富江VS富江の紹介:2007年日本映画。二人の“富江”が対決する。グロテスクで切ないサスペンスホラー。富江の出生の秘密が明らかに?!映画版『富江』シリーズ7作目にして完結編。
監督:久保朝洋 出演者:あびる優(富江/尚子)八戸亮(梅原一樹)、松岡恵望子(富江)、三浦誠己(岸田)、菅原大吉(藤田)、長江英和(大城)
映画「富江VS富江」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「富江VS富江」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
富江VS富江の予告編 動画
映画「富江VS富江」解説
この解説記事には映画「富江VS富江」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
富江VS富江のネタバレあらすじ:起
赤ちゃんの幼い腕に注射器が刺さり、悲痛な叫び声が響いて物語は始まります。その後、泣きぼくろがある6〜7歳くらいの少女が登場します。その子はかわいい容姿をしていますが、衰弱している鳥めがけて石を叩きつけて殺してしまうのです。痛みに鈍感で無反応な彼女は人の気配を感じ、自分と双子のように瓜二つの少女に出逢いました。梅原一樹は恋人、尚子を目の前で何者かに殺されて以来、精神的な症状があり、心理カウンセリングを受けていました。彼はある日、尋ねた心療内科のカウンセラーに知り合いから仕事も紹介してもらったし、不眠や悪夢等の症状も半年が経って緩和してきたから治療を今日でやめたいと相談します。カウンセラーの女医は、日常の中でフラッシュバックや記憶障害が表れないか心配しますが、梅原は自分はもう大丈夫だと言って病院を後にしました。その途中、彼は独り言を呟く怪しげな不審な風貌の中年男と出くわします。逃げる様にその場を去った一樹ですが、彼こそがこの物語のキーパーソンなのです。
富江VS富江のネタバレあらすじ:承
新生活が始まり、マネキン制作工場に勤務が決まった一樹は先輩の岸田から仕事を教えてもらいながら真面目に熱意ある姿勢で取り組みます。彼の仕事はマネキンを組み立てるだけでなく、パーツごとに彩色したり、磨かなければなりません。彼の姿を工場の向かいの2階にある建物から双眼鏡で覗く女性がありました。彼女の目には泣きぼくろがあります。その女性、富江は工場長の藤田に「新入り?様子を見てうちに連れてきて、退屈なの」と言います。そして、「例の件どうなったの?」と尋ね、何も進展がないと知って起ります。夜中に富江が顔の崩れた女性と体がくっついていて、彼女は岸田に早く体を切り離すよう、命令口調で懇願します。実は富江は彼は躊躇うことなく、刃物でその体を切り離し、富江は悲鳴を上げました。顔が焼けただれたほうの見知らぬ女は遺体となって岸田に燃やされてしまいます。彼は残った富江の頭部を大切に抱えているのでした。後日、先輩の岸田からこの工場にいる本当の工場長の裏事情を今日の仕事が終わって呑んだ時に話すとこっそり言われましたが、工場長の藤田から会わせたい人がいると言われた為、次の機会にと断ります。藤田工場長は、この工場の本当の社長だと言って、一樹を2階の建物へ連れてゆきます。そこには大城という大柄でごつい顔つきの従業員も同席していました。富江という名のその「社長」は一樹の亡き恋人、尚子に瓜二つで、一樹は驚愕し、戸惑います。一方でその様子をこっそり一樹の後をつけて盗み聞きする岸田。富江は一樹を誘惑するように迫ってきた為、一樹は困惑してその場を逃げる様に去ってゆきました。翌日、富江があの部屋に監禁されて工場長や大城に性的な目で見られてセクハラを受けているから助けようと話を持ち掛けられる一樹は、一人でやって下さい、と岸田を相手にしませんでした。不意に、彼は仕事中に岸田に背後から何かで打ち据えられて気絶し、富江の部屋へ運ばれてゆきました。富江は岸田が言っていたように、ここで男達に監禁されているから助けてほしいと一樹に助けを求めます。
しかしどうもわざとらしく、また、富江の容姿が尚子に瓜二つなので一樹は混乱して富江を突き飛ばします。
富江VS富江のネタバレあらすじ:転
その頃、岸田は工場長と大城に富江に利用されてるだけで何の報酬もない、悔しくないのか?と激しく問い詰めます。しかし、大城と工場長は富江の洗脳の影響で岸田よりも富江を信用していました。工場の「社長」の富江と、岸田が密かに育ててきた富江は、顔が崩れ、ケロイドのような傷跡がありました。2人は完全な自分を手に入れる為に「富江」になるべくして造られた特別な血液を欲しがっていて、そのためにお互いを殺そうとしていたのです。岸田は自宅で一緒に暮らすもう一人の富江を向上へ連れてきます。岸田が連れてきた富江は大城の心を鷲掴んでしまい、「社長」の富江を狙い、2人の富江は殺し合いのバトルを始めたのです。一樹は再びカウンセリングを受けます。「尚子の記憶が思い出せない。ようやく日常を取り戻せたと思っていたのに」とカウンセラーに心の声をぶつけます。カウンセラーは尚子の事について一樹にもう一度思い出すよう伝えると一樹は「先生も僕がおかしいと疑うんですか。僕は病気じゃない。尚子は死んだんだ」と感情的になってしまいます。再び、カウンセリングの帰りに不気味な男に出逢います。彼は富江と一樹の事を知っていることを伝えますが、一樹は見覚えがありません。ふと、火災を知らせるサイレンの音がして、一樹は走り去って工場へ戻ります。岸田の元で暮らした富江は「社長」富江に穴の中に突き落とされ、灯油を体に浴びせられたのちにマッチの火をつけられて焼き殺されます。工場長と岸田も富江を奪い合って殺し合いとなり、2人とも死亡します。工場へ到着した一樹は尚子にそっくりの「社長」富江を救い出し、自宅のアパートに連れて帰ります。その富江の首にもやはりケロイドのような傷跡がありました。手当てしようとする一樹に「もう何もかも全部おしまい」と言って鏡を床に叩きつけます。そして、自分の死を悟った富江は一樹に抱きついて泣きました。あの不気味な男が一樹の自宅の固定電話にかけてきて、「尚子は生きている。尚子が死んだ場所に来い」と呼び出されます。富江は一樹の家にある尚子の形見の純白のワンピースを勝手に着ます。一樹は当然怒りますが、富江は一樹の部屋にある尚子の祭壇を見て言います。「私が探していたのはこの女。この女こそ富江で死んだはずがない!」と。一樹は何かがあるのではないかと思ったのか、富江を連れて尚子が殺された現場へ向かいました。
富江VS富江の結末
不気味な男は一樹と富江に過去を語ります。彼はかつて医師で、富江に魅せられた彼は、生まれたばかりの赤ちゃんを実験台のように扱い、何人もの新生児に富江の血液を注射することでたくさんの富江を作ってきたというのです。そして、一樹の隣にいる富江と彼女が焼死させたもう一人の富江は、彼によって注射されたことがありました。富江は泣きぼくろと美貌のある女の子に成長しますが、人間の血液も含まれている為、後々に顔の美しさが崩壊する後遺症のようなものを抱えていたのです。工場にいた富江は最後の複製品だったのでした。一樹は尚子と名乗ったオリジナルの富江と恋人関係でした。彼女に他に男が出来た時、彼女を殺したのは一樹自身だったのです。その現実を葬り去って記憶に蓋を閉じ、尚子は誰かに目の前で殺されたという妄想の中に生きていたのでした。富江は中年男を刺し殺し、一樹に「ずっと一緒にいたかった。でももうおしまい、地獄で待ってる」と切なく告げて自らに火をつけて焼身自殺します。自分の命のタイムリミットが近づいていることやその影響で顔が崩れてゆくことで限界を悟ったのでした。一樹は泣き叫び、記憶が蘇って叫びます。一樹は唐突に苦しみ悶えます。彼のお腹の中からなんと、富江が生まれたのです。一樹の体内に密かに生息していて、一樹が尚子の祭壇に向かって「ずっと一緒にいよう」と約束したように、初めから「ずっと一緒にいた」のです。一樹は息絶えて焼身の富江が新たな富江を見て「と・・・み・・・え」と呟き、燃え盛ります。
この映画の感想を投稿する