧が戻ってこない事を不審に思ったひとみが車から出てきてしまいます。そこで富江はひとみに「あなたは私。まだ出来損ないみたいだけ」と訳の分からない事を口にします。その瞬間、富江とひとみが双子の姉妹のようにテレパシーを感じて笑い合い、巧に自分を殺してくれるよう詰め寄ります。追い詰められた巧は富江に灯油をまいて震える手で火をつけます。すると、俊一が到着し、富江の名前を叫びながら彼女を独占しようと灯油をまかれて火だるまになってゆく富江を抱き締めて自殺を図りました。巧はひとみを裏山へ連れて心中しようとしました。ひとみを道連れにすることしか2人がほんとうの恋人でいられないと思ったからです。記憶が戻ってひとみは巧とのことを思い出します。巧は2人で生きようと心中を断念しますが、ひとみの顔が真っ二つに分離し、富江が顔となって姿を現します。そして、富江は巧に「巧…好き」と言って巧、ひとみを引きずり込んで滝の中へ身を投げました。理恵が花を手向けに滝を訪れ、彼女は滝の中へ花束を投げ込みます。ふと、白い手が伸び、彼女は不気味に笑います。そう、富江は今度は理恵の体内を乗っ取ったのでした。
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