映画 君に届けの紹介:2010年日本映画。小学生の頃、遊具の土管の穴から出て来た爽子を見て子供達が、「貞子」にそっくりだと言われたのが爽子の運の尽きとなる。その日から「貞子」とあだ名が付けられ、みんなから恐れられる様になってしまった。高校生になった爽子の前に、ある日風早翔太が現れた事から爽子の運命の歯車が回り始める。
監督:熊澤尚人 出演:多部未華子(黒沼爽子)、三浦春馬(風早翔太)、夏菜(矢野あかね)、蓮佛美沙子(吉田千鶴)、桐谷美玲(胡桃沢梅)ほか
映画「君に届け」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「君に届け」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
君に届けの予告編 動画
映画「君に届け」解説
この解説記事には映画「君に届け」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
君に届けのネタバレあらすじ:【子供の頃】
15年前の大みそかに生まれた女の子は、爽やかな子と書いて爽子と名付けられた。爽子は幼稚園の頃、友達から「座敷童みたい」と言われが、父から座敷童は「人を幸せにする」と教わり、それが嬉しく座敷童の様に人の役に立ちたいと「一日一善」をモットーに過ごしてきた。
しかし小学生の頃に爽子の人生が、大きく変わってしまう出来事が起こる。それは遊具の土管の丸い穴から出て来た爽子が、映画でやっていた「貞子」そっくりだった為、そこから貞子と呼ばれ皆から怖がられる存在になってしまう。そんな状態が続いた事により、爽子は内気で大人しく、性格の暗い女の子へと変わっていってしまう。しかし爽子は両親の言う事をよく聞く優しく、とても純粋でピュアな少女であった。
君に届けのネタバレあらすじ:【風早翔太との出会い】
高校生になった爽子は同じ制服を着た男子生徒が道に迷っているのを見て、学校の方向を教えてあげる。すると少年は爽やかな笑顔で爽子に「ありがとう」と言うと、爽子の髪に手を伸ばし頭に付いていた桜の花びらを取って「変な形」と言った爽子の手の平の上に乗せる。その桜の形はまるでハートの形をしている様であった。少年は友達に呼ばれて去ってしまうが、その後に爽やかな風が吹き爽子は桜の木を見上げて微笑む。振り返った少年は爽子の姿が忘れられなくなる、その少年こそ「風早翔太」であった。
君に届けのネタバレあらすじ:【学校での生活】
爽子は高校へ入っても、やはり貞子と言われみんなから恐れられる存在であった。爽子の「一日一善」は高校になっても続いており、花壇の手入れやペットボトルの分別、掃除用具の手入れなど進んでやっていた。その様子をいつも風早は、遠くから見ていた。ある日、「貞子と3秒以上目を合わせると不幸になる」と言う噂が立つが、風早は笑い飛ばし「そんな事あるはずない」と言う、しかし真面目な爽子は「人と3秒目を合わせてはいけない」と思い込んでしまう。そんな噂が流れたせいで、生徒たちは益々に爽子を避け、また爽子も人の目を見ない様に気を付ける様になる。しかし風早だけはいつもと変わらず、爽子に接する。
君に届けのネタバレあらすじ:【肝試し大会と風早への思い】
そんなある日、風早が肝試し大会をしようと提案する。「なるべく全員参加」と言う言葉に、真面目な爽子は参加用紙に名前を記入しようとするが、女子生徒が「貞子が来たら、本当に幽霊がでるんじゃない?」と言う言葉を聞き「自分に霊感があれば、みんなの役に立てるのに」と落ち込み名前を書くのを辞める。爽子の噂を聞き先生までも爽子の元へやって来て、「3秒目を見ろ」と言うと爽子の目をジッと見た、そして何も起こらないと残念がる。「風早が自分で確かめろと言うから」と爽子に告げると、先生が「あいつの事どう思ってるんだ」と聞く、爽子は「風早君はいつも爽やかで、むしろ爽やかから出来ている人なんじゃないかと」と言うと、そこへ風早がやって来て「それってどういう意味?」と聞く。すると先生は爽子に「今の絶対に悪口だと思われているぞ」と言って去ってしまう。風早に「褒め言葉です、名字まで爽やかです」と言う爽子に、「それ言ったら黒沼の方だ、爽やかな子と書いて爽子でしょ」と言って肝試しの用紙に爽子の名前を書き足す。
君に届けのネタバレあらすじ:【肝試しのお化け役】
クラスメイトの千鶴とあやねが、「貞子がお化け役やったら、絶対にウケるよね」と話しているのを聞き、爽子は自分から「お化け役をやらせて欲しい」と言う。その訳は霊感が無く何の役にも立てないのなら、お化け役をやってみんなの役に立ちたいという事からだった。お化け役を見事にこなしている爽子に、千鶴とあやねが「いい仕事してるじゃん」と差し入れを持って来てくれる。そこへ風早がやってきて、「こんな所に一人で居て怖くないの?」と爽子を気遣うと「夜は好きなので」と答え「お化け役が出来て、みんなに喜んで貰えて嬉しい」と言うと、風早は爽子の言葉に笑みを浮かべる。
君に届けのネタバレあらすじ:【肝試しの罰ゲーム】
次の日、男子生徒によって肝試しの罰ゲームが発表された。罰ゲームは風早に決まったが、その罰ゲームの内容が「貞子と一週間付き合う」というものであった。しかし「こんなのが罰ゲームなんて、黒沼に失礼すぎる」と風早が怒る。男子生徒が「ただのジョークだ」と言うと「笑えないんだよ、黒沼は女の子なんだ」と風早が切れる。風早の態度を見て男子生徒が、「まさか貞子の事が好きなの?」と騒ぎだすが風早は否定しなかった。その様子を見ていて女性と達が「イメージダウン」とヒソヒソと話し出すのを聞き、爽子は「誤解です。風早君はみんなと同じように親切にしてくれただけ」と自分から否定すると教室を出て行く。しかし歩きながら爽子の目からは涙がこぼれていた。追いかけてきた風早が爽子の涙を見て少し驚き「あいつらも、やりすぎたと反省している」と爽子に告げた。しかし爽子は風早に「親切にしてくれたのに、迷惑かけた」と謝る。
君に届けのネタバレあらすじ:【桜の木の思い出】
風早が「この木覚えてる、入学式の時、黒沼が道を教えてくれてあの時から俺、黒沼の事が・・」と言いかけると、爽子は「覚えてます。だってあの時から風早君は私の憧れだから。明るくて爽やかで私も風早君みたいになりたいって、ずっと尊敬していました。」と言う。すると喜んでいた風早が「尊敬?」と少し落ち込んだ様に言う。立ち去る爽子の後ろ姿を見て、「いつか君に届くのだろうか?あの時感じたこの気持ちが大きくなったこの気持ちが」と風早は心の中で呟く。
君に届けのネタバレあらすじ:【友達が出来る】
席替えがあり、誰も爽子の近くに座りたがらなかったが、風早が率先し爽子の横に座ると、するとあやねと千鶴も爽子の周りに座り、そして爽子の後ろには千鶴の幼馴染の龍が座った。
爽子が怖い顔をしているので千鶴が「貞子、顔が怖い」と言うと、爽子は「嬉しくって、こうしてないと涙がこぼれそうで、泣くのはお見苦しいので」と言うと続けて「この席で心から嬉しい」と初めての出来事に感動する爽子であった。その帰り道5人でラーメン屋に寄り道をし、いろんな事を話し素直に笑う爽子に、みんなは「笑えるんだ」とびっくりする。
君に届けのネタバレあらすじ:【爽子の噂】
運動が苦手な爽子が「クラスのみんなに迷惑を掛けたくない」と言い、その練習に千鶴とあやねは付き合っていた。そこへボールが転がって来て爽子が拾って渡すと、女子生徒が謝りながら恐る恐るボールを受け取った。その様子を見ていた千鶴が「どうしたら、貞子の噂って消えるんだろ」と真剣に悩む。そんなある日、風早の事が好きな「くるみ」が、爽子に「一度話して見たかった」と親しげに手を握ってくる。その直後から、千鶴とあやねに妙な噂が立ち始める。女子生徒達が「千鶴とあやねの悪い噂話をし、貞子と付き合っていると二人とも株落とすよね」と言うと他の女子生徒も、「それを言ったら、風早だってじゃない」と言う。その言葉を偶然にも聞いてしまった爽子は「自分と付き合うと、みんなの株が落ちるんだ」と思い込んでしまう。その後女子達は「千鶴は少年院に入っていた」「あやねは中学で100人切りをした」と騒いでいると、そこへ千鶴とあやねがやって来て、「誰がそんなデマ言いふらしている?」と問い詰めると、女子生徒は貞子の名前を言う。しかし千鶴とあやねは、爽子がそんな噂を流すはずがないと信じて疑わなかった。
君に届けのネタバレあらすじ:【壊れる友情】
爽子は先生に呼び止められ千鶴とあやねの居場所をきかれるが「知らないと」と答えると、先生が「2人と友達だろ?」と聞いてくる、しかし爽子は自分と関わると二人の株が下がると思い「友達じゃない」と行ってしまう。そこへ千鶴とあやねがやってきて、爽子の言葉に耳を疑う。千鶴とあやねは真剣に悩み、爽子の本音を聞き出そうと話し合い、次の日爽子を捕まえて「今から真剣な話をするから、正直に答えて」と言う。千鶴が「貞子は私達の事、どう思っているの?私達は貞子の事好きだよ、貞子は私達の事好き?」と聞く、すると爽子は困ったように「好きと言うか・・」と話し始めるが、そこへ女子生徒達が通った為「一緒に居たら良くないかと思う」と言ってしまう。しかしそれは、爽子自身と一緒に居ると2人に良くないといった意味だったが、千鶴とあやねは自分達の噂の事を言っているのだと誤解する。
君に届けのネタバレあらすじ:【風早からの助言】
爽子は一人で石ころを蹴りながらサッカーの練習をするが、また一人になってしまった事に涙が溢れてくる。そこへ風早がやってきて「そんなんじゃ練習にならないでしょ」と言うと、爽子は慌てて逃げ出す。「どうして逃げるの?」と風早が爽子の手を掴むと、「ダメです、私と居るとみんなの株が下がってしまう」と言う。「どうしてそう思うの?噂とか?」と風早が聞くと、爽子は本音を語り出す。「本当は二人と居たい、でもみんなに迷惑を掛けたくない」と言う。それを聞いた風早は「迷惑かどうかは黒沼が決める事じゃない、俺が決める事だ噂なんて関係ない。もし黒沼が逆の立場だったらどう思う?何も聞かされずに俺達に無視されたら」と爽子に問う。「嫌です」と答える爽子に「吉田たちもそう思ってるかもね」と言ってサッカーボールを爽子の前に置くと、「俺にパスしてみて」と言い爽子にボールを蹴らせる。弱弱しくボールを蹴る爽子に「パスってさ、本気で届けと思わないと、ちゃんと受けて貰えないんだよ」と言う。その頃、千鶴とあやねも爽子の事ばかり考えて、爽子の気持ちをちゃんと確かめなければいけない事に気づく。
君に届けのネタバレあらすじ:【取り戻す友情】
爽子は千鶴達と仲直りする為の練習をトイレでしていると、そこへ女子生徒達が入って来て千鶴達の悪口を言い出す。それを聞いていた爽子は、「それは誤解で、二人はとても優しい人です」と言うと「うるさい」と女子生徒にキレられてしまう。しかし爽子も「今の言葉取り消して下さい。二人の事を悪く言わないで」と一歩も引かなかった。その騒ぎを聞きつけた風早が「二人が解決しないといけない事だから」と千鶴達を連れに行く。その間にも女子生徒は「二人の噂を流しているのは、貞子でしょ。まぁ二人も面白がって貞子と付き合っていただけだと思うけど」と爽子に言う。「違うあなた達は何も分かってない。二人がどんなに私に優しく接してくれたか、そしてどんなに私が二人の事を好きなのか、好きよりもっと大好きなのか」と女子生徒に思いのたけをぶちまける。そこへ千鶴達がやってきて、爽子の本当の気持ちを知る。3人は本当の気持ちをお互いに分かり合え、今まで以上の関係になる。その日から貞子と呼んでいた二人と、名字で二人を呼んでいた爽子はお互いの名前を呼び合うようになる。
君に届けのネタバレあらすじ:【恋愛感情が分からない爽子】
体育祭の途中にくるみに呼び出された爽子は、「友達だよね?お願い聞いてくれる?」と相談される。その相談とは「風早の事が好きだから協力して欲しい」という内容であった。しかし爽子は「風早君は特別な存在だから、協力できない」と断る。するとくるみが「爽子ちゃんの特別って恋愛感情じゃないでしょ?男の子に免疫がないから、優しくしてくれる風早を特別と思うんじゃないかな?もっと他の男の子とも話してみなよ」と千鶴の幼馴染の真田と話す様に進めてくる。恋愛をした事のない爽子には、恋愛感情というものがどういうものかまったく理解できなかった。その頃くるみは風早に、爽子が真田の事ばかり見ていた、好きなんじゃないかなと嘘をついていた。爽子は体育館で龍に「恋愛感情について教えて欲しい」と真剣に聞いていた。龍は「他とは比べものにならないくらい大切で特別な気持ち」と教えてくれる。爽子が、「どうして特別ない気持ちと分かったの」と聞くと「気づいたらずっと特別だった」と龍がが答えた。そして「俺はずっと千鶴一筋、今の内緒な」と爽子に言うと「すごく素敵だと思います」と喜ぶ。偶然体育館の前を通った風早が、爽子と龍が楽しそうに話しているのを見て、怒った顔で爽子の手を強く引っ張り外へと連れ出す。風早が「龍の事、好きなの?」と聞く「好きです」と言う爽子にショックを隠し切れない風早だった。しかし続けて爽子は「好きと言っても特別な物ではなくて、クラスメイトとして好きというか・・」と言う言葉に、風早は安心したのと同時に恥ずかしさでいっぱいになる。必死に話を続けようとする爽子に、風早は「大丈夫、分かったから」と笑顔で答える。
君に届けのネタバレあらすじ:【くるみの正体】
靴箱に爽子からの手紙が入っていたと龍が言う、その手紙には「12時に体育館に来てください」と書かれていたが、千鶴達は爽子の字じゃないと怪しむ。あやねがくるみを呼び出し、「風早と爽子を引き離そうとしてるでしょ」「この手紙も、龍の靴箱にいれたよね、私見ちゃった」と窯を掛ける、「だから何?」とくるみが開き直る。「残念ねまた上手く行かなくて。爽子って手ごわいでしょ?あなたと違って真っ直ぐだから」とくるみに言う。千鶴には話が全然見えなかったが、あやねには全てお見通しであった。自分達のデマの噂を流し爽子の仕業にした事や、風早が絡んで居る事を考えると、風早が好きな子がやったに決まってると考えた。偶然爽子がやってきて、あやねは今までの事は爽子をハメようと、全部くるみがやった事だと教える。それでも爽子は「くるみちゃんは友達だから、そんな事はしない」と庇う。それを聞いてくるみは「本当にウザい、友達だなんて一度も思った事ない」と本性を見せる。しかしくるみは本当に風早の事が中学の頃から好きで、ずっと好かれようと努力してきた。爽子よりもずっと好きだと打ち明ける、でも風早が好きになってくれなければ意味がないと悲しむ姿を見て心を痛める爽子であった。
君に届けのネタバレあらすじ:【バス通学になる爽子、そして風早の気持ち】
爽子の家は学校から遠く冬になり日が暮れるのが速くなった事から、父が心配し冬の間だけバス通学をする事になった爽子は、先生にその事を伝えると「手続きをするから」と生徒手帳を持って行ってしまう。そこには爽子が大切にしていた物が入っていたが、先生は爽子の生徒手帳を失くしてしまう。教室で待っていた千鶴達に、今日からバス通学になった事を告げると風早はがっかりしバスを見送る。そんなある日、クリスマスパーティの下見に行く事になった風早と爽子達、待ち合わせ場所に一番に来ていた爽子を見つけ風早が「黒沼もクリスマスパーティ来るだろ?」と聞くと「行っても良いの?行きたい」と喜ぶ。そんな爽子を見て「クリスマスパーティの後・・」と言いかけた時に、他の者達が来て話が途切れてしまう。風早は「俺の気持ち届いていてるのかな」と、ショーウィンドウの中のクリスマスツリーを眺め悲しい気持ちになる。クリスマスパーティも近づいたある日、バスを待っている爽子に近づき、真剣な顔で風早が話しかけてくる。「黒沼、俺と付き合ってくれないかな?」と思い切って伝えた風早に「今日はちょっと、大事な用事があるので」と時計を見ながら返答する爽子に、もう一度「そうじゃなくて、俺の彼女になって欲しい、クリスマスイブは二人で過ごしたい」と告白しイブのバーティーの後に一緒に行こうと、プラネタリュムのチケットを差し出す。しかし爽子は困惑して「付き合うとか考えられない」と断って、来たバスに乗ってしまう。
君に届けのネタバレあらすじ:【爽子の気持ち】
クリスマスパーティに行かなかった事を知った、千鶴達が爽子の家を訪ねてやって来る。「風早が珍しくキレ気味だったらしいけど、何かあったの?」と聞かれ爽子は泣き出してしまう。そして風早から告白されて事、自分も好きなのに付き合う事に不安を感じている事、頭が真っ白になってそう言ってくれただけで充分だったと打ち明けた。「自分なんてって思ているみたいだけど、自分を信じないって事は爽子を好きだって言っている風早や私達を信じないって事なんだよ」と取り乱して言う千鶴に落ち着くように宥めるあやねが、「風早はちゃんと告白したんでしょ」と言うと「爽子はちゃんと風早に気持ち伝えた?」と優しく聞く。そして「ダメでも自分の気持ちはちゃんと伝えないとね」と爽子に言い聞かす。
君に届けのネタバレあらすじ:【カウントダウンの日】
カウントダウンに来ていた風早であったが、気分が乗らず帰ると言い出す。そんな風早を龍が裏の公演へと連れ出し、千鶴から聞いていた龍が「黒沼に告白したんだって」と言う。そして「黒沼ってどういう奴?」と質問し、石でキャッチボールを始める。風早は戸惑いながらも爽子の事を話し出す「黒沼はいつも直向きで一生懸命で、純粋で感動やで真っ直ぐ正直、いつも人の気持ちばかり思いやって」と言うと、風早はハッと気づき「俺ちゃんと、黒沼の気持ち思いやってたかな?」と考える。そこへ先生がやって来て、爽子の生徒手帳を渡し「後生大事に挟まっていた」と言って、以前風早が爽子に書いた小さなメモを渡し「そう言う事だから、黒沼の気持ち分かってやれ」と言う。そして最後のページを見て風早は驚く。
君に届けの結末:【桜の木の下で】
爽子はカウントダウンには行かず、父が毎年大みそかにやっているコンサートへと来ていた。しかし爽子は父に「会いたい人が居る、今日じゃないとダメなの」と告げると「本当に会いたい時は何を放り投げても行くべきだ」と言って爽子の背中を押してくれる。カウントダウンが行われる神社へと来た爽子だったが、風早は帰った後だった。くるみが裏の公園に居ると教えてくれるが、そこにはもう風早は居なかった。そして12時が過ぎカウントダウンの花火が撃ち上がる、空を見上げると雪が舞い落ちて来た。会えなかったショックのまま、爽子はトボトボと歩いていた。その頃、風早は爽子と初めて会った桜の木の下の柵に座り、爽子の生徒手帳を見ていた。最後のページには、あの日爽子に渡した小さな桜の花びらが大事に押し花にされて挟んであった。その時風早を見つけた爽子は駆け寄り、一生懸命気持ちを伝えようとするが上手く言葉が出ない。風早はそんな爽子を見て「良いよ、ゆっくりで」と優しく言う。爽子はゆっくりと「風早君が好きです」とちゃんと自分の気持ちを伝える事が出来た。「俺もずっと黒沼が好きだよ。夢見たいだ、やっと届いた」と言って嬉しそうに微笑んだ。「誕生日におめでとうは言えなかったけど、新年に黒沼と一緒に入れて良かった」と言うと、二人で桜の木を見上げた。ゆっくりではあったが、やっと二人の本当の想いが届いた。
以上、映画 君に届け のあらすじと結末でした。
「君に届け」感想・レビュー
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まさに青春映画の王道という感じの映画です。クラスの人気者の風早を、三浦春馬さんが見事に演じていました。また、多部未華子さんが、周りから避けられる存在だけれど、本当は心優しい爽子を上手に演じていたのも良かったです。お互い思いあっているにもかかわらず、なかなか前に進まない二人の恋を応援したくなります。自分も学生時代こういう恋をしてみたかったなぁ、と思いました。
黒沼が早川たちと出会ったことにより自分を出せるようになったのは良かったです。なかなか自分の思いを表現できず怖がられていた黒沼も周りの支えがあったからこそ強くなれました。みんなの愛を受けて今度は悪口を言われた親友のことを自ら守ろうとします。うまく表現することはできないものの彼女なりの精一杯を出し立ち向かったことは感動的でした。