たたら侍の紹介:2016年日本映画。戦国時代の日本を舞台に、製鉄技術を受け継ぐ“たたら場”の後継ぎとして産まれた伍介が、伝統と戦乱の狭間で真の強さを求めて成長していく様を描いた物語。出演者の凛とした佇まいと美しい映像が心に響く作品となっています。
監督:錦織良成 出演:青柳翔(伍介)、小林直己(新平)、田畑智子(お京)、石井杏奈(お國)、高橋長英(喜介)、甲本雅裕(弥介)、宮崎美子(八重)、品川徹(豊衛門)、でんでん(源蔵)、橋爪遼(熊吉)、菅田俊(佐吉)、音尾琢真(仙吉)、早乙女太一(井上辰之進)、津川雅彦(与平)、ほか
映画「たたら侍」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「たたら侍」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
たたら侍の予告編 動画
映画「たたら侍」解説
この解説記事には映画「たたら侍」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
たたら侍のネタバレあらすじ:起
織田信長ら戦国大名が各地をおさめる戦国時代の日本、出雲は良質な玉鋼を生みだす製鉄技術を誇り「たたら場」として有名でした。その「たたら場」を仕切る「村下」の跡取りとして伍介は産まれました。村は尼子慎之介の庇護下にあり、伍介は祖父や父にたたら吹きの技術を教えてもらいながら気立てのよい許嫁、共に剣の修行に励む新平らと毎日を過ごしていました。ある日、村の男達が一丸となりたたら場で作業をしていると伍介が兄のように慕っていた“平次郎が襲われた”との知らせが入ります。伍介は作業を放り出し駆けつけますが平次郎は伍介の目の前で斬られ、息を引き取ります。しばらくして、出雲には錆びない鋼があると聞いて商人が鉄砲に関する商談をもちかけてきますが村はそれを断ります。平次郎のこともあり強くなりたいと願う伍介は、その商人惣兵衛に“侍”になる為に村を出たいと言い、船を手配してもらい密かに村を抜け出します。
たたら侍のネタバレあらすじ:承
街に着いた伍介は惣兵衛と再会し、同じく商人の与平に引き合わされます。そこで持参した出雲の玉鋼から刀を作ってもらい、与平のつてで蜂須賀軍の井上辰之進に士官することになります。しかし実際の戦場は厳しく、仲良くなった仙吉の死、味方の全滅、乱世の無常さ、を伍介は身をもって体験することとなります。その中で伍介はただ逃げることしかできず己の無力さにただ打ちひしがれるのみでしたが、尼子の密偵お京に「人はいつかは死ぬもの。だが貴方は生きている。運命を受け止めなされ。」と諭され、伍介は“帰る場所である”村へと戻るのでした。
たたら侍のネタバレあらすじ:転
伍介が村に戻りしばらくすると村に商人の与平が訪ねて来て「織田軍が鉄を求めて攻め込んでくる」と告げます。村を守るためには強固な村の鋼で作った鉄砲があればよいとの与平の言葉に伍介の心が揺れ、鉄砲で村を守るという伍介と戦そのものに反対する新平らとで間で意見が別れます。そんな折、新平が稽古に行った途中で何者かに襲われ消息不明となってしまいます。一方、村では鉄砲を作り戦闘の準備が着々と整っていきます。ある日、村に「織田軍が来た」という知らせが入り、斥候隊の中に新平がいたと与平がいい、新平が裏切ったと村の皆が信じてしまいます。伍介は密かに新平から、裏切りではなく襲撃の際に助けてくれた尼子に身を寄せていると聞きますが、伍介にはどうすることもできず、村には与平が引き入れた傭兵集団もやってきて戦の気配が高まっていきます。再度、村に入った新平は弥平に見つかってしまい、裏切り者として処分され、新平をかばった伍介も背中を斬られてしまいます。伍介にとどめを刺そうとする傭兵の前に村人が立ちはだかりその場は収まりますが、村は既に与平の掌中にあり誰も異論を唱えることができない状況となっていました。
たたら侍の結末
その頃尼子慎之介の元には、織田信長が明智光秀に討たれたとの知らせが入ります。その時の豊臣の動向があまりにもスムーズであり背後には豊臣がいるのではないか、そして、与平は豊臣の手の者ではないかとの結論に至ります。そして尼子慎之介は遂に決起し、豊臣の配下である与平を討つために村に助けに入ります。村は瞬く間に戦場と化し、尼子側・傭兵側共に次々と倒れていきます。最後は傭兵頭と尼子慎之介の一騎打ちとなり、からくも尼子慎之介が勝利をおさめますが、与平に鉄砲で撃たれてしまいます。銃弾を浴びた尼子慎之介は伍介に「死の連鎖を断ち切り、立派な村下になれ」と言い残して息をひきとります。死を看取った伍介は鉄砲を持つ与平に出雲の玉鋼で作った刀で立ち向かいます。「人は欲から逃れられない。伍介も侍のようには生きられない」と与平が言いますが、伍介は刀で鉄砲を一刀両断してみせます。そして、与平達がいなくなった村には平穏が戻り、炉に火が入りたたら吹きがはじまりました。季節は廻り、雪化粧に覆われた村では子供達が無邪気に遊んでいます。それを見つめる伍介の目にはもうかつてのような迷いはありませんでした。「わしは今、生かされている。自然の流れに身を任せ天の思し召しに身を任せよう。」
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