東南角部屋二階の女の紹介:2008年日本映画。死んだ父親の借金を背負い、古いアパートが建つ祖父の土地を売ろうとする主人公の野上孝。そのアパートに吸い寄せられたように集まった男女三人が、不安と焦りを抱えながらも、次第に自分の生きる道を考え見つけていく作品。
監督:池田千尋 出演:西島秀俊(野上孝)、加瀬亮(三崎哲)、竹花梓(豊島涼子)、塩見三省(石山清六)、高橋昌也(野上友次郎)、香川京子(夏見藤子)、ほか
映画「東南角部屋二階の女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「東南角部屋二階の女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
東南角部屋二階の女の予告編 動画
映画「東南角部屋二階の女」解説
この解説記事には映画「東南角部屋二階の女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
東南角部屋二階の女のネタバレあらすじ:起
サラリーマンの野上孝(西島秀俊)は、亡き父が残した多額の借金を背負います。保証人となっていた野上は、借金返済のために祖父・野上友次郎(高橋昌也)の土地を売ろうと思いますが、なかなか友次郎を説得することができません。
売ろうと考える土地は祖父の家のすぐ隣にあり、古いアパートが建っています。実家も担保に入れられ、貯金もない野上は、そのアパートに住むことにしました。そして、「家付き庭あり」とプロフィールに書かれた女性と、お見合いをすることにした野上。
待ち合わせ場所には、振り袖姿のフリーのフードコーディネーター・豊島涼子(竹花梓)の姿がありました。30歳間近の涼子は、愛媛の両親から結婚を急かされ、しかもアパートの更新料も払えず、半ばやけになってお見合いをしていました。結婚をすることで、現実逃避を考える涼子。
そんな野上と涼子が見合いをしている様子を偶然見ていた三崎哲(加瀬亮)。彼は野上と同じ会社で働くサラリーマンで、野上がもうすぐ会社を辞めると彼女から聞かされ驚きます。
そして、野上と同じ日に退職をした三崎。休みの日もひっきりなしに取引先から電話が鳴り、逃げるように退職したのでした。そんな三崎に、彼女は同棲を解消します。
東南角部屋二階の女のネタバレあらすじ:承
夜、三崎と野上は小料理屋に行きます。そこはアパートの所有者・藤野の店です。そこへ見合い相手の涼子がやって来ました。藤野に「アパートを壊して土地を売りたい」と言い出そうとする野上。しかし、三崎が彼女に家を追い出され、住む場所がないとい出します。すると、藤野がアパートを安く貸してもいいと話し、それを聞いた涼子も同じくアパートに引っ越すことを決めました。
小料理屋を出た後、涼子と三崎は野上の住むアパートを見学に行きます。そこで初めて野上が会社を辞めたことを知り、落ち込む涼子。野上も涼子が一戸建てに住んでいると思っていのが勘違いだったと知り、当てが外れたとショックを受けます。そのまま酔いつぶれた涼子は寝てしまい、その日は涼子と三崎は野上のアパートに泊まることになりました。
翌日早速、三崎と涼子が引っ越してきます。涼子が部屋の掃除をしていると、押し入れに小さな穴を見つけました。その穴は隣の部屋に続いており、隣の部屋には誰も住んでい開かずの間ですが、気になる涼子。
東南角部屋二階の女のネタバレあらすじ:転
その日、野上は友次郎にアパートを壊してもいいか何度もたずねます。しかし何も返事をしない友次郎。野上は「あんたの息子である、自分の父が借金をしたのだから、あなたにも責任があるだろう!」と声を荒げてしまい、三崎にもその声は聞こえていました。
三崎は、なぜ会社を辞めたのか野上にたずねます。すると野上から「お前は人のせいにして、会社を辞めたくせに」と言われ、つかみ合いの喧嘩になってしまいました。
ある日、藤野が旅行に行くことにします。その旅行の間は店を涼子に任せたいと頼む藤野。そして旅行から帰った後は、店を閉じるつもりだと話しました。旅行に行く前に、藤野は野上にアパートを壊していいと話します。しかし自分では決断できず、何度も友次郎に土地を売っていいのか尋ねる野上。それでも友次郎は何も言いません。
藤野が旅行へ行った夜、涼子が料理を作り、野上と三崎が店の手伝いをします。そこへいつもの常連客・ロクがやって来ました。ロクは、人それぞれ大切にするものが違い、それでもお互いに知ろうとすることが大事だと話します。
いつもは彼女からの電話を無視していた三崎が、ロクの話を聞いて彼女と少しの間、電話で会話をしました。畳屋を営んでいる温かいロクの人柄に、惹かれていく三崎と野上。
東南角部屋二階の女の結末
そんな時、台風がやってきます。台風で開かずの間であった涼子の隣の部屋の窓が吹き飛ばされてしまい、部屋がぐちゃぐちゃになっています。はしごを使って涼子が中に入ると、箪笥が一つだけ置かれてありました。その箪笥の裏には、「光夫から藤野へ贈る」と書かれています。
光夫は友次郎の弟で、藤野のいいなずけでした。しかし戦争で亡くなっています。友次郎家族と仲がよかった藤野が、友次郎の妻が亡き後友次郎の面倒を見てくれていました。箪笥の中にはきれいな白い着物と手紙があります。台風が去った後、アパートをきれいに掃除して、祖父が手入れをする庭をゆっくり歩く野上。
藤野が旅行から帰り、開かずの間の部屋へ入ります。するとそこには、白い着物がかけられており、涙する藤野。その着物は光夫が贈ったものではなく、友次郎が贈ったものだとわかります。しかも開かずの間は、友次郎の妻が亡くなるまでは藤野が住んでいたことも知り、野上は土地を売らずに借金を頑張って返済しようと心に誓いました。
野上は、「大事なアパートを壊すことはやめた」と友次郎に伝え、アパートを見るよう促します。するとそこには、白い着物を羽織った藤野の姿がありました。
三崎は彼女に別れを伝え、アフリカに行くことにします。そしてアパートは、「藤野女子アパート」として新規の入居者を募り、開かずの部屋には涼子が住んでいます。スーツに着替えた野上が、友次郎に「行ってきます」と言い、それぞれが新たな一歩を踏み出すのでした。
以上、映画「東南角部屋二階の女」のあらすじと結末でした。
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