ツレがうつになりましての紹介:2011年日本映画。「ツレがうつになりまして」は現代には多い病気うつ病を題材にした映画です。主演はツレ役に堺雅人・ハル役に宮崎あおいが演じる。キャッチコピーは「頑張らないぞ!」「健やかなる時も、病める時も君と一緒にいたい」です。この映画は全国222スクリーンで公開され、初日2日間で1億2000万以上の興業収入を記録し観客動員ランキング初登場4位を記録した話題の映画です。
監督:佐々部清 出演:宮崎あおい(高崎晴子 / ハルさん)、堺雅人(高崎幹男 / ツレ)、吹越満(杉浦)、津田寛治(高崎和夫)、中野裕太(小畑)、山本浩司(君塚)、大杉漣(栗田保男)、余貴美子(栗田里子)、吉田羊、ほか
映画「ツレがうつになりまして」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ツレがうつになりまして」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ツレがうつになりましての予告編 動画
映画「ツレがうつになりまして」解説
この解説記事には映画「ツレがうつになりまして」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ツレがうつになりましてのネタバレあらすじ:起
晴子(宮崎あおい)には、結婚して5年になる夫・通称ツレ(堺雅人)がいる。彼は、外資系パソコンソフトのお客様サポートセンターで勤務している普通のサラリーマンだ。
日々、ストレスを抱えながら仕事に追われるツレの性格は、曜日ごとにネクタイの色を決め、お弁当に入れるチーズも決まっている超几帳面男だ。一方、売れない漫画家をしている晴子の性格は、マイペースで毎日気ままに暮らしていた。
そんな冬のある日、夕食に鍋を出した晴子だが、ツレは食欲がないと言う。元気がなく、夜は眠れず食欲がないツレを見て、ただの風邪だと思っていた晴子。しかし翌朝、ツレはいつものようにお弁当を作ろうとするが、どういうわけか作れなくなる。そして寝ている晴子に、「お弁当が作れない…死にたい…」と悲しそうに告げるツレ。
仕事が忙しく疲れているだけだと思った晴子は医者に診てもらうことをすすめ、ツレは会社に出勤する前に病院を訪れることにした。そこで、医師からうつ病だと診断されるツレ。医師は「うつだからといって、怖がる必要はありません。投薬治療を続けて、原因となった問題を解決していきましょう。」と、にこやかに説明した。そして、元の状態に戻るのには早くて半年から一年半はかかると告げられ、ツレは「半年ですか…」としか言えなかった。
薬をもらうために調剤薬局を訪れたツレは、そこで怪しい男性(吹越満)から話しかけられる。彼もまた、うつに苦しむ患者の一人であった。男は、「薬はすぐには効きませんよ。でも睡眠導入剤なら役に立つけど…」と、意味深なことを言い残し去っていく。
ツレがうつになりましてのネタバレあらすじ:承
ツレがうつだと診断され、晴子はネットでうつについて調べてみた。思い返せばずっと前からツレは食欲がなく、体の不調を訴えていたことに気がつく晴子。不安になった晴子は、実家の両親にツレがうつになったことを電話で相談する。
すると両親は「普段通りに接することが大事」とアドバイスをした。晴子もその通りだと思い電話を切ったのだが、そのあとすぐに「うつには野菜いが良いらしい」などと色々な野菜料理のレシピを両親がFAXで送ってくるのであった。
ツレは病院で処方された薬を飲みながら仕事を続けていたが、電車に乗ることを体が拒否しはじめる。そして腹をくくったツレは、上司に自分がうつ病だと打ち明けることにした。しかし上司は、「こんなに忙しいと、みんなうつみたいなもんだよ…」と相手にしない。
会社から帰ると、疲れ果ててソファーに倒れ込むツレ。心配した晴子は、「会社辞めたら?」と告げる。拒むツレに晴子は、「会社辞めないなら、離婚する!」と宣言。そして翌日、ツレは上司に「アルバイトにしてください。」と頼むが無理だと言われ、「ではこれを!」と辞表を提出した。しかし上司は、「辞表は普通手書きで、それに君は平社員だから辞表ではなく退職届け」と、書き直しを命じた。
その夜ツレは、徹夜で退職届けを書き、翌日上司に提出。すると上司から、「ご苦労さん!でもすぐには辞やめられないよ。引き継ぎがあるから。」と冷たく告げられた。
一方、晴子はうつについて本を買うなどして調べることにした。どうすれば治すことができるのか調べ始めた晴子は、うつには薬で症状を改良する方法や、環境を変えるなどの方法を知る。しかし一番良いのは、休養が大事だと知る晴子。
セロトニンの減少でうつがひきおこされるので、セロトニンを増やす食べ物としてバナナや卵、納豆を食卓に出すことにした。すると食欲がないツレが、「納豆なら食べられそう…」とうれしそうにする。実は彼は納豆が好きだが、納豆嫌いの晴子のために我慢していたのだった。
二週間後、薬が効いてきたのか症状が回復したツレは、病院へ行くと医師から「うつは、振り子のように良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら治していくものだから。」と言われる。そして、日記をつけるよう指示されるツレ。「自分がうつであることを受け入れることが大事。」と言われ、ツレはその日からノートに日々のことを書き記すことにした。
会社に退職届を出してからツレは1ヶ月会社に通い、そしてついに最後の出勤日がやってきた。この日、晴子はツレと同じ電車で一緒に出かけることにした。超満員電車にゆられて毎朝ツレが会社に出勤していたことを知った晴子は、「ツレはえらいね~」と感謝を伝える。するとツレは、人目を憚らず泣き出した。そしてこの日、ツレはつとめていた会社をようやく辞めることができた。
ツレがうつになりましてのネタバレあらすじ:転
会社を辞めて、一か月がたった。ツレは、「世間様に申し訳ない!」と昼間休んでいる自分を責め続ける。そんな時、ツレの兄が訪ねて来た。「男は一家の大黒柱なのだから、頑張れ!」と声を掛けられたツレは深く落ち込み、布団をかぶって泣いた。ただ静かに見守ってほしいのに、土足で踏み込んでこられたことに晴子もショックを受けるのであった。
病気は一進一退を繰り返し、眠れない日が続くツレだったが、今度はずっと寝てる生活がやってくる。まるで魔法使いに眠りの魔法をかけられたように、眠り続けるツレ。
春になり、まだツレには魔法はかかったままだ。その頃、晴子と同じ時期に結婚式を挙げた同期組の女性(吉田羊)が離婚した。離婚して疲れ果てた様子の彼女に、晴子は「頑張らなくてもいいんです。そのままでいいんです。」と声を掛ける。そして、晴子はツレがうつ病であることを告白した。
金が底をつき始め、晴子は編集社に行き「仕事をください!ツレがうつになりまして…」と頼み込むことにした。すると後日、事情を知った編集者が小さい仕事だが別の部門の編集者を紹介してくれた。その編集者は、以前自らもうつ病になった経験者だった。
世界から取り残された気分でいた晴子だったが、他にもうつで悩み苦しんでいる人たちが大勢いて、自分たちだけが苦しんでいるのではないと知り、心が少し軽くなった。これまで周りに夫がうつであることを打ち明けられずにいたが、打ち明けたことで前向きになれた。そんな晴子を見て、ツレは「ハルさんは強くなった。」と微笑んだ。
ツレがうつになりましての結末
ある日、ツレは以前勤めていた会社が倒産したことを知る。元同僚は今は別の仕事についており、ツレはその話を家に帰って晴子にした。しかし晴子は漫画の締切におわれ、忙しくてまともに相手にしようとしない。そして邪魔だったため、晴子はツレのことを冷たく突き放してしまう。
するとツレは、一人浴室で泣き出し、ついにはタオルで首を吊って自殺しようとする。それを見つけた晴子が急いで助け出し、事なきをえたのだが、ツレは「僕なんていなくても誰も困らない。ここにいることが申し訳ない。ここにいていいのかな?」と尋ねる。晴子は、「ごめんね…」と謝るしかできなかった。
それまで妻のためにうつを治したいと思っていたツレが、自分のために治したいと考えるようになり、それからはツレの病状は少しづつだが良くなっていった。しかし梅雨の時期は雨の日が多く、体調を崩すことが多かった。
そして季節は夏になり、半年が過ぎてまた冬がきた。二年ぶりとなる結婚同窓会に出席したいと言い出したのは、ツレだった。久しぶりに電車に乗って同期組みの集まりに参加するツレと晴子。結婚式を挙げた教会で、ツレはうつ病の体験談や妻・晴子への感謝の気持ちを同期組に向かって述べ始める。
途中、ツレは言葉を詰まらせ話せなくなるが、晴子がすかさずフォローして、結婚式の時に誓った「健やかなる時も、病める時も」の話を始めた。ツレがうつになったことで、本当の夫婦になれた気がする晴子。
晴子は、うつ病について漫画を書いてみたいとツレに告げる。するとツレは、これまで書き記していた日記を見せてくれた。そこにはツレの苦悩が書き込まれ、晴子は涙ながらに読むのだった。
それからしばらくして、医師から薬を飲まなくても良いと言われたツレは、「一歩前進した!」と言って晴子と共に喜ぶ。そしてその頃、晴子が書いた『ツレがうつになりまして』の本も出来上がっていた。外に働きに行けないツレは、自宅を仕事場にすることにして、晴子をマネージングする会社を立ち上げた。
そしてツレに講演会の依頼が舞い込むようになり、自身の体験を大勢の人の前で述べた。どんな夜も明けないことがないように、たとえ明けた空が曇りでも、夜よりはずっと明るいのだと思う晴子だった。
ある日以上、映画「ツレがうつになりまして」のあらすじと結末でした。
「ツレがうつになりまして」感想・レビュー
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うつ病の病前性格は、メランコリー親和型が強いのかね。
高崎幹男さんは、余りにも几帳面過ぎて、責任感が強すぎる。
うつは、心の風邪。誰にでもなることがあるけど、きちんと向き合えば治せるということを教えてくれます。ツレの会社での酷い描写がそこまでなかったので、見ていられました。辛すぎる場面が多いとみていられなくなってしまうので。。原作のイラストも随所に使われていて、原作の温かい雰囲気がそのままでよかったです。あおいちゃんも漫画のイメージにあっていてかわいいです。