ゼロの焦点の紹介:2009年日本映画。松本清張の同名小説「ゼロの焦点」を映画化。お見合いをし結婚した憲一と禎子。結婚から1週間後、金沢に向かった憲一が帰宅予定日になっても帰ってこない。心配した禎子は金沢に向かい、そこで不可解な事を知る。憲一が金沢で仕事をしていた時は下宿に住んでいたと聞かされていた禎子だが、下宿には住んでなかった。調査を進める中で憲一の兄が何者かに殺される。そして室田の会社に勤める田沼久子を調べていた本多も殺されてしまう。徐々に浮かび上がる憲一の過去。衝撃の結末に禎子はたどり着く。
監督:犬童一心 出演:広末涼子(鵜原禎子)、中谷美紀(室田佐知子)、木村多江(田沼久子)、杉本哲太(鵜原宗太郎)、崎本大海(鳴海亨)、西島秀俊(鵜原憲一)ほか
映画「ゼロの焦点」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゼロの焦点」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゼロの焦点の予告編 動画
映画「ゼロの焦点」解説
この解説記事には映画「ゼロの焦点」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゼロの焦点のネタバレあらすじ:起
金沢で仕事をしている憲一と禎子はお見合いをした。憲一はあまり自分のことを話さない人だ。やがて憲一と禎子は結婚する。
1週間後、昭和32年12月。憲一は仕事の引き継ぎでで金沢1週間行くと見送ったきり帰ってこなかった。1週間経っても帰ってこない憲一を心配する禎子。先に送られてきた憲一の荷物を片付けていたら本の中に2枚の建物の写真が挟まっていた。心配した禎子は金沢に向かった。
金沢についた禎子は所長の青木に会う。海岸で男性の死体が上がったという話を聞く。その海岸は自殺の名所と言われていた。禎子はその死体を確認しに行った。ボロボロな死体だったが憲一じゃなかった。金沢では下宿に住んでいたと言う憲一は下宿になど住んでなかった。当時の所在は会社の人も知らなかった。
ゼロの焦点のネタバレあらすじ:承
本多が会社のことなどを教えてくれた。本多の案内で室田社長という人物に会うことになった。社長は工場にいた。そこに妻の佐知子が現れた。社長は憲一の私生活に詳しいのは佐知子だと言う。日本初の婦人市長の選挙活動に力を入れる佐知子。禎子は佐知子に連れられ家に来た。以前、本に挟まっていた写真の建物だった。そこで憲一は室田夫婦とお別れ会をしたという。
夜、母からの電話で憲一が会社に入る前、立川で警察をしていたことを知る。憲一の兄宗太郎が金沢に来た。鶴来の旅館で宗太郎は人に会うからと部屋を借りた。何者かに毒を飲まされ亡くなった。警察が調べると禎子に会う前に宗太郎は金沢に着いていた。宗太郎が亡くなった時に赤いコートの派手な女が目撃されていた。佐知子は家に帰ると女達と楽しんでいた社長。そして禎子は本多に室田の会社の受付の女性を調べるよう依頼し葬儀のため一旦帰る事にした。
受付の女、田沼久子は室田社長の愛人との噂が立っていた。本多は久子の家を訪ねるが、赤いコートの女に殺されてしまう。禎子は金沢に戻った。久子の内縁の夫は自殺していた。憲一が戻ると言った日に久子の夫の遺体が上がったという。禎子は久子と男について調べた。着いた先はもう一枚の建物の写真の場所だった。憲一は金沢で名前を偽り、久子と暮らしていたことがわかる。警察で久子宛の憲一の遺書を目にする。書体も一致していた。佐知子に悔しい思いを相談した。あとは警察に任せなさいと言い佐知子と別れた。
ゼロの焦点のネタバレあらすじ:転
立川に来た禎子は警察署を訪ねた。昭和23年、アメリカ兵が多くいて遊女を取り締まっていた時、一緒に働いていた人に話を聞く。そこで久子のことを聞くと、数日前、室田社長が同じ件で訪ねたことがわかる。遊女たちが下宿していた場所で久子の話を聞き写真を見せてもらう。そこで佐知子の写真を目にする。その頃、佐知子は久子を連れて逃げていた。
2年前、金沢で憲一は久子と偶然再開。憲一は名前を偽っていた。自殺した後、久子の話を憲一から聞いていた宗太郎が久子の家を訪ねていた。純粋な久子は名前が違うから宗太郎の言葉は信じていなかった久子は佐知子から、あんたは憲一に騙されてたと言われる。憲一が警察の頃佐知子と久子を助けたのが3人の出会いだ。憲一はそれぞれ二人に会っていた。佐知子に久子の名前を伏せ仕事を与えてあげてくれと頼んだ。禎子と出会ってしまった憲一は、久子の内縁の夫という存在を偽装自殺で消そうと企んだ。
過去の話をバラされたくない佐知子が偽装を手伝うふりをして、断崖に遺書を置かせ突き落とした。佐知子は後に憲一が一緒に暮らしていたのが久子だと知る。バレるのが怖かった佐知子は感づき始めた宗太郎と探っていた本多を殺したのだ。佐知子は車を止め久子を殺そうとするが、久子は自ら命を絶つ。カバンから母子手帳が出てきてそれを見た佐知子は発狂し家に戻り暴れ出す。その後殺した記憶を無くす。
ゼロの焦点の結末
婦人市長の選挙が無事当選し、演説する佐知子。その頃、妻の罪を被った室田社長が出頭直前、拳銃で自殺をした。当選報告会場で禎子は、遊女時代の佐知子の名前を呼んだ。動揺する佐知子。禎子は佐知子を一発殴った。そして佐知子から、憲一は誰よりもあなたのことを愛していたと告げ、車で逃げた。全てを知った禎子はその場で泣き崩れた。
1週間後、海で船に乗って死んでいる佐知子の遺体が発見されるのであった。
以上、映画「ゼロの焦点」のあらすじと結末でした。
「ゼロの焦点」感想・レビュー
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これは感動というか、3人の女性達の救われない悲しい運命に涙がとまらなかった。
中谷美紀の演技がとても迫力があり、映画に引き寄せられた。
最初は、なんだか難しいしつまらない映画だな、と思っていたけれど
だんだん謎が解けていって、どんどん泥沼にはまっていく佐知子の姿を見るのが本当に辛かった。 -
室田社長が妻の罪を被って自害するシーンがどういうことなのか理解できなかった。
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演技が稚拙で、何も共感できなかった。
お遊戯会?! -
太平洋戦争で日本が負けて生きて行くためにパンパンになった、悲しい過去。今コロナであちこちで街娼がいて何だか戦後の昔の時代と重なり、私には関わりのないことなのに、心が痛くなりました。いつの時代も女性が犠牲になるのでしょうか?
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名作でしょう。
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ストーリーが素晴らしい、それと中谷美紀の演技力最高でした!
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中谷美紀が最期、外国籍の船に発見されるーのくだり。3人中,独立心も強く教養もあるが故に一時期パンパンである状況を最も忌み嫌い,過去の人間を消してきた彼女の最期の皮肉さに胸が締め付けられた。 木村たえは,その辺のストレスは無さそうに感じたが,いかんせん素朴すぎるので今件がなくてもいつか誰かに騙されてしまう辛い人生のような気がした。1番呑気で棒な広末。旦那含め其々の過去を探ってはみたものの,結局なんだか理解できていたのか謎w。妙な図太さだけを感じた。
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疑問点は、なぜ、室田社長が妻の罪を被った上、自殺までしたのか理解できない。だが、自分は映画しか見ていないので、原作ではこの点に触れているかは分からないが。
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木村多江のなまった喋り方がかわいらしい
三人の豪華女優陣が競演の映画です。中谷美紀が狂ってしまうシーンは鳥肌が立つほど素晴らしかったです。彼女の代表作になるのでは?テーマカラーの赤がとても印象的でした。多江さんも相変わらずの薄幸な役がお似合いで・・・かわいらしかったです。特別な話に見えるけれど、殺人まではいかなくても、戦後の日本にはこういう話がゴロゴロしていたかもしれない・・・自分だって戦時中に生まれたら・・・と身につまされるお話です。苦しいけれど、目を背けてはいけない。自分をリセットしたいくらい辛い時代だったんだなと思いました。