ビジランテの紹介：2017年日本映画。埼玉県深谷市を舞台に、地元有力者の父を持ち、それぞれ別々の人生を歩んでいた三兄弟が、父の遺産を巡って骨肉の争いを繰り広げる姿を、地方都市の悲哀も絡めて描いた作品です。タイトルの“ビジランテ”は、劇中に登場する“自警団”を意味しています。
監督：入江悠 出演者：大森南朋（神藤一郎）、鈴木浩介（神藤二郎）、桐谷健太（神藤三郎）、篠田麻里子（神藤美希）、般若（大迫護）ほか
映画「ビジランテ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビジランテ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ビジランテの予告編 動画
映画「ビジランテ」解説
この解説記事には映画「ビジランテ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビジランテのネタバレあらすじ：起
真夜中の川を三人の兄弟が渡ろうとしていました。長男は何かを入れた箱を埋めたところ、首から血を流した三兄弟の父が追いついてきました。三兄弟は連れ戻されて激しい暴行を受け、耐え兼ねた長男は家出、そのまま消息を絶ちました…。
30年後、埼玉県深谷市。地元の有力者だった神藤武雄（菅田俊）が亡くなり、次男・二郎（鈴木浩介）は葬儀の喪主を務めていました。父の後を継いだ二郎は今や市議会議員となり、妻・美希（篠田麻里子）を娶り、出世コースを歩んでいました。葬儀に参加しなかった三男・三郎（桐谷健太）は地元の暴力団・石部組の大迫護（般若）の企業舎弟としてデリヘルの雇われ店長をしていました。二郎は父の遺産であり、大型複合商業施設の建設予定地でもある土地の権利を相続しようとしており、父に憎しみを抱いていた三郎も了承していました。
ビジランテのネタバレあらすじ：承
そんなある日、二郎と三郎の前に30年前に生き別れた長男・一郎（大森南朋）が現れました。一郎は生前の父から託されたという遺言書を持っており、土地相続の権利は自分にあると主張してきました。一郎はサオリ（間宮夕貴）という女と同棲していましたが、サオリは粗暴で薬物中毒の一郎に嫌気が差して逃げ出しました。一郎は三郎の店のデリヘル嬢・亜矢（岡村いずみ）に暴行を加え、亜矢は店を去ることになりました。一方、二郎が会長を務める自警団「けやき防犯会」は町の治安維持の活動をしていましたが、在日中国人が多く住む地域でメンバーの一人・石原（吉村界人）が中国人相手に暴力沙汰を起こしたことから大騒動に発展、中国人らは報復として石原の片目を失明させました。
ビジランテのネタバレあらすじ：転
三郎は大迫から、一郎が持つ土地の権利を譲り受けるよう要求されますが、一郎は先祖代々から受け継がれてきた土地を商業施設ごときのために手放す訳にはいかないと拒否しました。結局権利を得られなかった三郎は裏社会から足を洗おうとしましたが、激昂した大迫に暴行を受け、更には翌日17時までに土地の権利を得られない場合は三郎の店のデリヘル嬢全員を殺すと脅されました。その頃、病院から抜け出した石原は仲間たちと共に在日中国人の居住区域にガソリンを巻き、火を放ちました。三郎は二郎の家に行き、助けを求めましたが、放火の報を受けた二郎は三郎を突き放し、美希と共に火災現場に向かいました。三郎は30年前に渡ろうとした川を渡り、一郎が埋めた箱を掘り起こしました。30年前、父の首を刺したのは三郎であり、箱の中には凶器のナイフが入っていました。一郎は全ての責任を背負って失踪したのです。火災事件は解決し、二郎は美希が商業施設計画の中心的存在である所属会派の重鎮に抱かれるのを黙認していました。
ビジランテの結末
タイムリミットまであと僅か。一郎に土地の権利の譲渡を懇願する三郎の元に大迫が手下を引き連れてやってきました。しかし、その場には一郎が多額の借金をしている横浜の暴力団幹部・湊（坂田聡）の一味が借金取り立てにやってきました。三者は一触即発の状態となり、権利を巡って争うなか、一郎は三郎が掘り起こしたナイフで大迫を刺殺、そのまま両者は全面抗争に発展しました。湊一味は大迫一味を一人残らず射殺、一郎は流れ弾を受けて絶命しました。三郎は監禁されていたデリヘル嬢たちを助け出し、自らは兄の仇を取ろうと湊一味に迫るも腹に銃弾を受けて倒れ、血を流しながらもデリヘル嬢たちの元へ戻ろうと這いつくばりました。その頃、二郎は商業施設建設計画のパーティーに出席、会派の重鎮の一人・岸（嶋田久作）から血まみれの遺言書を見せられ、正式に二郎が土地を相続することになりました。一郎の死を悟った二郎は涙を流しましたが、美希の姿を見て涙を堪え、気丈に挨拶を務めあげました。
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