映画「みなさん、さようなら」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
みなさん、さようならの紹介：2012年日本映画。久保寺健彦の同名小説を、中村義洋監督が映画化した作品。濱田岳演じるマンモス団地に住む母子家庭の少年が、小学校の卒業と同時に団地の中で一生を過ごすことを決め、仕事や恋などさまざまなことを団地の中で経験していきます。時代に取り残されながらも自分らしく生きていこうと葛藤する青春ドラマ。
監督：中村義洋 出演：濱田岳（渡会悟）、大塚寧々（渡会日奈）、波瑠（松島有里）、倉科カナ（緒方早紀）、永山絢斗（薗田憲明）、ナオミ・オルテガ（堀田マリア）、田中圭（堀田）、ベンガル（山田泰二郎）、ほか
この解説記事には映画「みなさん、さようなら」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
母子家庭の小学生・渡会悟は、小学校卒業と同時に学校へ行かず、団地の中で暮らすことを決意します。悟の暮らす団地は敷地が広いマンモス団地で、団地内には商店街や公園があり、多くの人が住んでいました。悟は毎日規則正しく生活し、運動や勉強などをしながら夕方になると同じ団地に住む小学校時代の同級生たちの帰宅をチェックし、団地内を見回ることが日課となっていました。悟の隣の部屋には小学校時代の同級生・松島有里が住んでおり、2人は隣り合ったベランダで話しをする仲でもありました。
ある日、悟が公園で日課をこなしていると、学校に行かずベンチに座っている薗田憲明と出会います。薗田は学校でいじめられたことで不登校となり、以後は悟と一緒に団地内を見回ることになるのでした。
悟は16歳になり、団地の商店街にあるケーキ屋で働くことになります。配達の途中でかねてから思いを寄せていた緒方早紀と出会い、2人は同窓会で再会します。ほどなく2人は惹かれ合うようになり、付き合うことになるのでした。団地内から出ないと決めて生活している悟と幸せそうな早紀。悟は早紀のために婚約指輪を用意し、結婚を前提に付き合いを始めますが、悟は有里から早紀が団地を出たいと泣いていたという話しを耳にします。
あるときゲームに勝った早紀は、悟の「なんでも願いを聞いてやる」という言葉に、「一緒に団地の外に出たい」と話します。悟は早紀の願いを受け入れ、2人で団地を出ようとしますが、悟の足は震え、団地の敷地外へと続く階段の途中で呼吸が荒くなり倒れてしまうのでした。
悟は小学校のときに学校内で発生した殺人事件に巻き込まれ、目の前で友人が刺されるのを目撃していたのでした。それ以来、団地から出ることができず、自らの体を鍛えて団地の中を見回っていたのでした。そんな悟に早紀は「普通の生活がしたい」と、別の男を作ってしまい、悟のもとを去っていきます。早紀だけでなくかつて同級生だった有里など、団地からはだんだんと人が減っていくのでした。
悟が働くケーキ屋の店主も、物覚えが悪くなったことで衰えを感じ、店を悟に託して姿を消してしまいます。悟はケーキ屋を続けるために薗田に相談し、薗田は悟とともにケーキ屋を再開させることになります。しかし薗田は接客が苦手で精神的に不安定な面があり、体調を崩して入院してしまうのでした。
ケーキ屋を続けられなくなった悟は、家庭でケーキ作りを教えるケーキ教室を始めます。公園でサッカーをしている少女・マリアと仲良くなった悟は、マリアから自分が学校に通わなくなったことと、母の再婚相手である父親から暴力を振るわれていることを聞かされるのでした。悟はケーキ作りを口実にマリアの住んでいる部屋に押しかけ、父親からマリアを守ろうと画策します。
マリアの父親はマリアを外に連れ出し、仲間とともに暴行を加えようとしますが、マリアを探し出した悟は刃物を持った男たちに戦いを挑み、組み伏せるのでした。マリアの父親や仲間たちは警察に逮捕され、マリアの家族らも団地から去っていきました。
悟がケーキ教室を開いていたある日、病院から電話があり、母親が倒れたと知らされます。部屋を飛び出した悟は一目散に駆け出し、団地の階段を下り、敷地外にある病院へと向かうことができるたでした。そのまま亡くなってしまった母親の仏壇の前で、母が書いていた日記を見つけ、覚悟を持って自分のことを見守ってくれていた母の思いに悟は涙します。悟は団地から出ない生活に区切りをつけ、階段を下り、団地をあとにするのでした。
以上、映画「みなさん、さようなら」のあらすじと結末でした。
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