トラさん~僕が猫になったワケ~の紹介:2019年日本映画。板羽皆原作の人気漫画をKis-My-Ft2の北山宏光主演で実写映画化。交通事故によって突然死んでしまった売れない漫画家が、猫になって現世に蘇り、家族の元で1ヶ月過ごしたことで、自分を見つめ直し、家族のために奮闘する姿を描いたハートウォーミングな感動作となっている。監督は「Sweet Rain 死神の精度」の筧昌也。
監督:筧昌也 出演:北山宏光(高畑寿々男)、多部未華子(高畑奈津子)、平澤宏々路(高畑実優)、飯豊まりえ(ホワイテスト)、富山えり子(桜木亜子)、要潤(浦上栄剛)、バカリズム(裁判長)、ほか
映画「トラさん~僕が猫になったワケ~」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トラさん~僕が猫になったワケ~」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
トラさん~僕が猫になったワケ~の予告編 動画
映画「トラさん~僕が猫になったワケ~」解説
この解説記事には映画「トラさん~僕が猫になったワケ~」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トラさん~僕が猫になったワケ~のネタバレあらすじ:起
漫画家の高畑寿々男(北山宏光)は、5年前にヒットした漫画「ネコマン」の原作者。しかし今や連載は打ち切りとなり、寿々男はギャンブルに明け暮れる毎日を送っていました。生活は妻の奈津子(多部未華子)のパート勤めで成り立っており、娘の実優(平澤宏々路)は、そんなだらしのない父親に呆れながらも「ネコマン」を再び描くように言いますが、毎回うまくはぐらかされてしまいます。
担当編集の桜木(富山えり子)からも「ネコマン」の最終回を描くよう勧められる寿々男ですが、「猫嫌いだ」という理由で頑なに描くのを拒み続けます。そんなある日、寿々男は奈津子が生活費として隠していたお金を持ち去り、競輪に出かけようとします。そこで実優に見つかり、そこもまたうまくはぐらかして出て行ってしまいます。実優はそんな父親の背中に向かって「死んじゃえ!」と言い捨てました。
競輪で思わぬ勝利を手にし大金を受け取った寿々男。しかし帰り道、突然吹いた風によってお金が散らばってしまいます。落ちたお金を集めようとした寿々男ですが、お札を手に取った瞬間、車に轢かれてしまい、あっけなく死んでしまいました。
トラさん~僕が猫になったワケ~のネタバレあらすじ:承
寿々男は気がつくと真っ白い部屋の中にいました。そこは人生を終えた人々が次の人生に入る前に訪れる関所で、現世での寿々男の行いから、裁判長(バカリズム)は彼に「執行猶予1ヶ月。これまでの愚かな人生を挽回してください」という判決をくだします。寿々男が再び気がつくと、現世に戻って来ていました。
生き返ったことを喜ぶ寿々男でしたが、車の窓で自分の姿を確認すると驚きを隠せません。なぜなら猫の姿になっていたからです。途方に暮れ、猫の生活を始めるも、野良猫に襲われるなど人間の時と違って思うようにいかないことに寿々男はげんなり。
そんな時、可愛いらしいメス猫のホワイテスト(飯豊まりえ)と出会います。「じつは昨日まで人間だった」と寿々男は彼女に打ち明けますが、ホワイテストは驚くことなく「誰かのお世話になればいい」と寿々男にアドバイスをします。その言葉を受けた寿々男が自分の家へ行くと、自身の葬式が行なわれていました。
そこには大泣きしている桜木や、人気漫画家で同期の浦上(要潤)もいます。家へと入ろうとするも他の人には猫にしか見えないため、寿々男は追い出されてしまいました。夜になっても家の近くにいた寿々男は、実優に見つけてもらい拾ってもらうことに成功。寿々男は「トラさん」と名付けられ、猫として再び彼女たちと家族になるのでした。
トラさん~僕が猫になったワケ~のネタバレあらすじ:転
奈津子と実優に飼われることになった寿々男は、猫としての生活を満喫する日々を送っていました。そんなある日、ホワイテストに美味しいご飯にあるというスーパーを教えてもらった寿々男は、そこで倒れている奈津子を見つけます。他の従業員を引っ張り奈津子が倒れていることを知らせ、彼女を救急車へ運ばせます。
猫の姿のため一緒に病院まで行くことができなかった寿々男は、家に帰りますが、そこへすぐに奈津子が帰って来て、実優にお腹に新しい命が宿ったことを告げるのでした。子供ができたことに寿々男は喜びますが、その晩、実優がマンガを描いている姿を発見。そこには「みゆ、赤ちゃんいらない」と書かれていました。そんな実優に、寿々男は何もできないのをもどかしく感じるのでした。
猫でいられる期間も迫っている中、寿々男はホワイテストから飼い主であるパパが病気であることを聞かされます。「いっぱい迷惑かけたから、いっぱい恩返ししなきゃいけない」という彼女に、寿々男は「とりあえず黙ってそばにいてやれよ」とアドバイスをしました。家では忙しくも笑顔でいようとする奈津子に実優が「なんでいつも笑っているの?」と問いかけていました。奈津子は、寿々男が死んでからずっと泣いていません。「仕事を休めないの?」と聞く実優でしたが、奈津子は仕事へと出かけていきます。
寿々男が家に帰り、実優の机の上を見ると、彼女が描いた「ネコマン」の最終回がありました。そこには猫の姿をした寿々男を追いかけ、一緒に天国へと行く実優の姿がありました。「死んでんじゃん」と苦笑する寿々男でしたが、あることに気がつきます。今日は3月3日。この日は、寿々男が奈津子にプロポーズをした記念日でもあり、毎年家族で展望台へと出かける日でもありました。
展望台へとやって来た寿々男は、そこで実優を見つけます。実優は、トラさんが寿々男だとも知らず、「赤ちゃんかわいそう。うちみたいな貧乏の家で。全部パパのせいだよ」と泣きじゃくります。実優が家に帰ると、そこには実優がいなくなり心配していた奈津子の姿がありました。
寿々男は、ホワイテストのところへ。すると、以前会った時と違い清々しい表情になっていた彼女は、パパとの思い出を語っていき、「最後に罪滅ぼしできたかな」とつぶやき、気付いた時にはいなくなっていました。
トラさん~僕が猫になったワケ~の結末
家に帰ると、奈津子が実優に、なぜ自分がずっと笑顔でいたかの理由を語っていました。前に「もし俺が死んでも絶対泣くなよ」「俺の代わりに実優のこと笑わせてくれよな」と寿々男が何気なく言っていたことを、奈津子は遺言として守っていたのです。話していくうちに堰を切ったように泣き始める奈津子。出会ってから20年。毎日彼が自分に「愛してる」と言い続けてくれたからこそ、自分のことを好きになれたと語る奈津子は、「もっと一緒にいたかった」と本音をぶつけます。それに対し、実優も「会いたいよ、パパ」と奈津子に抱きつくのでした。
そんな2人の様子を見て、家族のために何かできることはないかと考えた寿々男は、裁判長に「人間に戻してほしい」と願います。最初は拒否する裁判長でしたが、「あいつらに何も残せていない」という寿々男の想いの強さに負け、彼を少しだけ人間に戻すことにしました。
奈津子と実優に見つからないよう、2人が寝静まるまで身を隠す寿々男。夜になり2人が寝たのを確認すると、「ネコマン」の最終話を書き始めました。しかし途中で、実優が起きて来てしまいます。けれど彼女は夢だと思い、そこで「死んじゃえ」と行ったことに対して謝り、「パパのこと大好きだし」と寿々男に伝えます。いつの間にか寝てしまった実優を横にさせ、原稿の完成に向けラストスパートをかける寿々男。
朝になり実優を布団へと運んだ時に、起きた奈津子と目が合い2人は思わず笑い合うのでした。そして、奈津子と実優は朝の身支度の中、寿々男の机の上に「ネコマン」の原稿が置いてあるのを見つけます。それを見た奈津子は「そういえば、すーちゃん(寿々男)の夢見た気がする」と言い、2人でまだ細かい部分の修正が残っていた原稿を完成させていくのでした。
そして時は経ち、成長した実優は売れっ子の漫画家になっているのでした。
以上、映画「トラさん~僕が猫になったワケ~」のあらすじと結末でした。
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