映画「スチームボーイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スチームボーイ STEAMBOYの紹介：2003年日本映画。19世紀のイギリスが舞台。発明一家のスチム親子は、大量かつ高密度の蒸気を封じ込めた新エネルギー「スチームボール」の開発に成功。開発を支援したアメリカのオハラ財団は、ロンドンの万国博覧会開催に乗じて、スチームボールを利用した新兵器を各国に売り込もうとします。発明を戦争に使われたくないロイド博士は、我が子と決別し、孫のレイにスチームボールを託します。人気漫画家の大友克洋氏が脚本・監督を務め、製作期間９年、費用24億円を費やしたことでも話題となった作品です。
監督：大友克洋 声優：鈴木杏（レイ）、小西真奈美（スカーレット）、中村嘉葎雄（ロイド）、津嘉山正種（エディ）、児玉清（ロバート）、沢村一樹（デイビッド）、斉藤暁（サイモン）、寺島進（アルフレッド）
この解説記事には映画「スチームボーイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
19世紀半ば、イギリスは産業革命によって活気づいていました。レイの働く紡績工場もそのひとつ。動力には蒸気機関を利用しています。
レイは発明一家スチム家に生まれた男の子。祖父のロイドと父のエディは、研究開発のためアメリカに長期出張中。母と妹とともにマンチェスターの家で暮らしながら、レイは自分の発明に没頭しています。
ある日、祖父ロイドから荷物が送られてきました。中身は不思議な金属のボールと設計図。直後に訪ねてきたオハラ財団の使者たちが、ボールを返すよう強要します。オハラ財団は、祖父と父に研究資金を提供してくれているアメリカの企業です。そこに現れた祖父。「ボールを彼らに渡すな」との指示により、レイはスチームボールを持って逃走します。
しかし、兵器とも言うべき圧倒的な威力の車や飛行船で追ってきたオハラ財団に最後は捕まり、開幕直前の万国博覧会のパビリオンに閉じ込められてしまいます。
要塞のようなパビリオンの中で、父エディと再会したレイ。エディは実験中の事故によって義手や義眼となり、容貌だけでなく性格も激変していました。「スチム城」と呼ばれるこの建物では、３つのスチームボールを動力源として、扉の開閉やエレベータの稼働などを行っています。
祖父が奪った３つ目のボールが戻ったので、安定して動くようになった様子です。祖父と父がなぜ決別したのかわからないながらも、スチム城の構造に興味を持ち、仕組みを学んでいくレイ。プライドの高い、オハラ財団の孫娘スカーレットが周りをうろつくので、レイは胡散臭く感じていました。
スカーレットの犬の室内運動器具が壊れ、修理にイギリス製の歯車が必要だったため、夜に博覧会場へと忍び込む２人。天真爛漫なスカーレットの美しさに、どきっとする一幕もありました。
いよいよ万国博覧会が開幕。オハラ財団は、各国の軍事関係者をスチム城へ招き入れます。スチームボールを利用した新型兵器の数々を見てもらい、商談を進めるためです。オハラ財団の違法行為を止めるため、イギリス軍も集結。オハラ財団は、兵器のデモンストレーションと称して、イギリス軍に攻撃を仕掛けます。
瞬く間に戦場と化す博覧会場。スチム城は単なるパビリオンではなく、空中要塞でした。父エディの指揮で、恐ろしい殺人兵器に姿を変え、空に浮かび上がるスチム城。発明を戦争の道具にされたくない祖父ロイドは、捕らえられていたスチム城の牢から抜け出します。
祖父に共感したレイは、再びスチームボールを奪い城の外へ。イギリス軍にスチームボールを渡し、これで一安心と思ったのは大誤算。イギリス軍も早速、ボールを兵器として使用し始めたのです。
残された２つのスチームボールの力では、スチム城をフル稼働させ続けることは困難。システムが崩壊し始めます。イギリス軍の攻撃も受け、宙に浮いていた城が傾き出しました。
城の真下にはロンドンの街が。城をテムズ川に沈めて葬り去ろうと画策する祖父。城の中にいる人々や、ロンドンの市民を守るため、敢えて３つ目のスチームボールを持ち戻ったレイ。
動力源が増えたため、城の崩壊までしばしの猶予が生まれました。スチム城、最後の時。瓦解する要塞。レイとスカーレットは間一髪で空中へ退避。祖父と父はまだ城の中です。爆発とともに吹き出した蒸気が急冷却され、町中を凍り付かせます。
そしてそれが、一瞬のうちに結晶となって砕け散る様を、ロンドンの市民も軍隊も固唾を飲んで見守りました。さて、レイの祖父と父はスチム城とともに死んでしまったのでしょうか。いいえ、人知れず川を下っていく潜水艦らしきものが、最後の場面に映っています。
以上、映画「スチームボーイ」のあらすじと結末でした。
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