打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?の紹介:1993年日本映画。1993年に放送されたテレビドラマ版を岩井俊二監督が再編集して1995年に映画版「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」として制作したものです。転校を控えた少女と、彼女との駆け落ちを考える二人の仲良し少年の甘酸っぱい青春を描いており、物語はやがて二つの異なる展開へと突き進んでいきます。「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は、2017年8月に菅田将暉と広瀬すずのダブル主演(声優)でアニメ映画化もされました。岩井俊二監督はこの作品で日本映画監督協会新人賞を受賞しました。
監督:岩井俊二 出演者:山崎裕太(典道)、奥菜恵(なずな)、反田孝幸(祐介)、ランディ・ヘブンス(和弘)、小橋賢児(純一)ほか
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(実写版)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(実写版)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(実写版)」解説
この解説記事には映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(実写版)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』ネタバレあらすじ:起
九十九里浜沿いの町、千葉県飯岡町。この町に住む小学6年生の典道(山崎裕太)と祐介(反田孝幸)は、大の仲良しです。そして二人とも、同級生の少女なずな(奥菜恵)に想いを寄せています。しかし夏休みのある日、なずなの両親が離婚することが決まり、彼女は母(石井苗子)に引き取られて転校することになりました。
そんなこととは知らない典道と祐介は、プール掃除をさぼり50メートル競争することにします。告白をかけて競争する二人を見守るなずな。25メートル泳いだところで典道は足をぶつけてしまい、勝負は祐介が勝ちました。するとなずなは競争に勝利した祐介を花火大会に誘います。「二人きりで行こう」と誘われ、予期せぬ告白に衝撃を受ける祐介。
その後、教室戻った祐介と典道は、和弘(ランディ・ヘブンス)ら仲間たちと、花火を横から見てみると丸いのか平べったいのかで議論になります。そして実際に確かめてみることになり、花火が横位置から確認できる灯台へ行くことになりました。なずなと約束した同じ時間に、仲間と校庭で待ち合わせの約束をする祐介。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』ネタバレあらすじ:承
なずなは大きなトランクを引きずり、浴衣を着て祐介の家がある病院に向かいます。しかしそこに祐介の姿はなく、仕方なく受付で待つなずな。その頃、典道の家でゲームをして時間を潰していた祐介と典道は、約束の時間になり校庭へ向かおうとします。しかし、プールでぶつけた典道の足が痛み出しました。ただの擦り傷にもかかわらず、破傷風になるかもしれないと脅す祐介。実家の病院で見てもらうよう促し、典道を病院へと急かします。そして「なずなを見かけたら、花火大会には一緒に行けなくなったと伝えてほしい」と頼む祐介。なずなの告白に、祐介はすっかり怖気づいてしまっていたのです。しかも「なずなのことは好きではない」と強がり、さっさと一人で仲間のもとに向かう祐介。
典道が病院へ行くと、なずなは祐介を待っていました。典道は祐介が来ないことを伝えると怒って病院を出ていくなずなですが、行く当てのないなずなはトランクを抱えて、病院の前で典道が出てくるのを待っていました。親への反発心もあったなずなは、プールでの競争で勝った方と駆け落ちしようと密かに考えました。そして祐介を誘ったなずなですが、見事に裏切られ、「典道君だったら裏切らなかった?」と寂しそうに聞きます。典道は「裏切らない」と答えたその直後、なずなは母によって連れ戻されてしまいます。ただ黙って見ているだけで、なずなを助けることもどうすることもできなかった典道。そこへ典道を心配した仲間がやって来ます。そこにいた祐介を見て腹が立った典道は、祐介を殴り、自分が競争に勝っていればと悔やみました。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』ネタバレあらすじ:転
「もし自分が勝っていれば…」と考える典道は、勝負に勝っていた時のことを想像します。プールでの競争に勝った典道は、なずなに花火大会に誘われます。あまりにも突然のことに戸惑う典道。その後、帰宅した典道の元に祐介が訪れゲームをし始めました。そこへ浴衣姿のなずなが家の前に姿を現し、祐介にばれないかと落ち着かない典道。典道は隙を見てなずなと共に家から逃げ出し、二人は飯岡駅に向かうためにバス停へ行きます。その様子を見てしまった祐介。
途中、なずなのトランクが開いてしまい、中から色々なものが出てきて驚く典道。バスに乗ると、なずなから駆け落ちすることを告げられます。駅に着いたなずなはトイレで浴衣から大人びたワンピースに着替え、化粧を施すと、16歳だと偽って夜の商売で典道を養うと話します。しかし、電車が来るなり、なずなは急にバスで帰ると言い出し典道は混乱します。わけもわからず散々振り回されることになり、その後二人で夜の学校のプールに潜入。服を着たままプールに飛び込んだなずなと一緒に、典道となずなは戯れ合いました。
一方、なずなと典道が走って逃げる様を目撃していた祐介は、仲間たちとの待ち合わせの校庭に行き共に灯台に向かいますが、典道に裏切られたと感じて胸のモヤモヤ感が取れません。しかも灯台は思っていたよりも遠く、仲間同士で喧嘩が始まります。
プールにいたなずなは、典道に花火は横から見ると平べったいのかを尋ね、「次会えるのは二学期だね」と言い残して典道の前から去っていきました。そんななずなの後姿をずっと見ている典道。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』結末
ようやく灯台にたどりついた祐介たちですが、すでに花火大会は終わっており、花火が丸いのか平べったいのかを検証することはできずに落ち込みます。「何のために遠い道のりを歩いてきたんだよ」と、喧嘩をしながら灯台に登る祐介たち。
一方、なずなと別れた典道は、花火大会が終わった後の祭り会場に向かいます。すると会場に、恋人とデートしていた担任の三浦先生(麻木久仁子)と出くわしました。「花火って横から見ると丸いの?平べったいの?」と尋ねる典道。それを聞いた先生の恋人が、同級生である花火師を紹介してくれました。そして花火師の計らいで、特別に余った花火を打ち上げてもらえることになります。
大きな音をたてて打ち上げられた花火は、見事に丸い形を成しながら夜空に輝いていました。それは真下から見上げていた典道にも、灯台にいた祐介たちにもはっきりと見えているのでした。
以上、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のあらすじと結末でした。
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