イレブン・ミニッツの紹介:2015年ポーランド,アイルランド映画。ポーランド・ワルシャワを舞台に、午後5時から5時11分までの11分間に起こった、訳ありの様々な登場人物たちによるそれぞれのドラマを織り交ぜた群像劇スタイルのサスペンス作品です。
監督:イエジー・スコリモフスキ 出演者:リチャード・ドーマー(リチャード(映画監督))、ヴォイチェフ・メツファルドフスキ(ヘルマン(夫))、パウリナ・ハプコ(アニャ(妻))、アンジェイ・ヒラ(ホットドッグ屋の主人)、ダヴィド・オグロドニク(バイク便の男)、アガタ・ブゼク(登山家の女)、ピョトル・グウォヴァツキ(登山家の男)、アンナ・マリア・ブチェク(医者)、ヤン・ノヴィツキ(画家)、ウカシュ・シコラ(少年)、イフィ・ウデ(犬を連れた女)、マテウシュ・コシチュキェヴィチ((犬を連れた女の)元ボーイフレンド)、グラジナ・ブウェンツカ=コルスカ(産気づいた女)、ヤヌシュ・ハビョル(瀕死の男)ほか
映画「イレブン・ミニッツ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「イレブン・ミニッツ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
イレブンミニッツの予告編 動画
映画「イレブン・ミニッツ」解説
この解説記事には映画「イレブン・ミニッツ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
イレブンミニッツのネタバレあらすじ:起
2014年11月7日、ポーランド・ワルシャワに午後5時を告げる時計塔の鐘の音が鳴り響きました。鐘の音に目を覚ました、新婚夫婦の夫ヘルマン(ヴォイチェフ・メツファルドフスキ)は、妻で女優のアニャ(パウリナ・ハプコ)の姿が見当たらないことに気づき、慌てて彼女が向かったホテルへと急ぎました。その頃ホテルの1111号室では、アニャは映画監督のリチャード(リチャード・ドーマー)の面接に臨んでいました。離婚間もないリチャードが妻に手を出していないだろうかとヘルマンが心配するよそで、リチャードはアニャに役を与える見返りに肉体関係を求めるような素振りを見せ、困惑したアニャは気分が悪くなってしまいました。
時を同じくして、屋台のホットドッグ屋の主人(アンジェイ・ヒラ)は警察官から「学校にもう近づくな」と忠告を受けていました。どうやら主人は性犯罪歴があるようです。その後、5人の修道女にホットドッグを売る主人の前にひとりの少女が現れ、「もう出所したの?」などと言いながら主人の顔に唾を吐きかけて去っていきました。近くの公園で元ボーイフレンド(マテウシュ・コシチュキェヴィチ)と別れたばかりの犬を連れた女(イフィ・ウデ)は、ちょうど閉店間際だったホットドッグ屋で自分用と犬用の2本を注文しました。主人は「明日は息子が結婚するので休み」と話すと、屋台をホテル前へ移動させました。
イレブンミニッツのネタバレあらすじ:承
翌日に結婚式を控える、ホットドッグ屋の主人の息子であるバイク便の男(ダヴィド・オグロドニク)は、配達先で人妻とドラッグをキメながら情事に耽っていました。そこへ主人が帰ってきたので慌てて退散したバイク便の男は、意識朦朧としながらも次の仕事をこなし、店じまいしたばかりの父とホテル前で合流するとバイクの後ろに屋台を繋げました。
通報を受けた救急車は渋滞を潜り抜けて現場のアパートに急行しました。そこはエレベーターはなく、階段は住民たちの家財道具で塞がっていました。医者(アンナ・マリア・ブチェク)や救急隊員らは暴れて抵抗する男に麻酔を打ち、現場で産気づいた女(グラジナ・ブウェンツカ=コルスカ)と瀕死状態の男(ヤヌシュ・ハビョル)、ついでに暴れていた男をも救急車へと運び入れました。
その頃、リチャードらがいるホテルの別室では、登山家のカップル(アガタ・ブゼク、ピョトル・グウォヴァツキ)が仲良くポルノビデオを見ていました。すると部屋に1羽のハトが飛び込んできて、部屋の鏡にぶつかって割ってしまいます。幸いにも無事だったハトを登山家の男は外へ逃がしてやりました。登山家の男はビルのバルコニーのメンテナンスの仕事をしており、休憩時間が終わったと言うと、登山家の女はホテルを出てバス停に向かいました。登山家の男はベランダから外に停めてあったリフトに乗り込み、ガスバーナーに火を点けました。
イレブンミニッツのネタバレあらすじ:転
河原で風景画を描いていた画家(ヤン・ノヴィツキ)は、近く橋で映画の撮影が行われており、スタントマンが川に飛び込むシーンを撮っているところでした。風景画の右上部分には黒い絵の具が滴り落ち、帰り支度をした画家はバスに乗り込みました。
少年(ウカシュ・シコラ)は母親にビデオメッセージを残すと、盗みを働こうと質屋へ押し入りましたが、質屋の主人はトイレで首を吊って死亡していました。少年は結局何も盗まずに逃走、画家の乗るバスに乗りました。バスはホテル近くのバス停で、登山家の女とホットドッグを買った5人の修道女を乗せました。
その頃、ホテルの1111号室では、具合が悪くなって倒れ込んだアニャをリチャードが抱きかかえて介抱しようとしていました。そこへ堪りかねたヘルマンが廊下の消火器を持ってドアを突き破り、二人の姿に激昂して詰め寄ろうとしたその時、ヘルマンは床にばら撒かれた消火剤に足を滑らせてアニャとリチャードにぶつかり、アニャとリチャードはバルコニーから転落しました。
イレブンミニッツの結末
午後5時11分。ヘルマンは転落しそうになったアニャの手を必死で掴み、転落したリチャードはリフトで作業をしていた登山家の男にぶつかり、その拍子でリフトから点火したガスバーナーを含む作業道具が落ち、ちょうど真下を急行していた救急車(産気づいた女や瀕死の男を乗せている)のフロントガラスを直撃、救急車は炎上しながらバス(画家、少年、登山家の女、5人の修道女が乗っている)と接触、二台の車は横転し、救急車はホットドックの屋台を牽引していたバイクごと主人とばいく便の男を踏み潰しました。その上にバランスを崩したリフトからリチャードと登山家の男が転落、ホットドック屋台のガスボンベに引火して大爆発が発生、周囲は黒い煙に包まれました。1111号室ではヘルマンが必死でアニャの手を繋いでいましたが、そこに警備員2名が駆け付けてヘルマンを取り押さえ、その際にヘルマンは手を放してしまい、アニャは黒煙の中に転落していきました。その一部始終を町中の監視カメラが捉えており、映像の右上には謎の黒い点が浮かび上がっていました。
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