映画「マイホームヒーロー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マイホームヒーローの紹介：2024年日本映画。原作・山川直輝、作画・朝基まさしによるクライムサスペンス漫画『マイホームヒーロー』。本作は佐々木蔵之介主演で2023年に放映されたテレビドラマの続編となる劇場版で、ドラマ最終回から7年後を舞台に娘の恋人を殺した主人公が家族を守るために奮闘する姿、そして主人公に襲いかかる新たな危機を描きます。
監督：青山貴洋 出演者：佐々木蔵之介（鳥栖哲雄）、齋藤飛鳥（鳥栖零花）、高橋恭平（間島恭一）、宮世琉弥（大沢隼人／田字草）、板倉俊之（戸島）、大東駿介（薬師寺）、淵上泰史（竹田）、西垣匠（榎木）、金子隼也（南田）、立川談春（安元浩司）、神野三鈴（間島恵子）、音尾琢真（窪）、津田健次郎（志野寛治）、木村多江（鳥栖歌仙）、石塚錬（鳥栖明）ほか
この解説記事には映画「マイホームヒーロー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
7年前、おもちゃメーカー「HOLIDAY HOBBY」に勤めるごく平凡な会社員・鳥栖哲雄は娘・零花の恋人だった麻取延人を殺害しました。延人は半グレで過去に殺人を犯しており、零花にも手を出そうとしていたことから、哲雄は零花を守るために延人を殺したのです。
哲雄はこのことを知った妻・歌仙と共に延人の死体を処理して消したのですが、半グレ集団「間野会」の一員で延人の仲間だった間島恭一に延人殺しを疑われ、家族は間野会に追い詰められたことから、哲雄は恭一を延人殺しの犯人に仕立てあげたのです。ところが、延人の父で間野会上層部の麻取義辰は息子の死を知り、自ら命を絶って哲雄を殺人犯に仕立て上げようとしたのです。哲雄は御後山の山中に義辰の死体を埋めました―――。
―――それから7年後。零花は警察官となり、哲夫と歌仙の間には5歳になる息子・明が誕生していました。ある日、台風の影響により御後山で土砂崩れが発生し、ニュースでそのことを知った哲雄は義辰の死体が出てないかと確認に向かいました。そこに哲雄の亡き父の部下だった犯罪組織対策部の刑事・安元浩司が現れ、哲雄はバードウォッチをしているとごまかしましたが、警察は崩れた土砂の中から白骨化した死体を発見していました。安本は哲雄が死体の埋まっていた場所を見つめていたことを怪しみ、一方の哲雄は歌仙に自身に捜査の手が及ぶかもしれないと告げました。
義辰の死体が発見されたという情報は間野会にも知れ渡っていました。間野会のボス・志野寛治は特殊詐欺をしていた義辰が持っていた10億円の回収と逃亡中の恭一の身柄確保を部下に命じました。部下のひとりである竹田は、恭一は哲雄が延人を殺したと疑っていると証言しました。
哲雄は推理小説を書くことを趣味としていました。哲雄のもとに小説の読者である「田字草（でんじそう）」と名乗る人物から「死体見つかっちゃいましたね。9時51分。明日の月は綺麗でしょうね」とメールが送られてきました。その後、哲雄のもとに志野から電話があり、延人と義辰を殺したのも10億円も持っているのも哲雄だと問われました。哲雄は否定しましたが、その直後に哲雄の自宅は何者かに放火されて全焼しました。家にいた哲雄・歌仙・明は脱出して無事でした。
哲雄たち3人は零花のアパートに身を寄せることにしました。哲雄は田字草からのメールは警告であり、「明日の月は綺麗でしょうね」は「殺す」、「9時51分」は「放火」を意味するものだと解読していました。哲雄は間野会は再び自分たち家族を狙っていると察しました。零花は犯罪組織対策部の榎木刑事に実家が放火された際の付近の防犯カメラの映像の解析を依頼しました。
哲雄の会社に志野たちが乗り込んできました。哲雄は改めて疑惑を否定しましたが、志野は義辰の部屋にあった10億円を金曜までに持ってくるよう命じ、できなければ家族を殺すと脅してきました。
哲雄はメールを送った田字草、本名・大沢隼人に会いました。大沢は7年前に哲雄が義辰の死体を運ぶのを目撃しており、「10億円を返しても間野会は許さない。家族を守るなら間野会を潰さなければならない。間野会を潰す資料を持っている」と告げました。
安元は零花を呼び出し、恭一の素性を明かすと7年前の状況を聞き出しました。その後、安元は哲雄に電話をかけ、全部零花のためにやったのだろうと話すと、ここから先は警察の仕事だと告げました。哲雄は零花に全てを話すので待ってほしいと答えました。その頃、哲雄の自宅付近の防犯カメラの映像から間野会の殺し屋・窪の姿が発見され、榎木は窪が放火犯だと断定しました。
安元は部下の薬師寺に哲雄は明日出頭すると告げ、間野会を潰すと改めて宣言しました。ところが、薬師寺は裏で間野会と繋がっており、安元は薬師寺が呼び込んだ間野会の者に殺害されてしまいました。
一方、零花は哲雄のカバンに手作りのお守りをつけていました。哲雄は零花に全てを打ち明けようとしたその時、零花に安元が殺されたとの電話がかかってきました。零花は警察に向かい、哲雄は歌仙に明を任せると自分は間野会を潰すと決意を語りました。
零花は哲雄が事件と関係があるということで捜査から外されましたが、事件対策会議を盗み聞きし、哲雄と間野会に因縁があることを知りました。零花は恭一の実家に行き、恭一の母・恵子から息子を探してくれるよう依頼されました。
その頃、哲雄は大沢の家にいました。ハッキングが得意な大沢は間野会に関する情報を大量に集めており、哲雄と大沢は一緒に間野会を潰そうと意気投合しました。哲雄は大沢が持っている間野会の犯罪データをなぜ警察に渡さないのかと訊くと、大沢はそうしようとした人が殺されたと答えました。
一方、零花は安元が遺していた資料をもとに恭一の潜伏先を割り出し、恭一と対面しました。恭一は延人を殺したことを否定、延人は間野会の指示で零花と付き合ったことを告げると哲雄が延人を殺したことを示唆しました。零花は歌仙に電話し、歌仙もまた自分のために共犯者になったことを悟りました。恭一は零花に手を組まないかと持ちかけました。
哲雄は翌日に全ての決着をつけると決意し、パソコンに推理小説の最後の文章を書き込みました。哲雄は志野に電話をかけ、10億円を用意したこと、明日の12時に廃業した一星ホテルのロビーで待ち合わせようと呼びかけました。大沢は警察にこのことを伝えましたが、警察内の内通者により哲雄の計画は志野にバレてしまいました。そのことを大沢から知らされた哲雄は次の作戦を実行しようとしましたが、ホテルに窪たちが乗り込んできました。
零花が哲雄のカバンにつけたお守りにはGPSが仕込まれていました。零花と恭一はGOSを頼りに哲雄を探し、警察もホテルに乗り込みましたが、窪は次々と警官たちを射殺していきました。大沢は哲雄に、ジャーナリストだった父は間野会を潰す資料を持っていたものの警察に渡す前に窪に殺されたことを明かし、父のデータを警察に渡してくれるよう哲雄に頼みました。大沢はやってきた窪を父の仇と言って刺し、窪も大沢を刺しました。大沢は自分を置いて逃げるよう哲雄に告げ、哲雄は窪のスマホを奪って逃げました。零花が駆けつけた時には既に大沢と窪は絶命していました。
哲雄は恭一と対面し、土下座して謝罪しました。恭一はお守りのGPSのスイッチを切り、志野に延人を殺したことを白状しろと脅しました。恭一は窪のスマホで志野に電話をかけ、窪は死んだこと、哲雄を連れてくるのでまた仲間にしてくれと頼みました。
哲雄と恭一のもとに志野が現れました。志野は歌仙と明を捕らえており、哲雄に金の在処を吐くよう脅しました。哲雄は志野と恭一を金の隠し場所である浜辺の小屋に案内しました。小屋にはケースに入った10億円が手つかずのままありました。
志野は恭一に褒美として札束を渡し、恭一は見張りを呼んでくると小屋の外に出ました。哲雄は志野に歌仙と明を解放するよう要求しましたが、志野は哲雄にも苦しみを味合わせてやると部下に歌仙と明を殺すよう電話をかけました。しかし、哲雄はこの小屋は電波が通じないことを告げ、あらかじめ用意していたガソリンを小屋内にまき散らしました。恭一は小屋のドアを塞いでおり、哲雄は志野を道連れに死のうとライターに火をつけました。
恭一はGPSのスイッチを入れ、零花はGPSの情報を元に小屋に駆けつけました。零花は小屋に突入し、志野に銃を向けましたが、志野は哲雄を人質に銃を捨てるよう迫りました。しかし、哲雄は密かに発煙筒を隠し持っており、零花は発煙筒を点火させてガソリンに投げ入れました。小屋と札束は炎に包まれ、哲雄と零花はその場から逃げました。
恭一は志野のアジトに行き、歌仙と明を脅していた薬師寺を倒すと二人を解放しました。恭一は哲雄から頼まれたとして、大沢のデータを警察に渡してくれるよう歌仙に託して去りました。その頃、零花は父のことを何も気づいてあげられなかったと悔むと、自分が哲雄に代わって家族を守ると約束しました。哲雄は正直に延人を殺したことを白状し、零花は泣きながら哲雄に手錠をかけました。
零花の上司である戸島刑事は哲雄に、大沢のデータには間野会を潰すのに必要な物が全て入っていた。こと、志野は刑務所から出ることはないと話しました。恭一は実家の恵子の元に戻りました。
零花と歌仙は哲雄が最後に投稿した文章を読みました。「本当に男は家族を守ったのだろうか。愛する家族を守るとは、いつも一緒にいるということではないのかもしれない。家族を手放すことも、守る事なのだと思う。だからこれで夫を、父親を卒業しよう。男は天に向かって叫んだ。いつか、全てが赦される日が来るだろうか…」
刑務所で服役している哲雄に零花から手紙が届きました。それは「世界で一番好きなお父さん」と書かれており、零花が父を持ち上げ、歌仙と明が支えるポップアップでした。哲雄は天を仰いで泣きました。
以上、映画「マイホームヒーロー」のあらすじと結末でした。
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