完全なる飼育の紹介:1999年日本映画。実際に起きた『女子高生誘拐飼育事件』を題材に映画化。女子高生を誘拐して監禁・飼育する男の屈折した愛を描く。ジョギング中に誘拐された女子高生の邦子。犯人である貞義の部屋で目を覚ました邦子は手足を縛られた状態でした。通常なら気の狂いそうな状況の中、少しづつ貞義の見え隠れする優しさに気づいた邦子は、貞義との生活に安らぎを感じやがて結ばれていく。しかしそんな生活も長くは続きませんでした。
監督:和田勉 出演:竹中直人(貞義)、小島聖(邦子)、泉谷しげる(川又)、北村一輝(津田)、渡辺えりこ(咲子)、塚本晋也(森山)、ほか
映画「完全なる飼育」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「完全なる飼育」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
完全なる飼育の予告編 動画
映画「完全なる飼育」解説
この解説記事には映画「完全なる飼育」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
完全なる飼育のネタバレあらすじ:起
女子高生の邦子(小島聖)はランニング中に何者かに襲われてしまいます。捕まえた邦子を連れ去った男、犯人の名前は貞義(竹中直人)です。貞義は邦子を自宅の部屋へと連れて行きました。
邦子が目を覚ますと、全裸にされていて手錠までされていました。このままではレイプされてしまう、彼女の脳裏に恐怖が襲います。しかし犯人であろう目の前の男・貞義は終始穏やかで、邦子に優しく話しかけるのです。
そして貞義は、好きになった女性をレイプしてそのまま結婚したものの、彼女の気持ちは一度も振り向くことなく、そのまま居なくなってしまった過去を話し始めます。「レイプするつもりはない。完全な愛がほしい、だから邦子を飼育する」のだと貞義は告げると、食事を与え手錠にカギをすると、いつものように会社に出社していきます。
完全なる飼育のネタバレあらすじ:承
営業の仕事から抜け出し、邦子に食事を与えに帰り、再び手錠をして仕事に戻る貞義。ある日、足の錠は外すと言う貞義に邦子は「窓から逃げる」と宣言すると、危ないからと優しく止める貞義。意外なほどに優しい貞義のために、邦子は窓から逃げることをやめることにしました。
貞義のアパートには大家の咲子(渡辺えりこ)がいて、住民には森山(塚本晋也)、川又(泉谷しげる)、隣人の津田(北村一輝)がいます。実は森山と川又は体の関係があり、雨の日になると女を買っている津田を貞義はいつも軽蔑していました。
そんな中、異様な生活も慣れてきたのか貞義と邦子の関係は少しずつ良好になってきたのです。それに気をよくしたのか、貞義は邦子に温泉に行かないかと提案します。
完全なる飼育のネタバレあらすじ:転
用事があって貞義の部屋にやってきた咲子が女物の靴があることに気づきます。貞義は、今度姪っ子が来るのだと言って誤魔化しました。咲子の訪問は邦子にとって逃げ出すチャンスだったにも関わらず、邦子は黙って部屋に隠れていました。
そして温泉両行の日になりました。外に出られること、貞義にプレゼントされたセーラー服に邦子は上機嫌です。旅館には親子だと告げて温泉宿にやってきました。宿についた二人は手錠を出してきてふざけ合います。邦子はふざけた振りをして貞義に手錠をかけると、これがチャンスと言わんばかりに荷物をまとめ、旅館を出ていきます。
良好な関係だと思っていた貞義は愕然とします。一方、逃げ出した邦子は迷った末、電車に乗らず宿に帰って来るのでした。そのままアパートに帰った二人。住民たちは二人の関係を叔父と姪だと思い込んでいます。部屋に戻った早々に二人は抱き合い、初めて体を重ね合うのでした。
完全なる飼育の結末
一度体を重ねたことで、たがが外れたのか何度も何度も体を重ね、愛を確かめ合う二人。それは仕事にも影響を及ぼすくらいにもなり、初めは面白がっていた津田たちも苦情を入れるようになっていきます。そしてこの関係は叔父と姪の関係ではないと勘繰り始めました。
そんな中、行方不明の邦子を探す両親が警察の公開捜査に踏み切ります。その結果、邦子の居場所が分かり、保護されることになりました。当然、貞義も未成年者誘拐の罪で逮捕されることになりました。
事情聴取で貞義は素直に罪を認めます。貞義は自分を死刑か無期懲役にしてほしいと願い出るのですが、邦子はあれは監禁ではなく楽しい同棲生活だったと証言します。そのため貞義の罪は2年くらいの罪になりそうだと弁護士は話しました。その頃、邦子は以前のように河川敷をランニングしていました。
以上、映画「完全なる飼育」のあらすじと結末でした。
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