初恋の紹介:2019年日本映画。ホラー、バイオレンスからコメディまで、日本のエンタメ界を牽引する三池崇史監督が放つ新作はオリジナルのラブストーリー。とはいっても新宿・歌舞伎町を中心に蠢くキャラクターたちは一筋縄ではいかない。主役のボクサー・レオには、10年前に監督に見出された窪田正孝。武闘派ヤクザの権藤に内野聖陽。悪徳刑事、大伴に大森南朋。策を巡らす頭脳派ヤクザに染谷将太。恋人を殺され復讐の鬼と化す女ジュリにベッキー。そしてヒロインのモニカは、3,000人のオーディションからの大抜擢となった小西桜子が初々しく演じている。
監督:三池崇史 キャスト:窪田正孝(葛城レオ)、内野聖陽(権藤)、大森南朋(大伴)、染谷将太(加瀬)、小西桜子(モニカ)、ベッキー(ジュリ)、村上淳(市川)、塩見三省(組長代行)ほか
映画「初恋」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「初恋」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
初恋の予告編 動画
映画「初恋」解説
この解説記事には映画「初恋」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
初恋のネタバレあらすじ:起
葛城レオ(窪田正孝)は将来を期待されたボクサー。淡々とトレーニングをこなし、試合に勝っても顔色ひとつ変えない彼は、生まれてすぐに捨てられたため、両親を知りません。
新宿・歌舞伎町。ある組のNO.2権藤(内野聖陽)が刑務所から出所してきました。武闘派の権藤は、他者との共存を模索する組長代行(塩見三省)のやり方に苛立ち、敵対するチャイニーズマフィアと一触即発の状態です。そんな現状を憂う策士の加瀬(染谷将太)は、悪徳刑事の大伴(大森南朋)と手を組み、組が扱うブツを奪って抗争を起こし、権藤たちとチャイニーズマフィアが争って共倒れするのを狙っています。
組のチンピラ、ヤス(三浦貴大)の住むアパートには、借金のカタに父親に売り飛ばされた娘モニカ(小西桜子)が監禁されています。管理しているのはヤスの彼女ジュリ(ベッキー)。薬漬けにされ客をとらされているモニカは、父親から性的虐待を受けていたため、その幻覚に悩まされています。
ある日、楽に勝てそうだった相手のパンチで倒されてしまったレオは、病院で医者(滝藤賢一)から「脳に腫瘍があり余命わずかだ」と告げられます。放心状態のレオは街角の占い師(ベンガル)に「健康そのもの、人生これからだよ」と言われ、キレてしまいます。
そしてそのとき偶然、助けを求めて走ってきたモニカとすれ違うと、追ってきた大伴を倒してしまいます。しかし大伴の持っていた警察手帳を見て慌ててしまい、それを掴むとモニカに手を引かれてその場から逃げ出してしまいました。
初恋のネタバレあらすじ:承
ヤスが組の仕事で自宅に持ち帰るブツを奪い、モニカを犯人に仕立てる。それが加瀬の立てた計画でした。大伴がモニカを一晩どこかに隠し、モニカを連れてきたジュリを仲間がさらって始末する。そしてモニカとブツを交換し、モニカも殺すはずでした。
でも、まず大伴がモニカに逃げられてしまいました。加瀬は覆面をしたままヤスを襲うはずが、反撃されて正体がバレてしまい、彼を殺す羽目になってしまいました。ジュリは中国人の男にさらわれますが、逆に相手を殺してヤスの家に戻ってきました。そこでヤスの死体を発見し、半狂乱で組に報告。
何食わぬ顔の加瀬は、権藤やその側近市川(村上淳)とともにヤスの家を再度訪れます。そして復讐に燃えるジュリを家に送り届けるよう、権藤に指示されてしまいます。助手席にジュリを乗せて車を走らせる加瀬でしたが、色々うるさく言ってくるジュリに対して、ついに本性を現し、彼女の家で殺そうとします。
すると同居している老婆(母?祖母?)が突然騒ぎ出したので思わず殺してしまいました。即座にろうそくを使った発火装置をつくり、時間差で火事が起きるようにした加瀬は、そのままブツを隠したコインロッカーへと向かいます。
加瀬をずっと尾行し、今回のことが加瀬の仕業だと知っている組の中堅幹部 城島がそこに現れ、ブツをよこせと脅してきました。城島はチャイニーズマフィアと通じていたのです。加瀬は機転をきかせて城島を気絶させ、そのまま車で轢き殺してしまいました。
一方ジュリは間一髪家から逃げ出し、組に駆け込みます。そこですべての元凶が加瀬であると告げ、ヤスのスマホを持っている加瀬をアプリで追跡できると言うのでした。
初恋のネタバレあらすじ:転
そのころ、行くあてのないモニカ(本名:ユリ)はレオに付き添われ、かつて自分をかばってくれた同級生の竜司を訪ねようと千葉へ来ていました。夜遅くなってしまい、ユリたちはかつて住んでいた家へと向かいます。しかし加瀬と大伴が、犯人役のユリを捕まえようとスマホのGPSを頼りに追ってきています。
空き家となったユリの自宅近くでふたりの前に現れたのは、なんとチャイニーズマフィアでした。シャブを持っているのがユリだと勘違いしているマフィアから、銃を奪って逃げ出すと、そこへ加瀬と大伴が現れます。ひとまずその車に乗り込むレオとユリ。
すると今度はその車の前に、権藤や市川たちが立ちふさがります。降りてきたのは復讐に燃えるジュリでした。バールで窓ガラスを割られ、加瀬は傷を負いますが、そんな彼らの車に更にチャイニーズマフィアたちが襲いかかります。
銃撃され、シャブの一袋が破れて加瀬の身体にかかってしまいます。傷口から吸収されたのか、だんだん加瀬の様子がおかしくなってきました。
初恋の結末
三つ巴の戦いはカーチェイスの末、とあるホームセンター内へと舞台を移します。横転した車から這い出したレオたちは店の奥へと逃げ込みます。朝までやり過ごせればいいとユリとふたりで隠れていたレオは、留守番電話のメッセージで余命わずかだというのは手違いだったという事実を知ります。死ぬ気で色々できたことが急に怖くなってきてしまったレオ。
そんなとき、ふたりはマフィアの女チアチーたちに見つかってしまいます。彼女はレオに「ヤクザか、カタギか」と問いかけ、カタギのレオには出ていくように告げます。ユリだけが連れ去られそうになり、ユリも自ら手を離しますが、彼女を助けたいと思ったレオはマフィアに立ち向かいます。チアチーはその男気に免じてふたりを見逃してくれました。
店内では加瀬がハイテンションで暴れまわっていましたが、ついにジュリに首を切り落とされてしまいます。そのジュリは、ユリと間違われてマフィアに射殺されてしまいました。
刑事の大伴が外に出ようとすると、そこにはたくさんのパトカーと警官隊の姿が。なんとかうまく取り繕おうとするも、背後にチアチーが現れたことで銃撃が始まり、警官隊の一斉射撃に倒れてしまうのでした。
権藤はマフィアのボスであるワンと因縁の対決。刃を交え死闘を繰り広げ、最後は素手での闘いに。ふらふらになりながら勝利した権藤が、レオとユリの前にやってきます。
権藤はレオに車の運転を命じ、三人は立体駐車場の壁を突き抜けてパトカーを飛び越え、脱出に成功します。大勢のパトカーに追われながら、権藤の提案でレオとユリはシャブの粉を車の外に撒いて捨てていきます。
白い煙幕に紛れてレオとユリは車を降ります。レオがまたボクサーをやりたいと言ったので、権藤が車から降ろしてくれたのでした。権藤はそのままパトカーを引き連れ、海の上の道を朝日に向かって走りながら目を閉じました。
レオとユリは屋外の冷たいシャワーで血を洗い流し、びしょ濡れのまま駅に向かって歩いています。踏切の向こう側には、おなかの大きな妻とふたりで歩く見覚えのある男の姿。それはユリの恩人、竜司でした。
ぎこちなく言葉を交わし、心配するふたりから逃げるようにユリとレオは立ち去ります。複雑な表情のユリにレオは、汚いけど俺の部屋に来るよう話すのでした。
日常を取り戻したレオとユリ。レオは以前よりも熱心にトレーニングに励むようになり、試合で勝つと歓喜の雄叫びをあげるようになっていました。ユリは施設に入り、薬物の治療に専念しています。
やがてふたりは、たくさんの車が行き交う道路沿いのレオのアパートへと帰っていくのでした。
以上、映画「初恋」のあらすじと結末でした。
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