約三十の嘘の紹介:2004年日本映画。トワイライトエクスプレスの車内で繰り広げられる詐欺チームの人間模様を描いた作品です。映画ですが、会話劇のような構成になっており、映画作品と思って身構えて見ると前半は退屈に感じるかもしれません。出演者は有名で芸達者な俳優さんたちが多く、会話劇と思って割り切って見るとおもしろさを感じます。音楽がどこか懐かしく劇中での使い方がおしゃれです。ほぼ主演である中谷美紀さんの美しさが際立っています。内容は友情と恋愛ドラマが中心で、トリックはあまりありません。しかも、結局仕事としてやっていることは詐欺なので、いろいろと納得できませんが、あまり考えずに俳優さんたちの会話を楽しむ映画として楽しむ作品と言えます。
監督:大谷健太郎 出演:椎名桔平(志方大介)、中谷美紀(宝田真智子)、妻夫木聡(佐々木健二)、田辺誠一(久津内守)、八嶋智人(横山宏紀)、伴杏里(今井優子)、ほか
映画「約三十の嘘」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「約三十の嘘」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「約三十の嘘」解説
この解説記事には映画「約三十の嘘」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
約三十の嘘のネタバレあらすじ:3年振りの再会
出発前のトワイライトエクスプレスに次々と男女が集まります。彼らは3年振りに仕事をするために集まった詐欺チームでした。女性である宝田真智子(中谷美紀)は最近一緒に仕事をしている横山宏紀(八嶋智人)と一緒に電車に乗り込みます。
横山はチームのメンバーに会うのは初めてで、伝説の詐欺師である志方大介(椎名桔平)と仕事をするのを楽しみにしていました。しかし初めて会った志方はうだつの上がらない冴えない詐欺師に変貌していました。
しかもチームのリーダーであった志方は単なる駒として動く詐欺師となり、新しいリーダーには、詐欺師にしては人の良すぎる久津内守(田辺誠一)に変わっており、宝田に「話しが違う」言ってふてくされます。宝田は3年前の事件が志方を変えてしまったと言います。
約三十の嘘のネタバレあらすじ:3年前の出来事
チームは3年前に大きな仕事をして成功していましたが、仲間の裏切りに遭い、それからチームを結成することはありませんでした。チームの 人選をしていたのは当時リーダーだった志方であり、人を見る目がなかったとチームのメンバーである佐々木健二(妻夫木聡)に非難されます。
実は佐々木はずっと志方の鮮やかな仕事振りに憧れていましたが、いつまでも3年前のことに拘り、落ちぶれている志方のことを軽蔑していたのでした。
仕事の打ち合わせをトワイライトエクスプレスの個室でしていましたが、突如として予想外の人物が乗り込んできます。
約三十の嘘のネタバレあらすじ:裏切り者、今井
チームの新しいリーダーである久津内は一人の女性を車内に招き入れます。その女性は3年前にチーム内の一人の男性と一緒にチームを裏切り、現金を持ち逃げした張本人でした。
女性の名前は今井優子(伴杏里)で、彼女は結局自分もパートーナーに騙されたから、また一緒に仕事をさせてほしいと頼み込みます。今井に惚れている久津内は、許して仲間へ入れてほしいと頼みます。
宝田は怒り、一度チームを裏切った今井を責めますが、男性陣はか弱く若くて可愛い今井にめろめろで、仲間になることを許可します。宝田は呆れますが、渋々今井が仲間に加わることを許可します。
約三十の嘘のネタバレあらすじ:トランクのしかけ
チームの仕事は上手く行き、帰りのトワイライトエクスプレスに乗り込みます。チームのトランクには1億円相当の現金が入りました。チームの所有するトランクには仕掛けがあり、裏切り者が出ないように全員に鍵を持たせ、全員の鍵を回さないとトランクが開かないようになっていました。
その大事なトランクが帰りの道中なくなってしまいます。やっとトランクが見つかったと思ったら、トランクの中身は大量のジャガイモに変わっていました。
宝田はこの中に裏切り者がいると落胆し、みんなのトランクの鍵をゴミ箱に捨て、それぞれの部屋で手荷物検査をすると言い、部屋を出て行きます。志方はのど飴を落としたと言って一番最後に部屋を出ます。
約三十の嘘のネタバレあらすじ:裏切り者は誰?
手荷物検査が済んだ後、志方と佐々木は車内のレストランで顔を合わせます。実は志方と佐々木は組んでいました。トランクは実は二つあり、現金の入ったトランクは二人で持ち出していました。二人は次の駅でトランクを持って逃げる予定でした。
志方は宝田が捨てたみんなの鍵を、隙をみて拾っていました。佐々木はそれを受け取り、自分の部屋でトランクを開けます。大量の現金を前に佐々木は喜びますが、すぐに虚しくなります。本当は志方の下で生き生きと仕事をしていた時が一番楽しかったと気がつきます。
現金を部屋に残したまま、食堂車で酒をあおる佐々木を見かけた宝田は、酔った佐々木の態度から真相を知ります。佐々木と現金のある部屋に行きますが、既にトランクは空っぽでした。志方が本当に組んでいたのは今井だったのです。
志方と今井は次の駅で降りようと相談していました。今井が去ったあと、一人でいた志方を見つけた宝田はあえて裏切りに触れず、今井が残した缶コーヒーから、志方の相棒が今井だと知ります。
約三十の嘘の結末:お金よりも大切なもの
現金を自分の荷物に積んで降りようとしている今井を宝田は捕まえます。そして意外なことを彼女に言います。お金を持って駅へ降りてくれと。意外に思う今井に宝田は「私はお金よりも仲間と一緒に仕事することが大事。特に志方は私にとって大切な存在だから、連れて行かないで。」と頭を下げます。
今井は呆れて、今までの演じていたか弱い女性とは違う口調で「そんな甘いんじゃ、詐欺師じゃない!」と宝田はなじります。それでも頭を下げる宝田に呆れて、今井は一人で現金を持って列車を降ります。
待ち合わせに訪れた志方を宝田は止めます。出来損ないの詐欺師をやっている自分が嫌になったのに、宝田のことが気になって、呼ばれればチームに加わってしまう自分が嫌になったと志方は言います。そんな志方に宝田は優しくキスをします。これからも一緒に仕事をしようと言う宝田に、志方は頷きます。
チームは仕切り直して、志方をリーダーとしてまた新しい仕事に着手します。一方、現金を持ってタクシーに乗り込んだ今井は、運転手に何か悲しいことがあったのか聞かれます。今井は「全て私の思い通りになったから、いいことがあったの。」と言います。運転手はそれにしては悲しい顔をしていると言います。
今井は現金を手にしたものの、仲間を裏切った孤独と、本当に志方のことが好きだった自分の気持ちに気づいて涙します。
以上、映画「約三十の嘘」のあらすじと結末でした。
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