リスタートの紹介:2021年日本映画。お笑いコンビ「品川庄司」の一員であり、映画監督として『ドロップ』『漫才ギャング』などを手掛けた品川ヒロシの約6年ぶりとなる監督作品です。北海道の下川町を舞台に、シンガーソングライターを夢見て上京したものの夢破れて帰郷した主人公が同級生や故郷の大自然に触れて自分自身を取り戻していく姿を描きます。主演はフォークデュオ「HONEBONE」のEMILYが務め、「劇団EXILE」でも活動する「DOBERMAN INFINITY」のSWAYらが共演しています。
監督:品川ヒロシ 出演者:EMILY(杉原未央)、SWAY(大輝)、品田誠(野村)、朝倉ゆり(夏帆)、夏目ベール(みち)、藤井俊輔(なおき)、向井日菜海(あん)、阿部隼也(良太)、かんた(小橋)、望月柊成(原川悠)、岩崎う大(山田)、高橋ピロリ(未央のファン)、夏美沙和(ゆきえ)、もりももこ(水橋)、西野亮廣(本人役)、松田大輔(マネージャー・飯尾)、庄司智春(ライブハウスのスタッフ)、小杉竜一(里山)、黒沢あすか(未央の母・祐美)、中野英雄(洋二)ほか
映画「リスタート」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リスタート」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リスタートの予告編 動画
映画「リスタート」解説
この解説記事には映画「リスタート」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リスタートのネタバレあらすじ:起
北海道下川町で生まれ育った杉原未央(EMILY)はシンガーソングライターとして大成するという夢を抱いていました。未央は高校を卒業すると共に上京しましたが、彼女に与えられた仕事はシンガーソングライターではなくアイドルグループのメンバーでした。
上京から10年後。28歳になった未央は相変わらず秋葉原のライブハウスで売れない地下アイドルとして活動していました。一応コアな固定ファンがついていましたが、指にタトゥーを入れたことを豪語する男(岩崎う大)など変わり者ばかりでした。
未央は売れっ子ミュージシャンの原川悠(望月柊成)と交際していましたが、実は原川には高校時代から交際していた身重の婚約者・ゆきえ(夏美沙和)がおり、原川は未央に一方的に別れを切り出してきました。
未央と原川の交際は芸能記者の野村(品田誠)とその後輩の小橋(かんた)にマークされていました。小橋は妻子ある野村が人のスキャンダルで飯を食ってて罪の意識はないのかと問いましたが、野村は嫌なら芸能人か不倫をやめればいいと開き直っていました。
原川がゆきえと結婚したその日、未央と原川のスキャンダルが大々的に報じられました。未央は事務所をクビになったあげく、狂信的なファンに襲撃されて負傷してしまいました。たまたま通りかかった通行人が未央を病院に連れて行きましたが、その通行人すらも未央のことをSNSで嬉しそうにアップする始末でした。
リスタートのネタバレあらすじ:承
知らせを聞いた未央の妹・夏帆(朝倉ゆり)が北海道から駆け付けましたが、未央は極度の人間不信に陥っていました。夏帆は未央に故郷の下川町へ帰ろうと促し、未央も故郷でリスタートする決意を固めました。
未央は父・洋二(中野英雄)と母・祐美(黒沢あすか)が営む実家の民宿に戻りました。家族は未央を温かく迎え入れてくれましたが、未央は頑なに心を閉ざしたままでした。
未央の実の父は洋二ではなく、かつて祐美が交際していたアメリカ人でした。祐美は相手が既婚者とも知らずに交際していましたが、アメリカ人は祐美とまだ幼かった未央を捨ててアメリカへと去っていきました。
その後、祐美は東京でサラリーマンをしていた洋二と結婚、妹の夏帆が生まれたのです。洋二は未央に必要以上に気をつかっており、それを疎ましく思っていた未央は実家を出ていこうかとも考えました。
そんな時、未央の高校生時代の同級生だった大輝(SWAY)らかつての仲間たちが未央を飲みに誘いました。未央は仲間たちと共に居酒屋に繰り出し、懐かしい思い出話に花を咲かせました。この時ばかりは未央の表情も生き生きとしていました。
その時、居酒屋の常連客である里山(小杉竜一)と水橋(もりももこ)のカップルが未央の存在に気付き、写真を撮ろうとして大輝らといざこさになりました。その際、泥酔していた未央が思わず吐いてしまい、仲間たちや里山もつられて吐き、いざこざはいつの間にかうやむやになっていました。
リスタートのネタバレあらすじ:転
未央は大輝によって実家の民宿に送られ、大輝もこの民宿に泊まりました。現在は札幌在住の大輝は顧客と共に北海道各地を移動しながらその魅力を伝えるネイチャーガイドの仕事をする傍ら、各地の写真を撮っては写真集を出版し、個展を開く活動などもしていました。
実は未央を心配する夏帆が大輝にネイチャーガイドを依頼していたのです。未央は大輝の車に乗り、地元の大自然を見に行くことになりましたが、未央は車中でもスマホを開いてエゴサーチ(自分のSNS上でのネガティブな反応をみること)をしていました。大輝は未央のスマホを取り上げ、これから電波の届かないところに行くと告げました。
緑の豊かな場所に着いた未央は大輝から大自然のうまい空気を吸うよう促されましたが、未央はタバコを吸っていました。それでも大輝は未央を励まし、つい「死にたい」と漏らした未央を川に突き飛ばしてみせました。
ズブ濡れになった未央はブチ切れましたが、大輝は「死にたいと言っていたくせに」と言い返し、未央にある動画を見せました。それは未央が高校を卒業する直前に大輝や仲間たちの前で歌った時の動画であり、これを見た未央はようやく前向きな気持ちを取り戻しました。
未央の仲間たちは彼女をバーベキューに誘い、そこで地元の今では使われていない倉庫を会場として未央の再出発となるライブを開こうという話になりました。未央も話を受け入れ、仲間たちは早速準備に取り掛かることにしましたが、未央の新たなスキャンダルを掴もうと野村と小橋も下川町に乗り込んでいました。
リスタートの結末
野村と小橋は未央の実家の民宿に泊まり、客を装って未央の情報を得ようとしました。大輝は野村の様子に不信感を抱いていました。
翌日、ネットニュースに未央は北海道で新恋人を作っているという事実無根の記事が掲載され、激動した大輝は野村に詰め寄りました。この話を聞いた洋二は野村を「未央は私の娘だ。娘を傷つける人間は客なんかじゃないよ」と民宿から追い払いました。未央は洋二に感謝の気持ちを伝えました。
未央の復活ライブが開催され、会場の倉庫には沢山の客が詰めかけていました。会場には居酒屋でひと悶着を起こした里山と水橋、そして野村の姿もありました。未央は心を込めて堂々と歌い上げ、観客たちも彼女の歌に聞き惚れていました。もはや誰も未央をバカにするものなどいませんでした。
ライブを終えた未央は大輝と一緒に川に行きました。未央はなぜここまで助けてくれるのかと大輝に訊くと、大輝はその理由を語り始めました。カメラマン志望だった大輝も夢を追って上京したのですが、夢破れて北海道に戻る決心をしました。
その時、地下アイドルをしていた未央のライブに行った大輝は彼女が必死に頑張っている姿に大いに感銘を受け、彼女が苦境に陥ったら絶対に助けようと心に誓っていたのです。その話を聞いた未央は大輝を川に突き飛ばして先日のお返しをしました。ズブ濡れになった大輝を見た未央の表情は屈託のない笑顔に満ちていました。
未央のライブに心を打たれた野村は、未央がリスタートを切ったこと、北海道に新たな歌姫が誕生したとの記事を書きました。その後、野村は小橋と共に新たなスキャンダルの現場へと向かっていきました。
未央と大輝たちは未央のライブ成功と仲間の結婚祝いを兼ねた打ち上げをしていました。そこに居合わせていた里山と水橋が記念写真を撮らせてほしいと申し出、二人が自分の歌に感動してくれたことに気付いた未央は快く応じました。
以上、映画「リスタート」のあらすじと結末でした。
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