家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。の紹介:2018年日本映画。Yahoo! JAPANの質問・相談コーナ「Yahoo!知恵袋」に寄せられた投稿を基に映画化したハートフル・コメディ作品です。結婚3年目を迎えたごく普通の夫婦。しかし、妻がなぜか毎日のように“死んだふり”をするようになり・・・。
監督:李闘士男 出演者:榮倉奈々(加賀美ちえ)、安田顕(加賀美じゅん)、大谷亮平(佐野壮馬)、野々すみ花(佐野由美子)、浅野和之(蒲原)、品川徹(横山)、螢雪次朗(進一)ほか
映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。の予告編 動画
映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」解説
この解説記事には映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。のネタバレあらすじ:起
今年で結婚3年目を迎えたごく普通の夫婦、加賀美じゅん(安田顕)と妻・ちえ(榮倉奈々)。ところがそんなある夜、じゅんがいつものように自宅マンションに戻ると、何とちえが口から血を流して倒れていたのです。
強く揺さぶっても何の反応もなく、慌てたじゅんが救急車を呼ぼうとしたその時、ちえは何事もなかったかのように「ビックリした? さあご飯にしましょ」と笑いながらむくっと起き上がり、じゅんはあっけにとられるばかりでした。ちえはケチャップを血糊代わりにして“死んだふり”をしていたのです。
翌日、じゅんは職場で同僚の佐野壮馬(大谷亮平)に昨夜の出来事を相談していると、じゅんはあることを思い出しました。それは、前妻とは結婚3年目で離婚していたじゅんは、ちえと再婚した際に結婚3年目ごとに今後も婚姻関係を続けていくか意志を確認するという取り決めをしていたことであり、いよいよその時が迫ってきていたのです。
その夜、じゅんは前もってちえに連絡を入れてから帰宅すると、今度はちえは大きなワニ(の精巧に作られた1/2サイズのおもちゃ)に頭を噛まれていました。
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。のネタバレあらすじ:承
それからもちえの“死んだふり”は毎日のように続きました。ある日はドスで一突きされた“極道の妻”、またある日は捕虜にされて銃殺された軍人、またある日は頭に矢が刺さり・・・。それらの小道具を後始末するじゅんは、ゴミ捨て場で近隣住民に怪しまれる始末でした。
困り果てたじゅんは再び佐野に相談、そこで初めてちえに出逢った日のことを打ち明けました。あの日、静岡県三島市に出張していたじゅんはバスに乗り遅れてしまい、近くの寿司屋の娘であるちえに声をかけられ、彼女の父・進一(螢雪次朗)の刺身とちえが注いでくれたビールをご馳走になったのです。幼い頃に母を亡くしたちえは早くから父の店で明朗快活に振舞っていたことまで教えてもらったじゅんは、程なくしてちえと交際に発展したのです。
その後もちえの“死んだふり”は続き、弓矢で撃たれた落ち武者、宇宙人による人体実験、棺桶で十字架に串刺しにされたドラキュラ、西洋のお姫様のコスプレ・・・。
じゅんは佐野の計らいで、ちえ、佐野、その妻・由美子(野々すみ花)と4人でレストランで食事をすることになりました。その席でちえと由美子はすっかり意気投合、友達になりました。
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。のネタバレあらすじ:転
その後もちえの“死んだふり”は止まらず、ウルトラマンのコスプレをするなどエスカレートしていき、時折「月が綺麗ですね」などという意味不明な言葉まで口にするようになりました。そこでじゅんは気分転換にとちえにパートを進め、ちえは横山(品川徹)という老人の営むクリーニング店でパートとして働き始めました。
一方、由美子には深い悩みがありました。ある日、ちえと二人でバッティングセンターに行った際、由美子は結婚から5年経っても子供ができず、不妊治療に苦しんでいることを明かしたのです。
そんなある日、じゅんとちえは佐野夫婦を自宅に招いたのですが、佐野はちえに「先輩は疲れているんですよ。男は外に7人の敵がいる。家に帰った時くらいはゆっくりしたいんですよ」と言うと、カチンときた由美子は「私のことなんか何も知らないくせに、それがあなたの本音なのね!」と口走ってしまい、賑やかな場は一転して険悪な空気に満ちてしまいました。
妻を亡くしてから一人暮らしの横山は文鳥を飼っていたのですが死んでしまい、ちえは横山と一緒に文鳥の埋葬を手伝ってあげました。横山はそんなちえに「二人でいられる時間を大切にするんだよ」とアドバイスを送りました。
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。の結末
佐野夫妻は離婚することになりました。佐野はじゅんに、由美子の方は身体的に異常はなく、自分の方が生殖能力に異常があったことを打ち明けました。佐野は由美子のほっとした表情に屈辱感を感じたというのです。じゅんは佐野に、自分が前妻と離婚した理由を明かしました。じゅんは浮気をしたことがなく、喧嘩もしなかったのですが、ある日突然前妻の方から理由もわからず「別れたい」と切り出されたのです。
そんなある日、三島の進一が倒れたという知らせが舞い込んできました。ちえと共に病院に駆け付けたじゅんは、病床の進一からちえの幼少期の話を聞かされました。それは、妻に先立たれた進一が途方に暮れていた頃、一度もちえの泣いている姿をみたことがないというのです。それどころか、仕事に家事にと忙しい進一が帰宅すると、ちえの姿がどこにも見当たりません。家じゅうを探し回ると、いつの間にか忍者の恰好をしたちえが押し入れの中でかくれんぼをしていました。
それからちえは毎日のようにかくれんぼをするようになり、進一に「お父さん、私は探せば必ず見つかるよ」と言うのでした。最初のうちは疎ましく思っていた進一は、初めてちえがちえのやり方で自分を元気づけようとしてくれていることに気がついたのです。
その後、ちえの実家に行ったじゅんは、彼女の学生時代の教科書を発見しました。落書きだらけのあるページには、かつて夏目漱石が「I LOVE YOU」を独自の解釈で「月が綺麗ですね」と置き換えた逸話が記されていました。ちえの真意をしったじゅんは、彼女を思い出の公園に連れていきました。死んだふりはやめたけれど、なおも様々なミニ芝居に形を変えて続いていきました。
小川の中の小屋にかかる橋で、じゅんはちえを抱き寄せながら、なぜちえが“死んだふり”をしてきたのか自分なりに見つけた答えを告げました。それは周りの誰にも聞こえない、二人だけにしかわからない内容でした。
その後、ちえがパートから帰宅すると、今度はじゅんが“死んだふり”をしていました。しかし、ちえには全くウケず、思いっきりスベったじゅんは気まずそうな表情をしていました。
以上、映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」のあらすじと結末でした。
とにかく妻の死んだふりの演出が毎回クオリティーが高く、面白くてクスッと笑ってしまう!妻自身は死んだふりの演出を毎回楽しんでいるけど、肝心の夫の反応は妻の期待を裏切りなんともシュールな感じ。そんな夫婦のやり取りにほんわかする映画です。
最後の最後で夫が死んだふりをする場面があり、それを見ても全くウケてない妻、スベって気まずそうな夫、こんな夫婦もいるんだなと少し心が温まる映画です。