ホタルの紹介:2001年日本映画。降旗康男監督と高倉健が「鉄道員(ぽっぽや)」以来再び手を組んだ人間ドラマです。昭和から平成に替わった頃、元特攻隊の生き残りの男が不治の病を抱えた妻と共にある場所へ旅に出ます。
監督:降旗康男 出演者:高倉健(山岡秀治)、田中裕子(山岡知子)、小澤征悦(金山文隆/キム・ソンジェ)、水橋貴己(藤枝真実)、奈良岡朋子(山本富子)ほか
映画「ホタル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホタル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ホタルの予告編 動画
映画「ホタル」解説
この解説記事には映画「ホタル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホタルのネタバレあらすじ:起
昭和も終わりに差し掛かったバブルの時代。桜島を望む鹿児島県知覧町で、元特攻隊員の生き残りである山岡(高倉健)はこの日も愛用の漁船「とも丸」の上から養殖カンパチの生簀に餌を撒いています。船には妻の知子(田中裕子)が同乗しており、夫の仕事を見守っています。二人には子はなく、この「とも丸」を我が子のように大事に乗りこなしてきました。知子は肝臓の病で人工透析が必要な身体になっており、そのことがきっかけで山岡は沖合の漁から養殖業に鞍替えしたのです。山岡は亡き友の形見のハーモニカを大事にしていました。1989年、昭和が終わり、平成が始まった頃、山岡は同じく特攻隊の生き残りだった藤枝という男が自殺したという知らせを聞きます。青森に住んでいた藤枝は毎年のように山岡にリンゴを送っていただけに、山岡は深い衝撃を受けます。
ホタルのネタバレあらすじ:承
数日後、藤枝の孫・真実(水橋貴己)が山岡の元を訪れました。真美は藤枝の遺品のノートを携えていました。そこには藤枝の想いが綴られていました。山岡からのリンゴのお礼の手紙を受け取る度に「生きろ」と励まされているように感じたこと、そして昭和が終わり自分の役目は終わったというようなことがありました。数日後、山岡はかつて特攻隊員らから「知覧の母」と呼ばれて慕われていた富屋食堂の店主・山本富子(奈良岡朋子)から、特攻で命を落とした金山文隆少尉ことキム・ソンジェ(小澤征悦)の遺品である故郷のお面飾りのついた財布を韓国の実家に届けてほしいと託されます。折しも医師から知子の余命がわずか1年半と宣告されており、山岡は最期の思い出作りにと知子を同伴させることを決めます。
ホタルのネタバレあらすじ:転
太平洋戦争時、知子(笛木優子)は金山と婚約していました。山岡(高杉瑞穂)は金山からある遺言を託されていました。当時は遺言ですら検閲される時代であり、金山は特攻が特攻に残してどうするなどと言いながらも、口頭で山岡に言い遺していたのです。遺言の内容は、自分は当時韓国を併合していた大日本帝国のためではなく、知子や実家の家族、そして朝鮮民族の誇りのために闘うのだということでした。
知子を伴って韓国に飛んだ山岡は金山の実家を探し当てますが、なぜ金山が死に日本人である山岡が生き残ったのかと山岡を責めます。
ホタルの結末
しかし、山岡が金山の遺言を伝えると遺族は山岡を責めるのを止め、遺品を受け取りました。するとどこからともなく朝鮮民謡「アリラン」が流れてきました。それはまさしく金山を追悼するかのようでした。山岡は知子に、今まで金山の遺言を伝えなかったことを謝罪すると、知子は「ありがとう」と泣きながら寄り添いました。その夜、二人は空を舞うホタルを見つめていました。まるで金山の想いがホタルとなってやってきたかのようでした。
それから月日が流れた21世紀のある日。年老いた山岡は、太平洋を望む海辺で、役目を終えた「とも丸」が炎に包まれる様をひとり見つめていました。
「ホタル」感想・レビュー
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一つしかない命を祖国と家族達のために捧げる特攻の若者たち このようなことがないように、戦争の悲惨さ命の尊さを語りついでいくことの大切さを改めて感じさせる良い映画です。高倉健さんの映画は人間に語りかけるものが多くあり逝去されていますが 多くの人に見てもらいたいものです。
上官の許嫁を妻とした健さん。特攻隊生き残り一人の生き方によって時代に翻弄された天皇、庶民の苦悩が伝わりました。戦争を知らない世代を水橋が
好演してます。しかし健さんってどの映画も演技せずとも、語らずとも伝わる最高の役者さんですね。江利チエミとなんで離婚したんでしょう。