故郷(ふるさと)への長い道/スター・トレック4の紹介:1986年アメリカ映画。スタートレックシリーズ4作目。前作品とは全く違いコミカルなテンポの作品。20世紀になじめない感じがとっても面白いです。23世紀ではクジラが絶滅している設定ですが、これも捕鯨問題に触れているので日本人としては複雑な気持ちにもなります。
監督:レナード・ニモイ 出演者:ウィリアム・シャトナー(カーク提督)、レナード・ニモイ(スポック)キャサリン・ヒックス(テイラー博士)、ウォーター・ケーニッヒ(チェコフ)、ディフォレスト・ケリー(Dr.マッコイ)
映画「故郷への長い道/スター・トレック4」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「故郷への長い道/スター・トレック4」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「故郷への長い道/スター・トレック4」解説
この解説記事には映画「故郷への長い道/スター・トレック4」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
故郷への長い道/スタートレック4のネタバレあらすじ:起
クリンゴン軍の宇宙船を奪い取ったカークたちはヴァルカン星に滞在しながら地球へ帰るために宇宙船の修理をしていました。奪い取った宇宙船を『バウンティ』と名付け、バウンティで地球に向かうと、『地球に戻るな』という情報を受信します。とても強い電波でイオン化され、すべてのシステムが停止しているからでした。その宇宙探査機が送り続けている電波の情報を探ると、ザトウクジラの声だとわかりました。その探査機はザトウクジラとの交信を望んでいるが、23世紀の現在、ザトウクジラは全滅していて交信できないため、このままでは地球が危険だと判断したカークは20世紀にタイムトラベルをし、ザトウクジラを23世紀に連れて帰ることにしました。
故郷への長い道/スタートレック4のネタバレあらすじ:承
20世紀後半のサンフランシスコに到着。新聞を買うのも、バスに乗るのもお金がかかるため、カークはドクターからもらった誕生日プレゼントの老眼鏡を質屋にいれ、100ドルをみんなで分け、クジラの捕獲担当、水槽の手配、帰路に就くためのエネルギーを手配するチームに分かれました。クジラの捕獲のためクジラ博物館へ向かうカークとスポック。スポックは早速水槽に潜り、クジラと交信しますが、テイラー博士に見つかり、二人は博物館を追い出されました。追い出された二人はテイラー博士と話すことができ、自分がかわいがっていた2頭のクジラが近々海へ戻されてしまうことを彼らに伝えました。スポックはクジラが妊娠していることを博士に伝えると、誰にも伝えていない事実をどうして知っているのかと問い続けました。彼らが23世紀からやってきて、クジラが絶滅していることを伝え、23世紀にクジラたちを連れて帰り繁殖させると約束し、協力してもらうことになりました。
故郷への長い道/スタートレック4のネタバレあらすじ:転
ところが、博物館のクジラの海に放す時間を博士に内緒で前日に変更して彼女の居ぬ間に勝手に逃がしてしまったスタッフ。彼女は慌ててカークのところへ行き、2頭のクジラを助けてほしいと頼みます。しかし、彼はすぐに助けたいが、原子炉に潜入し、エネルギーを確保に向かっているチェコフがまだ宇宙船に戻っていないため、ここから動けないと博士に伝えます。チェコフの転送が間に合わなかったため、不法侵入者として追い詰められたチェコフは高いところから落ちてしまい、危篤状態で病院に入院しているという情報がはいりました。20世紀の医療ではチェコフは助からないとマッコイが言うのでテイラー博士に協力してもらい、マッコイとカークと博士で病院にチェコフを助けに向かいました。病院に医師として潜入した3人。チェコフの手術前に何とか間に合い、彼を救うことに成功しました。23世紀の医療は20世紀よりはるかに上であっという間に治してしまいました。
故郷への長い道/スタートレック4の結末
テイラー博士の協力もあり無事にチェコフを助け出すことができたカークはテイラー博士とお別れをし、クジラの救助(捕獲)に向かおうとしました。しかし、テイラー博士はクジラのために一緒に23世紀に向かう決意をし、宇宙船に乗りました。博士のかわいがっていたクジラたちを捕鯨船に襲われる前に救出することができ、無事に23世紀に戻ることができたカークたちでした。そして、クジラたちを海に戻し、探査機もクジラの無事を確認できたので帰ってくれました。審議の結果、カークは提督から船長へと降格になりましたが、これからの活躍を期待された降格となったのでした。
「故郷への長い道/スター・トレック4」感想・レビュー
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スタートレックと言えば、テレビドラマ時代から社会問題を取り上げることで知られていましたが、この作品でも捕鯨問題を上手に取り上げていると感心しました。また、この作品ではタイムワープをするのですが、劇中の現在である23世紀から劇中の過去である20世紀にやって来る設定なので、実際の当時の現在が舞台になっていたのが、タイムスリップの使い方を逆手に取っていて面白く感じました。個人的に、この映画の気に入ったところは、カークやスポック達の活躍で難題な任務を遂行するというストーリーもさることながら、20世紀の病院で人工透析を受けている患者に23世紀の薬を渡してあっさり治してしまうシーンや機関主任のスコットが20世紀のコンピューターに話し掛けるシーンなどのメンバー達が20世紀の遅れた文化に戸惑うところがとても面白かったです。
2017年10月に地球に最接近した、太陽系外からやってきた葉巻型の小惑星「オウムアムア」のニュースを聞いたとき、この映画がすぐに浮かびました。23世紀の地球に災禍をもたらす謎の探査機です。スター・トレックの予言、そう想わせるほど、オリジナルメンバーによる映画作品では、これが一番です。
謎の探査機から23世紀の地球を救う鯨をもとめて、20世紀のわれわれの世界にタイムトラベルしたカーク艦長らは、グループに分かれて、任務を分担遂行する。その各自の行動・会話が、実におかしく、ウィットに富み、掛け合いが微笑ましい。メンバーの一人一人に親近感を抱かざるを得なくなります。頂点は、病院からのチェコフ救出作戦でしょうか。抱腹絶倒といってよいほどの面白さ、楽しさに満ちています。こんなスター・トレックもあり。そして、エンタプライズ号が全く活躍しないのです。シリーズ上異色な作品と言ってもよいのですが、愛すべき、紛れもないスタートレックの傑作です。