地獄の警備員の紹介:1992年日本映画。3人を殺害した元相撲取りの富士丸は精神鑑定で無罪になり、ビルの警備会社に就職します。その会社に新たに就職した秋子。秋子を見た富士丸は、殺人鬼の血が呼びさまされたように殺戮を始めたのでした。日本を代表する映画監督・黒沢清が1990年代に撮ったスラッシャー映画です。
監督:黒沢清 出演者:久野真紀子(成島秋子)、松重豊(富士丸)、長谷川初範(兵藤哲朗)、由良宜子(高田花枝)、田辺博之(間宮)、洞口依子(兵藤の妻)、大杉漣(久留米浩一)、内藤剛志(白井)ほか
映画「地獄の警備員」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「地獄の警備員」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「地獄の警備員」解説
この解説記事には映画「地獄の警備員」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
地獄の警備員のネタバレあらすじ:起
曙商事に今日から出社する秋子は、タクシーで渋滞に巻き込まれます。動かない車の中で運転手が話しかけます。「3人を殺した相撲取りの話し知ってますか。逮捕されたものの精神鑑定で無罪になり、今は普通に働いているそうです。でも再逮捕するらしんですよ」と言いますが、興味のない秋子はイラつくばかりでした。
曙商事のビルに着くと、警備員の間宮の呼び止められます。初めての出社の為、写真入りの身分証を渡し中に入ります。間宮は「今日から新しく入った警備員がいる」と教えます。
秋子が配属されたのは、12課という絵画の売買をする新しい部署でした。久留米課長以下、吉岡、野々村、高田ら絵画を全く知らないメンバーです。唯一絵画に詳しい秋子でしたが、久留米が「3000万円以下の安いのを探せ」と言うだけで、秋子の力は発揮できそうもありませんでした。
そのころ警備員室では相撲を辞めた新人の富士丸に間宮が、秋子の身分証を見せながら仕事を教えています。その後、上階の仮眠室で同僚の白井が間宮に、貸した金の事で威圧的な態度をとっています。翌日、出勤しない白井を気にする間宮に、富士丸が「ロッカーを開けろ」と言います。ロッカーの中には白井の死体がありました。
秋子は人事部の兵藤に会います。兵藤は「久留米もほかのメンバーも期待していない。君だけだ」と言います。
地獄の警備員のネタバレあらすじ:承
久留米が秋子を別室に呼びます。久留米は変態で、秋子に下半身を露出しようとしますが、秋子は逃げ出し資料室へ逃げ込みます。しかしドアが開かなくなり警備員室に電話をします。奥のドアをどんどん叩く音がします。怖くなり表のドアに走っていくと間宮がドアを開けます。
間宮に連れられ12課に戻った秋子でしたが、久留米が間宮に「何をしたんだ」と責め立てます。間宮は「出れなくなって助けただけなのにあの野郎」と言いながら久留米の身分証を富士丸に見せ、「殺さなくていい」と言います。
12課で仕事をしていると「大男の警備員がイヤリングをつけている」と話題にしています。逃げる途中、イヤリングを片方落としたことに気付いた秋子が、警備員室に行きますが返事がありません。中では秋子のイヤリングを付けた富士丸がいます。
秋子は富士丸を探そうと、ビル内を探します。すると地下室で自分の身分証の写真が壁に貼られているのを見つけます。その奥には富士丸がいて、耳に付けた自分のイヤリングを見て怖くなり12課に戻ります。
同僚に、富士丸の事を相談すると「兵藤さんに相談するといい」と言ってくれますが、時間は定時を過ぎていました。仕事の残っていた秋子は残業をします。それを知っていた久留米が帰るふりをして12課に戻ろうとしますが、途中で富士丸に襲われます。その後、富士丸は久留米を感電させ、窒息死させます。
地獄の警備員のネタバレあらすじ:転
翌日、秋子は兵藤に会いに行きます。富士丸の事を話した後、久留米がいなくなったことを伝えます。兵藤は「久留米がいない時は、高田にやらせる」と言います。
警備員室では、富士丸が女性を殺していました。間宮がそのことを責めると、富士丸は「オレのことを分かっていないようだな」と言って間宮に暴行を振るいます。12課を出た秋子は富士丸が間宮を殺そうとしているのを見て逃げます。吉岡、高田と合流し逃げますが、吉岡が「警察を呼ぼう」と言った時、富士丸が制御盤を壊して停電にします。
部屋にいた兵藤も停電により異変に気づきます。間宮を殺した富士丸は、給湯室の野々村も殺します。追いかける富士丸を見かけた兵藤が「止めるんだ」と説得すると、富士丸は素直になっていなくなります。
兵藤と合流し、兵藤の部屋に逃げ込んだ兵藤、吉岡、秋子、高田の4人。吉岡が「電話線を切られているから、デレックスで通報しよう」と言って、テレックスのある部屋に向います。テレックスを操作して、通報には成功したものの、富士丸に見つかり襲われます。
戻らない吉岡を心配し、高田を残して兵藤と秋子はテレックス室へ見に行きます。その隙に富士丸が高田に襲いかかります。富士丸は高田をロッカーに押し込むと、ロッカーを潰して高田を殺します。
地獄の警備員の結末
吉岡を助けることが出来ず、兵藤の部屋に戻った二人でしたが、中にいた富士丸と兵藤が格闘になります。富士丸は兵藤を押し倒すと何度も殴ります。秋子が「やめて!」と止めると、富士丸は殴るのを止めます。秋子が「どうしてこんなことをするの」と聞くと、富士丸は「あんたが、突然オレの前に舞い降りてきたその時からこうなった」と言います。
二人の様子を見ていた兵藤が富士丸に背後から襲いかかります。富士丸がひるんだその時、パトカーのサイレンが鳴り響きます。サイレンを聞いた富士丸は部屋を出て行きます。
警察が突入し、二人は保護されます。ビルから出た二人。兵藤は迎えに来ていた妻と息子の顔を見て、安堵の表情で車に乗りこみます。秋子はそんな兵藤を見ながら、歩いてビルを離れます。
警察がビル内を調べ、地下室に行った時、富士丸が首を吊って自殺していました。
以上、映画「地獄の警備員」のあらすじと結末でした。
「ハラが、減った」
地獄の警備員は生きていた!