Vision ビジョンの紹介:2018年日本,フランス映画。河瀬直美監督の故郷・奈良を舞台に、ジュリエット・ビノシュと永瀬正敏という日仏の名優をダブル主演に据えて製作されたヒューマン・ファンタジー映画です。千年に一度だけ姿を見せるという幻の植物“Vision(ビジョン)”を巡って、フランス人エッセイストと孤独な山守の男が綴る“いのちの物語”です。
監督:河瀬直美 出演者:ジュリエット・ビノシュ(ジャンヌ)、永瀬正敏(智)、岩田剛典(鈴)、美波(花)、森山未來(岳)、田中泯(源)、夏木マリ(アキ)ほか
映画「Vision ビジョン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「Vision ビジョン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
Vision ビジョンの予告編 動画
映画「Vision ビジョン」解説
この解説記事には映画「Vision ビジョン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
Vision ビジョンのネタバレあらすじ:起
夏を迎えた奈良・吉野。エッセイストであるフランス人女性のジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は通訳兼アシスタントの花(美波)を伴ってこの地に降り立ちました。
20年以上に渡って吉野の自然豊かな森を守り続けている山守の智(永瀬正敏)はひと仕事を終えると、いつもお世話になっている女性・アキ(夏木マリ)の家へ食事を採りに向かいました。自称・千年ほど生きているというアキは智に今日はもう山に行ってはいけないと告げたうえで、明日の朝に森の守り神である春日神社へお詣りに行くよう促しました。
翌朝、智は早速春日神社へ行くと、そこにジャンヌと花が現れました。ジャンヌはこの地に千年に一度だけ咲くという幻の植物“Vision(ビジョン)”を探しているといい、しばらくの間智の家に泊めてほしいと頼み込みました。ジャンヌいわく“ビジョン”とは人類のあらゆる精神的な苦痛を取り去ることができる薬草のようなものであると説明しましたが、智は“ビジョン”について何も知りませんでした。
Vision ビジョンのネタバレあらすじ:承
智の案内で吉野の山入りしたジャンヌと花は、智に同行したり、森に入ったりして吉野の大自然を満喫していました。ある日、智はアキにジャンヌと花を紹介すると、アキは「最近、森がおかしい。千年に一度の時が迫っている」とまるで“ビジョン”が咲く時が近付いていることを示唆、そしてジャンヌについては「あんただったんだね…」と以前から知っていたかのような素振りを見せました。ジャンヌはフランス語の他に英語も話すことができ、智も英語ができることから、お役御免となった花は祖母の元へ去っていきました。
それから智の家には智とジャンヌ、そして智の愛犬コウのみとなり、ジャンヌは智のために料理を作ったり、“ビジョン”について語り合ったりしているうちに、いつしか二人は国境や言葉の壁を超えて身も心も結ばれていきました。
智とジャンヌがアキの家を訪ねたところ、アキの姿は忽然と消えていました。アキは森に入ったきり二度と戻ってはきませんでした。やがてジャンヌは仕事のため一時的にフランスに帰国することになり、別れ際に智に「間もなく“ビジョン”は現れる」と言いました。
Vision ビジョンのネタバレあらすじ:転
秋になり、智は森を歩いていると倒れている青年を見つけ、とりあえず離れに連れて行きました。男の名は鈴(岩田剛典)といい、鈴は山守の仕事ができることから智の家に住み込んで作業を手伝うようになっていきました。
やがてジャンヌがフランスから吉野に戻ってきました。いつの間にか住み着いていた鈴の存在に気付いたジャンヌは少し複雑な心境になりました。ところが数日後、鈴はコウと共に姿を消してしまい、智は森の中を探すも結局見つけることはできませんでした。仕方なく智はジャンヌと二人だけの時を過ごしました。そんなある時、鈴は死んだコウを抱きかかえて突然戻ってきました。コウの死を悲しむ智。そんな時、吉野の森に何やら胞子のようなものが生まれ、舞い始めました。その後、鈴は森に入って行って踊っていると、森は炎に包まれていきました。
Vision ビジョンの結末
鈴を探すジャンヌには秘められた過去がありました。ジャンヌは以前にも吉野を訪れたことがあり、その時に猟師の岳(森山未來)と出逢い、やがて彼の子を身籠りました。ところが岳は同じく鹿狩りをしていた源(田中泯)に誤って撃たれてしまい、命を落としていたのです。その後、ジャンヌは森の中で赤ん坊を出産、赤ん坊はアキに連れられて老夫婦(ジジ・ぶぅ、白川和子)に育てられていたのです。
ジャンヌは焼け跡で倒れていた鈴を見つけました。ようやく意識を取り戻した鈴に、ジャンヌは「やっと会えたのね…」と語り掛けました。鈴はジャンヌの実の息子だったのです。これからは智とジャンヌ、鈴の3人で生きていくことでしょう。
以上、映画「Vision ビジョン」のあらすじと結末でした。
予告を観て、あぁ、これは絶対に劇場で観る映画だ!と思い、劇場に足を運びました。大きなスクリーンで吉野の山、森が映し出されると、まるで自分が山の中にいるよう。静謐な映画の中で森林浴気分が味わえました。美波ちゃんのフランス語がとてもきれいで聞き入ってしまった・・・。岩田くんも河瀬ワールドに入るのはまだ早いかな~と言う気がしたけれど、イケメン俳優から演技派俳優への過渡期なのかな。とても頑張ってました。(偉そうにすみません)永瀬さんは「あん」の時もそうでしたが、物静かな頑固職人な役どころはぴったりですね。渋い。ビノシュが邦画に出てるのは、ただただ豪華です。フランス人らしい展開でちょっと笑ってしまいましたが;夏樹マリさんは湯婆婆感満載でした。最後のどんでん返しは個人的にはない方がよかったかな・・・。また劇場で観て、癒されたい作品です。