シェアハウスの紹介:2011年日本映画。湘南を舞台に、性格も年齢も様々な4人の女性が一軒の家を共有して生活する物語。ある日、海で自殺をしようとしていた女性・まひるを助けた有希子。彼女の友人の死をきっかけに、共に暮らすことを仲間たちに持ち掛け…。
監督:喜多一郎 出演:吉行和子(有希子)、佐伯めぐみ(まひる)、浅田美代子(麗子)、木野花(花恵)、牧田哲也(優人)、高橋愛(マリ)、大杉漣、ほか
映画「シェアハウス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シェアハウス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シェアハウスの予告編 動画
映画「シェアハウス」解説
この解説記事には映画「シェアハウス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シェアハウスのネタバレあらすじ:起
10年前に娘を亡くし、前年には最愛の夫にも先立たれて、古い家に一人で暮らしている有希子(吉行和子)。彼女は、犬の散歩の途中に、湘南のカフェを訪れるのが日課となっています。このカフェは、友人のケータイ小説家・麗子(浅田美代子)や、独身の花恵(木野花)もよく利用していました。
ある日、花恵から一緒に暮らすことを提案された有希子ですが、彼女はその話に興味がなくカフェを出て帰ろうとします。すると、1人の若い女性・まひる(佐伯めぐみ)が海に入って自殺しようとしているのが見えました。そこに居合わせたサーファー・優人(牧田哲也)がまひるを助け、有希子は彼女を家に連れて帰ることにします。
家に着いてもしばらくは茫然としているまひるは、何も話そうとしません。そんな彼女に有希子がホットミルクを手渡し、「長い人生色々あるわ。人間生きているだけで幸せなのよ。」と声をかけました。
翌日、少し元気になったまひるは、東京に住んでいることや自分の名を有希子に告げました。すると驚いた表情をする有希子。動揺した様子の有希子は、「ここにいていいのよ。一人きりだし。」と、まひるに話しました。その後、親しくしている高齢の友人・かもめの家を訪れた有希子は、家の中で倒れているかもめの姿を見つけます。
かもめはすでに亡くなっており、死後数日たっていることがわかりました。先日まで元気だったかもめが人知れず亡くなり、深い悲しみにくれる有希子。何も考えられず、ただ茫然とする有希子のためにこの日の夕食はまひるが作り、二人は同じ部屋で寝ることにしました。
布団に入るとまひるが身の上話を始めます。まひるの母親は彼女が中学の時に亡くなり、父親もおらず天涯孤独であること、そして東京で帽子デザイナーとして働いていたのですが、仕事でトラブルがあり信用していた人にも裏切られて海に入水したことを打ち明けました。
シェアハウスのネタバレあらすじ:承
翌日、かもめの息子が有希子を訪ねてきます。「高齢の母親を一人にすべきではなかった…」と反省し、後悔する息子。「一緒にいればこんなことにならなかったかもしれないのに…」と言葉を詰まらせ涙する息子に、有希子は何も言えませんでした。
その後、有希子はまひるを連れてカフェを訪れます。そこには花恵と麗子もいて、話題はかもめの孤独死のこととなりました。花恵も麗子も独り身で、他人ごとではないと不安を口にします。有希子は花恵からシェアハウスについて詳しく話を聞き、今後のことを考え、友人と共にシェアハウスで暮らすかどうか一旦は悩んだ有希子ですが、気の知れた仲間でも一緒に暮らすことがどうしても気になります。
するとまひるから、「東京の家を引き払って、私も一緒にシェアハウスの仲間に入れてほしい。」と言われます。このことで決心が固まった有希子は、麗子と花恵とまひるの4人でシェアハウスで暮らすことにしました。しかし有希子の息子・トシキが異議を唱えます。しかし一度言い出したら聞かない母親についに折れて、トシキが知り合いのシェアハウスのコンサルを紹介してくれることになりました。
東京に戻って家を引き払ったまひるも戻ってきて、それぞれの部屋のデザインやシェアハウスの設計がどんどん進みます。そして4人の夢が詰まったシェアハウスがついに家が完成し、バルコニーで完成披露のパーティーが開かれました。
パーティーには、優人や有希子の夫の主治医だった倉田先生、トシキやカフェのマスターなども呼ばれました。このパーティーで、まひるは有希子の亡くなった娘の名前も“まひる”だったと麗子や花恵から教えてもらいます。
その夜、有希子と麗子、花恵とまひるの4人で恋話になり、花恵は離婚してから恋をしておらず、麗子にいたっては男性と付き合ったこともないことが判明。麗子はカフェのオーナーがタイプで、みんなで彼女を応援することにしました。
シェアハウスのネタバレあらすじ:転
シェアハウスでの生活が始まり、食事作りや掃除など4人で分担して行います。この頃には少しずつ元気を取り戻していたまひるですが、なぜか急に元気がなくなります。
そのことに気がついた有希子がどうしたのか尋ねると、「みんなが頑張っているのに、自分は前に進んでいない…」と、下を向くまひるがいました。すると有希子は「探し物はさがしている時には見つからない。時を待つの。」と、焦らないようアドバイスをしました。
ある日、病院で検査を受けた有紀子は、倉田先生から余命わずかなことを宣告されます。体調の悪そうな有希子のことをまひるは心配し、どこか悪いのではないかと尋ねますが、有希子は病気のことを隠そうとします。するとまひるが、これまでずっと気になっていたことを有希子にぶつけてしまいました。
娘と同じ名前だと一度も有希子の口から聞いたことがなく、自分は娘の身代わりなのかと尋ねるまひる。まひるはいつしか有希子のことを本当の母親のように思っていました。しかし、自分に隠し事をする有希子とは通じ合えないのかと悲しくなり、まひるは家を飛び出し砂浜に行きます。優人に相談し、心が軽くなったまひるは家に戻ります。
すると有希子が部屋で意識を失って倒れていました。すぐに病院に担ぎ込まれまひるたちは心配しますが、その後有希子はすぐに意識を取り戻しました。目を覚ました有希子は、倉田先生に「みんなにはただの貧血だと嘘をついてほしい。」と頼みました。倉田先生から説明を受けたまひるたちですが、心配でたまりません。
不安そうなまひるを見かねた花恵が声を掛けますが、それでもまひるは有希子のことが心配でたまりません。しまいには花恵と麗子が口論をはじめて、有希子がいないことでまひるたちはぎくしゃくしてしまうのでした。
シェアハウスの結末
翌日、入院していた有希子は家に帰りたいと倉田先生に相談します。倉田先生から「命の保障はありませんよ。」と言われますが、それでも帰ると言って聞きません。トシキも有希子を引き止めますが、有希子には最後まで笑って過ごしたいという思いがあり、家に戻ることにしました。
退院した有希子に麗子も花恵もまひるも大喜びします。しかしいつもと様子が違うことに気がついた花恵がトシキを問い詰め、花恵は有希子の本当の病名を知ってしまいます。そして麗子もそのことを知ることとなり、まひるだけが有希子の病気のことを知らずにいました。
有希子の誕生日に、4人で誕生日会を開きます。まひるは自分で作った帽子をプレゼントし、その日は楽しく過ごしました。しかしその後部屋に戻った有希子が、再び倒れてしまいます。入院が決定し、まひるはこの時初めて有希子の余命が短いことを知りました。
母親のように慕う有希子との別れが近いことを知り、深く落ち込むまひる。その気持ちは有希子も同じで、みんなと一緒に過ごすために彼女は再びシェアハウスに戻ってきます。
倉田先生に車いすを押してもらい家に戻ってきた有希子は、バルコニーに出て一人一人に語りかけました。花恵には、「みんなを頼むわね。」と声をかけ、麗子には「夢を叶えてね。」と言います。そして最後に「あなたに出会えたことは偶然じゃないと思ってる。もう一度母親になれて幸せだった。ありがとう」と、まひるに感謝の言葉を伝えました。バルコニーからの景色を目に焼き付けるようにして、有希子はそのまま静かに目を閉じ亡くなりました。
時間は経ち、以前の生活が始まります。麗子は小説を書き、カフェのオーナーともいい感じです。花恵はフラダンスをもう一度始めることにして、まひるは帽子を再び作っています。まひるは有希子から教わったチェリーパイを麗子や花恵、優人にふるまい、いつまでも彼女たちの心の中には有希子が生き続けているのでした。
以上、映画「シェアハウス」のあらすじと結末でした。
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