フロム・ヘルの紹介:2001年アメリカ映画。有名な切り裂きジャック事件をモチーフにしたミステリー映画で、ジョニーデップがアヘンの中毒者でありながら幻覚を用いた捜査をする警部を演じています。
監督アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ 出演:ジョニー・デップ(フレッド・アバーライン警部)、ヘザー・グレアム(メアリ・ケリー)、イアン・ホルム(ウィリアム・ガル卿)、ジェイソン・フレミング(ネトレイ)、ロビー・コルトレーン(ピーター・ゴットレイ)ほか
映画「フロムヘル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フロムヘル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フロムヘルの予告編 動画
映画「フロムヘル」解説
この解説記事には映画「フロムヘル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フロムヘルのネタバレあらすじ:娼婦の殺害
ヴィクトリア朝時代のロンドン、その街角に美しい赤い色の髪をしている娼婦が立っていました。彼女には5人の娼婦仲間がおり、彼女らは元締めの金銭吸い上げに苦しみながらやっとの思いで毎日を過ごしていました。しかし、その中の娼婦が切り裂きジャックという連続殺人犯に殺されてしまうという事件が起こってしまいます。
フロムヘルのネタバレあらすじ:フレッド警部
この事件を担当するのがフレッド警部で、彼はアヘンを吸いながら幻覚を見て事件を解決することを得意とする人間でした。被害者の娼婦は無残な殺され方をしており、警部の仲間は恐れおののきますが、フレッド警部がみた幻覚は違う女性でした。そのため、彼は第二の事件が起こると確信します。そのとき、娼婦仲間はこの事件が元締めによる見せしめであるという結論に至っており、解決するには商売を行うしかないと思っていました。しかし次の事件がすぐさま起こってしまいます。その被害者の口には貧民ではとても高価すぎて買えない葡萄の軸が残っていました。フレッド警部は何者かによる仕業だと確信し、警視総監に伝えます。しかし警視総監は貧民である娼婦の事件解決に前向きではありませんでした。
フロムヘルのネタバレあらすじ:メアリーとフレッド警部
フレッド警部は娼婦の葬式に立ち会い、娼婦から何かを聞き出そうとしますが、彼女らは警察に協力的ではありませんでした。それでもその中の一人、赤い髪をした娼婦のメアリーはフレッド警部と惹かれ合っているのを実感します。
フロムヘルのネタバレあらすじ:紳士による殺害
ロンドンのある邸宅では紳士が手術道具をカバンに忍ばせ、馬車で外出をしました。そこに娼婦が通りかかったので娼婦を自分の邸宅に送ると、彼女を殺害してしまいます。第三の事件が起こり、刑事たちも戦々恐々になっていました。フレッド警部はこの彼女こそが幻覚で出てきた女性であり、彼女は儀式殺人に使われたと確信します。さっそく警視総監に対して外科医の助けが必要だと言いますが、彼は取り合ってくれません。そこでフレッド警部は自分の知り合いである王室の侍医に助けを求めます。
フロムヘルのネタバレあらすじ:侍医の結論と公安部
侍医はこの殺人が教養があり、高貴な人間の仕業であると結論づけます。そして公安部の繋がりを知ったフレッド警部は巡査部長の協力を経て公安部へ潜入、資料を取ることに成功します。その資料にはアンとアリスという娼婦についての情報が載っていました。その情報を調べるためにメアリーへ問いただすと、娼婦の一人であるアンがアルバート公という金持ちと結婚したことを知ります。フレッド警部はアルバート公こそが切り裂きジャックであると推論しますが、アルバート公は梅毒にかかっており殺人を犯す体力はないということが判明します。
フロムヘルのネタバレあらすじ:フリーメイソンの儀式
ロンドンの地下ではフリーメーソンの儀式が行われており、そこでは警視総監と公安の人物が彼らの儀式を覗いていました。そんな中でも娼婦の殺人事件はたて続けに起こり、現場にはユダヤ人に文句があるのかという文字が残されていました。その文字はスペルが違っており、フレッド警部は写真に収めようとしますが警視総監は証拠を隠滅、フレッド警部はその行為を抗議し、彼は停職処分にされてしまいます。
フロムヘルのネタバレあらすじ:犯人の正体
その時間を持て余さずにフレッド警部は図書館へ行き、フリーメイソンについての書物を読み漁ります。そしてたどり着いた結論のもと彼は知り合いの侍医のもとへと行きます。侍医は以前のような姿ではなく、目を真っ黒にさせてフレッド警部に言います。自分が20世紀を生んだということを後世の人間が明らかにするだろうと。この侍医こそが切り裂きジャックだったのでした。フレッド警部は彼に襲われ、気絶をしてしまい、その間に切り裂きジャックは獲物である娼婦のもとへと行きます。
フロムヘルの結末:フレッド警部の最期
気絶から復活したフレッド警部は彼が向かった先はメアリーのもとかもしれないと思い急いで現場へと向かいますが、犠牲者は他の娼婦でした。メアリーは一足先に故郷へと帰っていたのでした。フレッド警部は安心するも、そこにいた警視総監がフリーメイソンの指輪をつけていたため彼に逆上し、怒ってしまいます。しかし警視総監は彼に対して職場復帰と昇任を約束します。一方殺人を犯した侍医はフリーメイソンから見放され、精神不安となり精神病院へ収監されます。数年後、フレッド警部は人里離れたアヘン窟で死亡しているところを発見されたのでした。
有名な切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)事件を忠実に再現+新たな犯人で見事に映画化した作品です。
アバーライン警部を演じるジョニーデップが色気たっぷりです。
映画を見慣れている人であれば、犯人明かしの前にある程度目星がつくかと思いますが、この時代のイギリスの陰鬱さや当時の風俗描写は見てて飽きさせません。
伝えられている事件の状況(被害者の殺され方や現場に残されたもの)なども徹底して再現されていますので、事件の概要を調べてから見ても面白い映画です。
ラストはビターエンドで個人的には好きな終わり方です。