老後の資金がありません!の紹介:2020年日本映画。垣谷美雨の小説『老後の資金がありません』を、本作が長編映画で19年ぶりの単独主演となる天海祐希を主演に迎えて映画化したハートフルコメディです。これまで老後の資金をコツコツと貯めてきたごく普通の主婦が次から次へと襲い掛かる金銭的な災難に見舞われていく姿を描きます。
監督:前田哲 出演者:天海祐希(後藤篤子)、松重豊(後藤章)、新川優愛(後藤まゆみ)、瀬戸利樹(後藤勇人)、加藤諒(松平琢磨)、柴田理恵(神田サツキ)、石井正則(桜井秀典)、若村麻由美(桜井志津子)、友近(本間)、クリス松村(城ヶ崎君彦)、高橋メアリージュン(レイナ)、佐々木健介(松平金造)、北斗晶(松平美和)、荻原博子(荻原博子)、竜雷太(後藤太平)、藤田弓子(後藤波子)、哀川翔(天馬)、毒蝮三太夫(大泉健三)、三谷幸喜(森口)、草笛光子(後藤芳乃)ほか
映画「老後の資金がありません!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「老後の資金がありません!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
老後の資金がありません!の予告編 動画
映画「老後の資金がありません!」解説
この解説記事には映画「老後の資金がありません!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
老後の資金がありません!のネタバレあらすじ:起
ごく普通の主婦、後藤篤子(天海祐希)は53歳。夫の章(松重豊)、娘のまゆみ(新川優愛)、大学生の息子の勇人(瀬戸利樹)の4人家族です。
篤子は章と共に穏やかな老後を過ごすためにコツコツと貯金を貯めており、家電量販店のパートとして働き、給料から少しずつ金を貯めていました。
そんなある日、まゆみは恋人の松平琢磨(加藤諒)を家に連れてきて篤子と章に紹介しました。琢磨はヘヴィメタルバンドで活動するバンドマンであり、派手な髪型のチャラ男でした。まゆみは琢磨と結婚すると宣言し、結婚式は大金をかけた華やかな派手婚を熱望しました。
まゆみは篤子に式の費用をねだり、篤子はイラつきましたが、元来見栄っ張りな性格の章は、式の費用の半額である300万円をポンと出すと勝手に宣言してしまいました。このことをきっかけに、篤子の貯金と節約生活は少しずつ乱れていくこととなりました。
篤子は友人でフラワーアレンジメント仲間の神田サツキ(柴田理恵)にまゆみのことを相談しました。脱サラした夫と共にパン屋を営んでいるサツキは、自分の息子は予算30万円ほどの地味婚を予定していることを明かしました。篤子はサツキの言葉に、まゆみへの憤りと悔しさをたぎらせました。
老後の資金がありません!のネタバレあらすじ:承
そんな時、章の父が倒れて救急搬送されました。章の父はそのまま入院することになり、篤子と章は章の妹である桜井志津子(若村麻由美)と共に志津子の夫・秀典(石井正則)の元に向かうことにしました。
その際、志津子は神妙な表情をしながら、もし父に万が一のことがあったら葬儀の手配や費用は全て章に任せたいと申し出てきました。篤子は複雑な心境に陥りましたが嫌と言うことはできませんでした。
章の父と母・芳乃(草笛光子)は長年に渡って浅草で老舗和菓子屋を営んでいましたが、高齢を理由に店を畳み、浅草の土地を売り払って2億円の大金を手にしていました。その後、芳乃は夫と共に志津子の家の近くに移り住んでいましたが、ここ最近は終活として介護サービスつきの有料高級老人ホームに入居していました。
金遣いの荒い芳乃は2億円をとっくに使い切ってしまい、章と志津子が芳乃の生活費を毎月9万円出していました。篤子はどうせなら芳乃は志津子に引き取ってもらい、空き家になった芳乃たちの家を売り払って舅の葬儀費用に充てようと考えました。
秋になり、まゆみは琢磨とド派手で盛大な結婚式を開きました。ただでさえ多額の式費用に加えて新婚旅行や新居の費用など総額500万円、更には芳乃の終活を支える生活費・・・せっかく貯め込んできた貯金が次々と消えていく様に、篤子はついめまいを起こしてしまいました。
更に秋は深まり、入院生活を送っていた章の父がこの世を去りました。葬儀費用には400万円がかかり、篤子の貯金はますます減っていきました。
そんなある時、篤子は勤め先の家電量販店から契約満了を告げられて失業してしまいました。深く落ち込む篤子に追い打ちをかけるように、今度は章の勤める会社が倒産してしまい、章までも職を失ってしまいました。それからというもの、章は毎日家にいることが多くなり、近所からは章は身体を悪くしたのかと心配される有様でした。
老後の資金がありません!のネタバレあらすじ:転
後藤家の中でもしっかり者の勇人は、姉まゆみが琢磨からDVを受けているのではないかと心配していました。一方、フラワーアレンジメントに通うある女性と知り合いになった篤子は、彼女が上品で裕福で身の回りの物や乗っている車までもが高級であることに深く惨めな気持ちにさせられました。
そんなある日、篤子に田舎の幼馴染から電話がかかってきました。篤子は幼馴染にまゆみのことを愚痴りましたが、幼馴染は「篤子ちゃんは昔から見栄っ張りだから」とはっきり言い放ちました。電話を切った後、納得できない篤子は思わず「見栄なんて張ったことない!」と叫びました。
篤子は少しでも老後の資金を貯めないといけない考え、セミナーに参加することにしました。そこでたまたまサツキと出くわした篤子は、彼女の夫が実は浮気しており、しかも相手を妊娠させてしまっていることを聞かされました。そのことを知った篤子は、一見幸せそうなサツキも実は悩みを抱えていたのだということに気付かされました。
そんな矢先、何と芳乃が篤子の家に上がり込んできました。志津子の仕送りだけでは老人ホームでは暮らせないと考えた芳乃は思い切って章に面倒を見てもらうことにしたのです。篤子は章にそんなこと聞いていないと詰め寄りましたが、行儀よく深々と頭を下げる芳乃に対しては何も言えませんでした。
程なくして、篤子はコンビニで働き始めました。すると篤子の家に引っ越してきた芳乃が篤子と章み自らの預金通帳を渡し、自分の年金6万円は好きに使ってもいいと言い出しました。篤子は思わず小遣いはいらないのか問うと、芳乃は亡き夫の恩給4万円があるからと答えました。
芳乃の年金6万円と志津子からの仕送り9万円で計15万円、これだけあれば家計は何とか回していけそうだと篤子は考えました。このことをきっかけに、これまで交流のあまりなかった篤子と芳乃は少しずつ心を開き合っていきました。
老後の資金がありません!の結末
そんなある時、サツキから篤子に電話がかかってきました。入院しているはずのサツキの姑が1ヶ月前から姿をくらましており、サツキは姑の代わりに何と芳乃を1日だけレンタルしたいと申し出てきたのです。篤子はさすがに断ろうとしましたが、思い直して1日10万円の条件を提示してサツキもこれを了承しました。
1日レンタルは無事に終わりましたが、今度はサツキの従妹の姑の身代わりがほしいと頼まれました。報酬は何と50万円でしたが、サツキの従妹兄弟と話し合っているうちにやはりこの話は降りようという結論に至りました。
そうこうしているうちに、まゆみが篤子たちの元を訪ねてきました。まゆみはDVなどできておらず、子供も身籠り幸せな日々を送っている様子でした。篤子はほっと胸をなでおろしました。篤子と芳乃の関係がより一層深まってきた頃、二人の関係に嫉妬したのか志津子が芳乃を引き取りたいと言い出してきました。
章も無事に再就職先が見つかり、篤子も再び貯金を貯め初めていました。サツキは夫と共にパン屋を畳み、奄美大島へ引っ越して自給自足の生活を送ると決心しました。篤子はいつか自分も奄美大島に行って目いっぱい楽しむぞと意気込みました。
以上、映画「老後の資金がありません!」のあらすじと結末でした。
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