マイマイ新子と千年の魔法の紹介:2009年日本映画。芥川賞作家高樹のぶ子の自伝的小説「マイマイ新子」を題材にした作品。昭和30年代の山口県防府市国衙を舞台にお転婆な少女新子と東京から来た転校生貴伊子やクラスメイト達との交流が美しい映像で綴られていきます。「この世界の片隅に」の片渕須直監督による心温まるアニメーション映画です。
監督:片渕須直 出演者:福田麻由子(青木新子)、水沢奈子(島津貴伊子)、森迫永依(清原諾子・清少納言)、松元環季(青木光子)、本上まなみ(新子の母)ほか
映画「マイマイ新子と千年の魔法」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マイマイ新子と千年の魔法」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マイマイ新子と千年の魔法の予告編 動画
映画「マイマイ新子と千年の魔法」解説
この解説記事には映画「マイマイ新子と千年の魔法」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マイマイ新子と千年の魔法のネタバレあらすじ:起
舞台は昭和30年代の山口県防府市国衙。麦畑が広がる自然豊かなこの町に暮らす新子は天真爛漫な小学3年生の女の子です。新子の前髪は二つのつむじのせいでいつも逆立っており、新子はアンテナのようなつむじをマイマイと呼んでいます。
千年前、この地が周防という都として栄えていたと祖父から聞いた新子は、都にはどんなお姫様が暮らしていたのだろうと思い描いてみたりします。ある日、新子のクラスに東京からやってきた貴伊子が転校してきます。内気な性格の貴伊子はクラスの雰囲気に馴染めず、友達がなかなかできません。自習の時間、クラスメイト達は貴伊子が色とりどりの色鉛筆を持っているのを見て羨ましがります。シゲルは海の色を塗りたいからと青の色鉛筆を無理やり貴伊子から借りますが、乱暴な使い方をして貴伊子を怒らせてしまいます。
貴伊子のことが気になる新子は学校の帰り道、彼女の後をついていき、気が付けば貴伊子の自宅の前まで来ていました。貴伊子は新子を部屋の中に招き入れます。貴伊子の母は病で亡くなっており、貴伊子は医師をしているという父と二人暮らしです。共通点のない二人の会話はなかなか弾みませんが、好奇心の強い新子はテレビを見たことがあるかなど、貴伊子に色々質問します。
マイマイ新子と千年の魔法のネタバレあらすじ:承
貴伊子も新子の家に招かれますが、お土産に持ってきたウイスキーボンボンを新子や妹の光子とともに食べて、三人はすっかり酔っ払ってしまいます。しかしこれがきっかけで打ち解けた新子と貴伊子は麦畑の中で一緒に遊びはじめます。新子は千年前にこの地が都だったことを貴伊子に教え、二人ははるか遠い昔ここで暮らしていた人々へと思いを馳せていきます。
貴伊子はすっかりクラスメイトとも打ち解け、新子は毎日のように貴伊子を誘って遊びます。シゲルやヒトシ、上級生のタツヨシらと小川にダム池を作ってみたり、気が付けば泥んこになるまで遊んでいました。小学校のひづる先生は古い書物から千年前周防の都には新子達と同じ年くらいのお姫様が暮らしていたかもしれないと新子や貴伊子に話してくれます。
後に女流作家清少納言になった諾子というお姫様で、周防守となった父について京都からこの地へ渡ってきたようでした。諾子は同じくらいの年頃の女の子と遊べると聞いて都に来たものの、その女の子はすでに病で亡くなっていました。諾子は都で同じ年くらいの女の子千古を見かけ、一緒に遊べたらいいのにと願うようになります。しかし少女の家は貧しく、千古は病の母や小さな弟妹を抱えて働き詰めの毎日を送っているのでした。
マイマイ新子と千年の魔法のネタバレあらすじ:転
新子たちがダム池に迷い込んできた金魚に、大好きな先生と同じひづると名前を付けて可愛がりはじめると、ダム池はすっかり子供達の人気の遊び場となっていきます。新子達は色とりどりのお花やビー玉を持ち寄り、貴伊子は母の形見の香水瓶を持ってきてダム池を飾ります。貴伊子は貴伊子が沢山の友達ができたのは新子のおかげだとお礼を言うと、新子は千年前のお姫さま諾子とも友達になれたらいいのにと返します。
ある日、洞窟探検に出かけた新子達でしたが、気が付けば妹の光子の姿が見当たりません。夕方まで探し回り家に帰ると巡査をしているタツヨシの父が光子を保護し家へ送り届けてくれていました。そんな中、可愛がってきた金魚のひづるが死んでしまいます。ダム池の中に飾っていた香水の瓶のふたが開いてしまったためでした。皆でひづるのお墓を作り、弔いますが、貴伊子はその日からすっかり元気をなくしてしまいます。
シゲルから川でひづるとそっくりな金魚を見たという話を聞いた新子やタツヨシはなんとしてもひづるを探しだそうと意気込みます。しかしその矢先、タツヨシの父がバーの女に溺れ、借金を作って自殺したという知らせが入ります。新子がタツヨシの家に行くと、タツヨシは明日には町中に噂が広がり、もう一緒には遊べなくなるだろうと告げます。新子はタツヨシの父を死に追いやったバーの女への怒りを募らせ、敵討ちのためタツヨシとともにバーのある繁華街へと乗り込みます。
新子から家出を示唆する置手紙を貰った貴伊子は、新子を心配するうちに千年前の世界に舞い込んでいきます。好奇心旺盛な諾子は千古の住む村を訪ねますが、そこはとても貧しい農村地帯でした。諾子は持ってきたひな人形で千古の弟妹達に人形劇を披露します。諾子の屈託のない明るさに触れるうちに千古達は笑顔を取り戻し、諾子と千古は明日も遊ぼうと約束します。
マイマイ新子と千年の魔法の結末
タツヨシと新子はバーにたどり着きました。ヤクザ達に取り囲まれてしまう二人でしたが、タツヨシが巡査の息子だと知ったバーの女は涙を流して詫びます。タツヨシは彼女を殴ることはできませんでした。タツヨシは酒癖の悪い父が疎ましく、あまり一緒に遊ぶことさえできなかったことを明かし、悔しさをにじませます。
そして帰り道、母の親戚のもとで暮らすため町を出ていくことを告げ、大切にしていた木刀を新子に渡します。戻ってきた新子は貴伊子とともに夜の川でひづるとそっくりな金魚が泳いでいるのを目にします。二人は貴伊子の母やタツヨシの父も自分達が忘れさえしなければ、きっとすぐ近くにいてくれるはずだと思うのでした。
その後、新子と貴伊子の憧れだったひづる先生は結婚して学校を去っていきます。季節はめぐり、冬の終わりに新子の祖父が亡くなって、新子は父の勤める大学の近くに引越しすることになりました。春になり、貴伊子ら同級生達は旅立っていく新子を大歓声で見送るのでした。
以上、映画「マイマイ新子と千年の魔法」のあらすじと結末でした。
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