誰も知らないの紹介:2004年日本映画。1988年に実際に発生した「巣鴨子供置き去り事件」をモチーフに、是枝裕和監督が15年の構想を経て完成させたヒューマンドラマです。母の失踪により置き去りにされた子供たちの困窮する生活とその顛末を描き、主演の柳楽優弥は史上最年少および日本人として初のカンヌ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞した作品です。
監督:是枝裕和 出演者:柳楽優弥(福島明)、YOU(福島けい子)、北浦愛(福島京子)、清水萌々子(福島ゆき)、木村飛影(福島茂)、韓英恵(水口紗希)、加瀬亮(広山潤)、平泉成(中延司)、串田和美(吉永忠志)、岡元夕紀子(吉永江理子)、タテタカコ(宮嶋さなえ)、木村祐一(杉原)、遠藤憲一(京橋)、寺島進(少年野球の監督)ほか
映画「誰も知らない」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「誰も知らない」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「誰も知らない」解説
この解説記事には映画「誰も知らない」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「誰も知らない」のネタバレあらすじ:起
首都圏内のとある2DKのアパートに、シングルマザーの福島けい子(YOU)と12歳になる息子の明(柳楽優弥)がスーツケースを抱えて引っ越してきました。アパートの大家・吉永忠志(串田和美)には主人は現在長期出張中であり。母子2名で借りることを伝えますが、実はけい子には明以外にもそれぞれ父親の違う子供が3人もおり、スーツケースの中には次男・茂(木村飛影)と次女・ゆき(清水萌々子)が入っていたのです。程なくして長女・京子(北浦愛)も極秘裏に合流、一家は周囲の目を気にしながらの新生活を始めました。
けい子は出生届すら出していない京子らの存在が発覚せぬよう、明以外の外出を固く禁じ、その明でさえも一度も学校に通ったことはありませんでした。
けい子が仕事の間は明が幼い弟や妹の面倒を見ていましたが、いつもは明るく振舞うけい子は実は深い悩みを抱えていることを明は知ります。やがて新恋人ができたけい子は家を空けることが多くなり、そのまま恋人と同棲を始めたけい子は当面の生活費を置いたままとうとう帰らなくなってしまいました。
「誰も知らない」のネタバレあらすじ:承
明はわずかな生活費をやりくりしながら子供たちの面倒を見続け、茂とゆきの父親たちからわずかばかりの金をもらって足しにしようとしますが全て家賃や光熱費に消えていきました。
その後、けい子は一時的に帰宅しましたが、子供たちへの態度は冷淡なものになっていました。明はそんなけい子の身勝手さを批判しますが、けい子は逆ギレして「私は幸せになってはいけないの?」と反論するのみでした。その後、けい子はクリスマスまでには戻るといって再び姿を消しますが、クリスマスが過ぎても一向に戻る気配はなく、程なくして明はけい子が仕事を辞めたこと、そして恋人と所帯を持ったことを知ります。明はその事実を弟や妹たちには伏せておき、かねてから飛行機が見たいというゆきにはいつか一緒に見に行こうと約束しました。
「誰も知らない」のネタバレあらすじ:転
けい子が姿を消してから数か月、遂には生活費の仕送りは完全に途絶えてしまいましたが、それでも明は悪友から万引きを強要されても応じることはありませんでした。明は独断で弟や妹たちにも外出を許可、子供たちは極貧ながらも懸命に生き抜こうとしましたが、とうとう料金滞納から電気、ガス、水道が止められてしまい、明たちはコンビニの賞味期限切れの弁当を食べ、公園の水道水を生活用水とするなどしてその日暮らしを生き抜いていました。
そんなある日、明たちは公園でいじめから不登校になった中学生の水口紗希(韓英恵)と知り合い、仲良くなっていきました。明たちの悲惨な暮らしぶりを知った紗希は金を工面するため、見知らぬ男とカラオケに行き、得た金を明に渡そうとしました。しかし、それが援助交際で得た金であることに気付いた明はその金を受け取ることができませんでした。
「誰も知らない」の結末
遂に我慢の限界に達した明は家を飛び出してしまい、ひょんなことから少年野球チームの監督(寺島進)から助っ人を頼まれ、過酷な日常を忘れて少年らしい楽しいひと時を過ごしました。ところが、明が帰宅すると、ゆきが椅子からベランダの棚の物を取ろうとして転落し、そのまま動かなくなってしまったことを知ります。病院に連れて行く金もないため、明はやむなく薬を万引きしますが、ゆきは二度と目を覚ますことなく翌日息を引き取りました。
明は紗希から金を借り、ゆきが好きだったアポロチョコを買い、紗希の力を借りてゆきの遺体をスーツケースに入れると、生前のゆきと見にいくと約束した飛行機が見える羽田空港近くの河川敷に運び、二人でケースを埋めて弔いました。家には久しぶりにけい子からの仕送りが届いていました。
その後も明たちの暮らしは改善されることはなく、いつも通りにコンビニの売れ残りを恵んでもらい、紗希の助けを借りて何とか生き続けていました。明の頭上には、ゆきと一緒に見るはずだった飛行機が飛び交っていました。
以上、映画「誰も知らない」のあらすじと結末でした。
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