ホワイトアウトの紹介:2000年日本映画。日本最大の貯水量を誇るダムの作業員・富樫は、同僚の吉岡と向かった遭難者の救出の途中で吹雪と霧で作り出された世界「ホワイトアウト」に遭遇し、吉岡を死なせてしまう。2ヵ月後、富樫はテロリストによるダムジャック事件に巻き込まれる。ダムの爆破で脅迫し50億円を政府に要求するテロリストたち。かろうじて難を逃れた富樫は、仲間と住民を守るため単身、テロリストに闘いを挑むのだが…。
監督:若松節朗 出演:織田裕二(富樫輝男)、松嶋菜々子(平川千晶)、佐藤浩市(宇津木雅彦)、石黒賢(吉岡和志)、吹越満(笠原義人)、ほか
映画「ホワイトアウト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホワイトアウト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ホワイトアウト」解説
この解説記事には映画「ホワイトアウト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホワイトアウトのネタバレあらすじ1/6
日本最大の貯水量を誇る新潟県奥遠和ダムで働くダム運転員の富樫輝男とその同僚であり親友である吉岡和志。雪に覆われた12月、吹雪の酷い日に富樫と吉岡はダム作業所の裏山で遭難者2名を見つけ救助に向かう。遭難者を富樫と吉岡は1人ずつ背負って下山を始めるも、悪天候に遮られ吉岡は運悪く斜面を転げ落ち負傷してしまう。一人で3人を連れて下山することは難しいため、一人助けを呼びに下山することになる富樫。下山中にも悪天候は続き、ホワイトアウトと呼ばれる白い霧に巻き込まれ足止めを食らってしまい富樫はビバークすることを選択。しかしこの選択により救助が遅れ、翌日吉岡一人が死体で発見されてしまう。吉岡には結婚を誓った婚約者平川千晶がいたが、恋人の死を知った千晶は吉岡が生前「冬の奥遠和を見せたい」と言っていたことを思い出し、奥遠和ダムに恋人の足跡を見つけに向かう。
ホワイトアウトのネタバレあらすじ2/6
新潟に着いた千晶を迎えてくれたのは奥遠和ダムの課長岩崎、車で千晶をダムへ送り届けることになる。その頃奥遠和ダムではテロリスト集団がダム占拠計画を進め始めていた。ダムに通じるトンネル内で岩崎と千晶はテロリスト集団と鉢合わせてしまい、岩崎は銃弾に倒れ、千晶は人質としてダム内に連行されてしまう。一方、作業中にダムの裏山に人影を発見した富樫は不審に思い同僚を連れ捜索に向かうが、出会いがしらにテロリストの銃撃を受け同僚は倒れ、富樫は命からがら振り切って逃げることになる。ダムの指令室を乗っ取ったテロリスト集団は複数のダム運転員たちを人質にダム内に立てこもりを始める。一人生き延びた富樫はダム内で起こっている出来事を外部に伝える手段を探すが、テロリストたちの執拗な追跡に逃げるしか方法がなく翻弄されてしまう。その間にテロリストたちは着々と準備を始め、奥遠和ダムの電力所を盾に警察に対し要求を開始する。
ホワイトアウトのネタバレあらすじ3/6
その頃富樫は課長の死体を発見し、同僚や千晶のことを思い逃走することを止め、人質の救出を考えるようになる。テロリストたちは警察に対し自分たちの脅しが狂言ではないことを示すためにダムの水を放流し、じわじわとダム下流に住む住人や町を危険にさらしていく。放流を知った富樫はテロリストからダムを守るために立ち向かい、指令室以外にも放流を止める手立てがあることに気付き手動で放流を食い止める。そのまま運良くテロリストの一人を倒す富樫だったが、テロリストのリーダー宇津木に「人質がいることを忘れるな」と脅され苦悩する。テロリストたちは富樫の動きを封じるためにダムの周りをダイナマイトで吹き飛ばし、人工的に雪崩を起こし富樫がいるダムの出入り口をすべて塞いでしまう作戦に出る。出口を塞がれてしまった富樫に唯一残されたダムからの脱出経路は、水が流れるためのドラフトチューブを通り約3キロ下流を目指すだけだった。運転員の知恵を生かし持てるだけの装備を持ちドラフトチューブ内を走る富樫だったが、脱出経路にリーダー宇津木も気づき、富樫を死に追いやるためにドラフトチューブに放水を始める。数秒後に何トンもの水が流れてくることを知った富樫は手持ちのガスボンベとマスクを装着し、流されることに身構えるも真冬の冷たい水の中を3キロも流されるのは容易なことではなかった。
ホワイトアウトのネタバレあらすじ4/6
その頃テロリストたちが出していた50億円の要求を、警察は打つ手が無く承諾せざるを得なかった。運良く命からがら助かった富樫は8キロ下流にある大白ダムに到着。なんとか警察に連絡を取ることが出来、テロリスト集団の情報も提供することに成功、その結果テロリストが「赤い月」のメンバーであることが明らかになる。やっとの思いでダムから脱出した富樫だったが、警察が止めるのも振り切って仲間と千晶を助けるべく奥遠和ダムに戻る決意を固める。警察内では赤い月のメンバーの特定が進められ、宇津木の名前とメンバーの中に過去に赤い月に家族を殺された経歴を持つ小柴拓也が加わっていることも知る。赤い月のリーダー宇津木の巧みな計画によりダム内にいるテロリストとダムの外にいて警察とダムの中継役をしているメンバーが複数いることに警察は勘づくが、ダム外のメンバーの存在をダム内にいる宇津木以外のメンバーは知らされていなかった。その頃奥遠和ダムに戻った富樫は一人また一人とテロリストを打ち負かしていく。メンバーが富樫との闘いに気を取られている間に、リーダー宇津木はダム内のメンバーを裏切り、一人スノーモービルで逃走を図っていた。
ホワイトアウトのネタバレあらすじ5/6
ダムのあちらこちらに仕掛けられた爆弾を宇津木が作動させ、時限爆弾のスイッチがカウントを始める。宇津木はダム内のメンバーを最初から捨て駒にするつもりだったのだ。宇津木の裏切りに気付いたメンバーの小柴は宇津木を追いスノーモービルを駆る。途中で千晶を助け、スノーモービルに乗せ一緒に宇津木を追いかける。宇津木に追いついた小柴は赤い月とその計画の全貌を知ることになるが、宇津木の手にかかり小柴は銃弾に倒れてしまう。千晶も撃たれ怪我を負ったが間一髪のところで後を追ってきた富樫が現れ難を逃れる。富樫は意識を失っている千晶を雪山に残し「必ず戻ってくる」と誓い宇津木の後を追う。近隣の片貝ダムまで逃走に成功した宇津木はダムに停めてあったヘリに乗りさらに逃走を図るが、富樫を見つけるや否や逃走するよりも襲撃を開始する。スノーモービルを使って逃げるも追い詰められた富樫は、最後の手段でスノーモービルを起爆剤にして人工的に雪崩を引き起こす。雪崩に巻き込まれたヘリはそのまま墜落してしまうが、宇津木はまだしぶとく生きていた。渾身の力を振り絞り宇津木と闘う富樫。寸でのところで宇津木を倒し、ダム内に仕掛けられた時限装置のスイッチをオフにすることに成功する。
ホワイトアウトの結末
しかし富樫にはまだやるべき事が残されていた。「千晶を助けること」だが運命の悪戯かまた悪夢のようなホワイトアウトが富樫の行く手を阻む。吉岡を助けられなかった時と同じ過ちは繰り返せない。富樫の中であの悲しい事故の記憶が蘇っていた。翌日天候が回復し、警察の減りが奥遠和ダムに到着、人質の救出にあたっていたその時、雪山を歩いて戻ってくる富樫の姿が。そしてその腕には千晶をしっかり抱いていた。ヘリで搬送される富樫と千晶。意識が戻った千晶に警察は富樫の無事を知らせる。富樫は警察の手に千晶を託す時、「吉岡を頼む」と伝えていたことを千晶に言い聞かせる。テロリストとの闘いの末、疲労困憊していた富樫が記憶の中でいつしか千晶と吉岡を重ねていたのだが、富樫の中では吉岡を救出することが出来た瞬間でもあった。
ホワイトアウトは映画館で観ました。猛吹雪の中で遭難者の救助に向かうシーンの凄い迫力を今も覚えています。ストーリーは少し重い感じですが、
毎度のコンビ石黒賢や松嶋菜々子も共演あり、あと24時間、一体どうなるんだと見ていてハラハラドキドキさせられる面白い映画でした。