ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝の紹介:2008年アメリカ映画。人気ミイラ映画の第3弾で、今作では前二作でのエジプトから舞台を中国に移し、不死の力を求める皇帝とリック夫妻の戦いが描かれます。
監督:ロブ・コーエン 出演者:ブレンダン・フレイザー、マリア・ベロ、ルーク・フォード、ジョン・ハナーほか
映画「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」解説
この解説記事には映画「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝のネタバレあらすじ:不死の力と陶器となる皇帝
今から約2000年前の中国、強大な力を有した皇帝は、不死の力を手にいれようと、魔術師の女性と将軍をシルクロードへと派遣します。彼らは不死の力を手に入れますが、やがて恋に落ちてしまいます。その事実を知った皇帝は女性の前で将軍を残忍な刑罰で処刑します。それを見た女性はショックのあまり皇帝と彼の家臣たちを陶器に変えてしまいます。
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝のネタバレあらすじ:上海へ飛ぶリック夫妻
そして現代、第二次世界大戦が終わり、イギリスに住むリック夫妻は、博物館からシャングリラの眼を返還するよう上海の博物館に言われ、中国へと旅立ちます。リックの息子であるアレックスは親に内緒で大学を中退し、代わりに中国で皇帝陵の発掘を行っていました。上海についたリックたちは、エブリンの兄であるジョナサンが経営するイムホテップと呼ばれるバーで息子のアレックスに再会します。
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝のネタバレあらすじ:将軍の企み
そんなとき、上海の博物館館長は中国を最強国にしようと企む将軍とともにシャングリラの眼を使い、皇帝を現代に蘇まらせようとしていました。リックは阻止しようとしますが、あと一歩のところで皇帝は復活してしまい、将軍とともに逃亡します。皇帝陵を守ってきた一族の女性は、アレックスに皇帝がシャングリラの泉の水を飲むことで完全に軍隊が復活することを警告します。
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝のネタバレあらすじ:皇帝の復活
そこでリックたちはシャングリラがあるヒマラヤへと飛びます。そこでは皇帝が待っており、皇帝の剣によりリックは重傷を負います。そして現れた女性がかつての魔術師の女性でした。彼女はシャングリラの泉の水を使ってリックを回復させます。しかし、それは同時に皇帝の完全復活を意味していました。皇帝は復活をすると、皇帝陵へいき、自らの軍を復活させます。
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝のネタバレあらすじ:皇帝軍と魔術師の戦い
魔術師の女性はそれに対抗するため、万里の長城の地下に埋まっている兵士たちを生き返らせ、皇帝軍と戦います。戦いの間魔術師の女性は皇帝の剣をリックに渡し、死亡してしまいます。リックたちは剣を受け取ると、皇帝と戦います。
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝の結末:新たなミイラの発見
なんとか皇帝を倒したリックは、上海へと戻ります。エブリンの兄であるジョナサンはバーのイムホテップをリックの友人に譲り、自らはシャングリラの眼でビジネスをしたいとペルーに飛びますが、そこで新たなミイラが見つかってしまいます。
この作品では、舞台をシリーズ当初のエジプトから中国に移していますね。
こうなると、もはやなんでもアリ。ついに、このシリーズの邦題の「ハムナプトラ」って、何の意味もなくなったんですね。
シリーズのヒロインを演じていたレイチェル・ワイズが、残念ながら降板し、マリア・ベロが後を引き継いだが、主人公を演じるブレンダン・フレイザーはもちろん、へっぽこジョン・ハナーも復帰。加えて、これが大事なところなのですが、なんとジェット・リーが悪役で、ミシェル・ヨーも出演。監督も正続を手がけたスティーヴン・ソマーズから、たまには失敗作もあるとはいえ、娯楽映画を撮らせて信頼の厚いロブ・コーエンに交代。
この出演者、この監督ならと、とりたててシリーズへの興味は特にないのですが、一見の価値はあるかなと思って鑑賞しました。
このシリーズは、そもそもはユニバーサル・ホラー「ミイラ再生」のリメイク製作を発端にしています。だが、これまでも、そんな源流はどこへやら、自由に脚色・展開されてきました。
もちろん、インディアナ・ジョーンズに代表されるような、クラシカルな冒険活劇を手本にしているには違いないのですが、なにしろ1999年、つまり、スターウォーズで言えば、新三部作のスタートした夏に、第1作が公開されたという事実が象徴的なように、CGを全面導入したダイナミックなVFXを売り物にしたファンタジー要素が大胆に融合されているところが、他の映画とは異なる個性になっていますね。
いろいろ変化はあったとはいえ、この作品も基本的な路線は同じ。
ドラゴン好きのロブ・コーエン監督が、手綱を握ったこともあってか、悪役ジェット・リーは、当然のごとく凶悪(だがどこか愛嬌のある)ドラゴンに変身し、砂塵の中をミイラの大軍勢が激突する。
ジェット・リーにミシェル・ヨーという、素晴らしいアクションスターを迎えておきながら、VFXで埋め尽くされた画面の中で、我々映画ファンが、この2人に期待するような活躍と見せ場はそれほど多くない。
また、前作で誕生した息子が成長した設定で登場するのですが、主人公ブレンダン・フレイザーの大冒険というより、妻や息子も一蓮托生、「オコーナー家族の珍道中」とでもいうべきファミリー映画路線に舵を切った節がありますね。
それは興行的には意味があるのかもしれませんが、主要なキャラクターが増員した分だけ、描写が薄くなり、とっちらかっただけという印象を受けましたね。
前作までの、「サービス満点」といえば聞こえはいいが、切るところを忘れたかのように何でもかんでもてんこ盛りでお腹一杯という、スティーヴン・ソマーズ路線からは離れ、真っ当な娯楽活劇に仕上がっているとは思います。
しかし、前作までにあった、ある意味でヘンテコリンで荒削りなパワーというか、勢いのようなものは影をひそめています。
そうなると、これはこれで、とりたてて見所のない平凡な娯楽大作以上の何ものでもないわけで、微妙な感じがしますね。