映画「ずっと独身でいるつもり？」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ずっと独身でいるつもり？の紹介：2021年日本映画。雨宮まみの同名エッセイならび、同作を原案としたおかざき真理の同名漫画を本作が初主演となる田中みな実を主役に迎えて制作した映画です。さまざまな境遇の女性たちが抱える不安や寂しさ、そして幸せを追い求める姿を描いていきます。
監督：ふくだももこ 出演者：田中みな実（本田まみ）、市川実和子（佐藤由紀乃）、松村沙友理（鈴木美穂）、徳永えり（高橋彩佳）、稲葉友（橋田公平）、松澤匠（高橋佑介）、山口紗弥加（五所川原玲）、藤井隆（徳永隆一）、橋爪淳（本田士郎）、筒井真理子（本田恭子）ほか
この解説記事には映画「ずっと独身でいるつもり？」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
作家の本田まみ（田中みな実）は36歳の独身女性。10年前に自立した女性の価値観を綴ったエッセイ「都会というサバンナで、ひとりで咲く花になろう」の大ヒットにより一躍有名作家となったのですが、その後はヒット作に恵まれず、現在は徳永隆一（藤井隆）が司会を務めるネット配信番組「ずっと独身でいるつもり？」でコメンテーターをしています。
この日の放送、ゲストとして出演したのはマスクで顔を隠した“パパ活女子”の仮名・M。その正体は鈴木美穂（松村沙友理）という女性です。美穂は年上男性とは肉体関係なしで楽しく酒を飲んで時給3万円を得ていました。その話を聞いていたまみは、つい「こんな年になると一人で生きていくことが怖い」とこぼしました。
「ずっと独身でいるつもり？」を見ていた、まみと同年代でまみのエッセイを心の支えにしてきた佐藤由紀乃（市川実和子）は、まみがつい弱音を吐いたことに憤り、SNSに「まみは空っぽになった。いちばん寂しいのって“ひとりぼっち”のことじゃなくて“ひとり”に耐えられなくて誰とでもくっついちゃう女だよね。それってまみみたいな女のこと」などと書き込んでいきました。
同じく「ずっと独身でいるつもり？」を見ていた高橋彩佳（徳永えり）は赤ん坊の子育てと家事に追われており、あまり子育てに協力的ではない“なんちゃってイクメン”の夫・佑介（松澤匠）に小さな不満を抱えていました。
番組の終了後、まみはディレクターの五所川原玲（山口紗弥加）と飲みながら、年下の彼氏・橋田公平（稲葉友）との交際の進捗状況について訊かれました。まみは実家の母・恭子（筒井真理子）からも交際状況について訊かれていました。
まみは自分の発言がSNSで話題になっていることについて「暇ですねえ」と呟きました。そんなまみは担当編集者との打ち合わせで新作の構想について問われ、フォロワー数23万人を誇るインスタグラマー“はるママ”（彩佳のこと）のインスタグラムを紹介されました。
担当編集者は、まみが結婚を目指す内容にしてはどうかと持ちかけましたが、まみは言葉を失ってしまいました。
打ち合わせを終えたまみは公平の元へ向かいました。まみより5歳年下の商社マンである公平は非常にこだわりが強く、欲しいものはすぐに購入したり、料理ひとつに細かく手間暇かけたりするような人間でした。
この日も公平はまみを3時間も待たせてカレーを作り、まみは内心うんざりしながらもカレーに口をつけました。その時、公平は唐突にまみに「結婚しようか」と告げ、まみも受け入れました。
まみは公平と共にとあるパーティーに出席し、その席で婚約を発表しました。公平の同級生のひとりは、まみが公平よりも5歳年上だと聞いて驚きを隠せませんでした。婚約が決まったその後も、まみは公平に対して微妙な違和感を抱き続けていました。
まみは結婚前に互いに妊娠と出産が可能かという検査を受けようと公平に持ちかけましたが、公平は、検査はまみだけが受けるものだと思い込んでおり、自分も検査を受けることを拒否しました。
その頃、由紀乃は同窓会に出席し、新たな出会いでもないかと期待していましたが、中々ありつけるものではありませんでした。由紀乃は彩佳と会い、彼女がインスタグラムで主婦のインフルエンサーとして活躍していることを知り、羨望の眼差しを向けました。
彩佳もまた由紀乃のフェイスブックを見ており、由紀乃が以前交際していた元恋人との日々を綴っていたことも取り上げました。由紀乃はその恋人とは今年の初めに別れていたのです。
その後、由紀乃は大学時代に交際していた男と再会しましたが、この男がやたらと神経質でネガティブな発言ばかり繰り返していることを思い出し、思い出というものは美しく加工されているのだなと感じました。そして由紀乃はSNSでまみの発言に対して毒づいたコメントをしたのが自分に跳ね返ってきたのだとも感じました。
彩佳は相変わらず“なんちゃってイクメン”気取りで、家事には非協力的な佑介に不満をくすぶらせていました。しかし、子育てのために仕事を辞めた彩佳は佑介の稼ぎをあてにしている以上、あまり強くは言えませんでした。
数日後、彩佳と由紀乃は再び会って会話を交わしました。由紀乃は彩佳ら子持ちの主婦を「勝ち組」と羨ましがっていましたが、彩佳は子育ての辛さを語って否定しました。
一方、先日の「ずっと独身でいるつもり？」で大見栄を張っていた美穂でしたが、今年26歳で年齢的にもアラサーに近づいており、いつまでパパ活を続けられるか焦りを感じていました。これといって資格も持ったことがなく、就職もしたことがない、それでいてマンションの家賃は払わなければならない美穂は、パパ活のお得意さんの男から金に困っていることを見抜かれ、金を渡されました。
男は美穂に、この関係を終わらせるか、それとも体の関係を持つかどちらかを迫られました。男が既婚者であることを見抜いた美穂は手切れ金100万円を要求して関係を終わらせることにしました。
これでしばらくはマンションの家賃が払えると思った美穂でしたが、男との密会現場を撮られてしまいました。美穂は写真を撮った男に身体を差し出して証拠を揉み消してもらおうと考えましたが、いざとなると写真を撮った男を突き飛ばし、写真のデータを抜き取ると、下着姿のまま夜の街へと駆け出していきました。
まみの婚約はネット上で反響を呼びました。このことをきっかけに、まみの元には結婚に関する新たな仕事が舞い込むようになりました。まみは公平を親戚一同に紹介しましたが、親戚からは「もらってもらえてよかったね」とどこか引っかかる言葉をかけられて心が動揺しました。
恭子はそんなまみを気遣って結婚に悔いはないのかと訊くと、まみはついカッとなって結婚に反対するのかとキレてしまいました。その後、恭子は改めて電話で「無理に結婚することはない。自分みたいに何も言えない身になってはいけない」と助言しました。
まみは公平の両親に会いに行きましたが、そこで今の仕事を辞めるのか辞めないのか暗に迫られました。まみは仕事を辞めるつもりはなく、公平にもそのことを伝えましたが、公平はまみの話にまともに向き合うこともせず、自分の都合ばかり押しつけるような態度を取りました。
これ以上付き合い切れないと感じたまみは婚約を破談にし、公平と別れる決心をしました。
まみは「ずっと独身でいるつもり？」に眼帯姿で出演し、眼帯を外して目の周りにできた痣を見せました。そしてまみは視聴者に結婚は破談になったことを伝えると、独身女性に対して厚意を装いながらも時として無遠慮にかけられる言葉を取り上げ、「うるせえよ、そんなこと。私がいちばん考えてます」と語りました。
この番組を見ていた由紀乃や彩佳、美穂はまみの発言に大いに勇気を貰いました。由紀乃は別れた元恋人と同棲する予定だったけれども今なお住み続けているマンションを引き払うことにし、彩佳は佑介に自分も働きたいと願い出ました。美穂はスマホを川に投げ捨て、今までの自分と決別しました。
それからしばらくして、まみは叔父の本田士郎（橋爪淳）と街で会いました。親族から変わり者と蔑まれながらも自由気ままに生きている士郎に、まみは「東京というサバンナで逞しく生きているよ」と励まされました。
まみは公園でベビーカーを持っていた彩佳と佑介の手伝いをしました。マンションを引き払った由紀乃は、引っ越し先の隣人が奇遇にもまみであることに驚き、これまでSNSでまみの発言に対して好き勝手に書いていたことを謝罪しました。由紀乃は自分の発言は自分自身に対する不満だったと語り、今の自分は幸せだとまみに伝えました。
その後、まみは自室で新たな文章を綴り始めました。そこに恭子から電話があり、まみは恭子の相談に乗ってあげました。
以上、映画「ずっと独身でいるつもり？」のあらすじと結末でした。
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