罪の余白の紹介:2015年日本映画。大学講師をしていた安藤聡は、ある日娘の安藤加奈が高校のベランダから転落した知らせを聞いて衝撃を受ける。娘を救えずに自責の念にとらわれていた聡に、ある少女が訪問する。加奈のクラスメイトの咲だった。遺書や日記を残していないか聡に尋ね、2人で日記を探す。日記で、聡はこの木場咲こそが加奈を自殺に追いやった張本人の1人だということを知る。聡は復讐心に覆われる。いじめや人間の心理を丁寧に描いた、芹沢央原作のヒューマン・ドラマ。
監督:大塚祐吉 出演者:内野聖陽(安藤聡)、吉本美憂(咲)、吉田美佳子(安藤加奈)谷村美月(小沢早苗)、新海真帆(宇野愛海)葵わかな(笹川七瀬)、堀部圭亮(西崎真)、加藤雅也(高山満)
ほか
映画「罪の余白」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「罪の余白」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
罪の余白の予告編 動画
映画「罪の余白」解説
この解説記事には映画「罪の余白」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
罪の余白のネタバレあらすじ:起
安藤聡(内野聖陽)は、大学で行動心理学を教える講師です。妻には先立たれ、娘の加奈(吉田美佳子)と2人で暮らしている父子家庭ですが、幸福な日々を送っていました。
ある日、加奈のクラスでテストが返却されます。テストの点が一番悪かった加奈は、友人の咲(吉本実憂)から罰ゲームとしてベランダの手すりに5秒立つよう命じられました。加奈は拒否しますが、咲や真帆から睨まれ仕方なく実行に移します。
その頃、大学で講義をしていた聡に、加奈が学校の4階から身を投げ出して、自殺したと連絡が入りました。病院に担ぎ込まれる加奈。病院に着いた聡は取り乱し、加奈の名前を叫びます。
一方、真帆は加奈がベランダから落ちたのは自分たちのせいだと焦っていました。しかし咲は自分たちは遊んでいただけで、もしかすると加奈は悩んで自ら飛び降りたのかもしれないと言います。「うちらなら絶対にうまくやれるよ、お互い強くなろうよ。」と話す咲。
加奈が亡くなり、警察は事故と自殺の両面で捜査を始めました。真帆は焦燥感に襲われましが、咲は何とも思っていないそぶりを見せます。その後、葬式に参加した咲は、加奈が日記を付けていたことを思い出し、絶対に真相が知られてはいけないと思い焦ります。
加奈を亡くし、生き甲斐をなくした聡は仕事に身が入りません。ただ茫然として生きる気力をなくす聡は、大学に辞表を提出しました。学長からはこのタイミングでなくてもいいのではないかと言われますが、「心理学を教えるみにもかかわらず、自分の娘のことを何もわかっていなかった…」と、聡は自分を責めます。学長は休暇をとり、教壇に再び立てる時に戻るよう説得しました。
聡が大学を去ろうとすると、同じ大学で働く小沢早苗(谷村美月)が「辞めないでくださいね。」と声を掛けるのでした。
罪の余白のネタバレあらすじ:承
早苗は聡の家に押し掛け、食事の世話をします。警察から加奈は事故だと告げられた聡に、加奈の部屋を調べたかと尋ねる早苗。聡は加奈の部屋を見ましたが、何も見つからず「自分がもっと娘のことを理解しておけばよかった…」と、自責の念に駆られていました。
一方、これまでのことも加奈がすべて日記に書いていたかもしれないと思うと、居ても立っても居られない真帆。聡に謝りに行くべきかと咲に相談しますが、咲から「ばっかじゃないの?自分から謝るなんてありえない…」と言われます。
荒れた生活を送る聡の家に、ある日、咲が訪れます。しかし身分を偽り『笹川七瀬』と名乗る咲。加奈の仏壇に手を合わせ涙ぐむ咲に、聡は感謝をします。咲は遺書や日記がなかったのか尋ねますが、何も関連するものがないことを知りホッとします。安心した咲は帰ろうとしますが、聡はパソコンにもしかすると加奈が日記を付けていたかもしれないと打ち明け、一緒に見てほしいと頼みました。
しかしパソコンはロックされており、パスワードを必死で探す聡。咲は「親に日記を読まれる加奈がかわいそう!」と言い、日記を探すことを諦めさせようとします。しかしついに妻の命日の日をパスワードに入れるとロックは解除され、日記を見つけることができました。
そこには加奈が学園生活を楽しむ様子がつづられていました。咲との仲の良いエピソードがたくさんありますが、内容は次第に咲が加奈をいじめる内容へと変わっていきます。「死ね」と言われたことや、財布を盗まれたことも書いてありました。咲たちに毎日のようにいじめられていた加奈は、何もかもが嫌になっていました。それを読んだ聡は怒りに震えます。
罪の余白のネタバレあらすじ:転
翌日、咲と真帆は担任に呼び出されて、加奈と何かあったのか尋ねられました。咲は心外だと怒り、担任もすっかり騙されます。復讐心に燃える聡は、学校に任せていられないと学校を訪れます。以前家に来た笹川七瀬(葵わかな)を探すと、まったくの赤の他人だと判明します。
そして、咲と真帆を突き止める聡。聡は七瀬に加奈がいじめられていたのかと尋ねます。七瀬は「わかりません。」と答えました。咲はどんな子か聞かれた七瀬は、「誰にもなびかず、ずっと一人で君臨している女の子」と説明し、真帆は咲に取り入っている子だと話しました。
聡は学校から出てくる咲を校門の前で待っていたのですが、そこへ警察がやって来ます。警察に連行された聡は、加奈が亡くなったのはいじめの可能性があると訴えますが、警察は事故だと断定します。
翌日、咲は七瀬を呼び出し、聡と何を話したのか尋ねました。余計なことは何も話すなと、くぎを刺される七瀬。学校が終わり、家に帰る途中で真帆は聡に呼び止められます。加奈が死んだ日に何があったのか尋ねる聡。しかし真帆は走って逃げてしまいます。
そこへ七瀬が通りかかり、加奈は自殺していないと思うことを伝えました。そして、咲は頭のいい子なので、気を付けるよう助言する七瀬。真帆から相談を受けた咲は、これ以上自分たちを追いかけまわすのはやめるよう聡に伝えます。自分は加奈をいじめておらず、聡が父親として娘とちゃんと向き合えていなかったのではないかと話す咲。ブチぎれた聡は咲を殴り、傷害事件をおこしてしまいました。
聡を心配する早苗は、マンションを訪ねては彼の様子をうかがいに来ていました。しかし早苗が作った食事に手をつけず、酒におぼれる聡。学校では加奈が自殺した理由は、聡から性的虐待を受けていたというデマが流れ、児童福祉の女性が家を訪ねてきます。その様子を傍らで見ていた早苗は、学校へ行き咲と話をしようとします。しかし咲は早苗を相手にしません。
罪の余白の結末
酒をやめ、聡は咲の尾行を始めます。すると、咲が芸能事務所からスカウトされる様子を目撃します。聡は加奈のスマホを復元させ、加奈の日記は早苗に預けることにしました。
聡は咲を学校のベランダに呼び出します。加奈が落ちた時にどう感じたのか咲に尋ね、「何か感じたんだろ?」と、ズリズリと咲に詰め寄る聡。しかし咲は全く相手にせず、教室を後にします。その後聡は学校側に見つかり、校内への立ち入りを禁止されてしまいました。
その後聡は、加奈の携帯から咲と真帆に電話をして、翌日家に来るよう指示します。怖くなった真帆は咲に連絡をとり、本当のことを言ったほうがいいのではないかと話しました。しかし咲が怒り出し、真帆は咲に従うしかありません。
翌日、二人は聡のマンションを訪れます。「加奈が飛び降りた理由は知らない。」と話す咲。しかし聡は「何で加奈を死ぬまで追い詰めたんだよ!」と、咲の首を絞めてベランダの手すりに押し付けます。聡は「警察が動いてくれないのであれば、マスコミにすべてをばらす!」と、咲に向かって言いました。すると、焦った咲が聡を突き飛ばし、聡はそのまま真っ逆さまに落ちてしまいます。
その後、松葉杖をつきながら大学に復帰した聡。咲は、刑務所に入り服役するのでした。
以上、映画「罪の余白」のあらすじと結末でした。
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