時をかける少女の紹介:2006年日本映画。細田守監督のアニメ版「時をかける少女」。タイムトラベラーとなった女の子が主人公。アニメ版では1983年の実写版映画「時をかける少女」の20年後の世界が舞台として描かれる。筒井康隆の名作がアニメ映画として復活する。「時をかける少女」はこれまでにドラマ、映画、小説など多数製作されている。
監督:細田守 声の出演:仲里依紗(紺野真琴)、石田卓也(間宮千昭)、板倉光隆(津田功介)、原沙知絵(芳山和子)、谷村美月(藤谷果穂)、垣内彩未(早川友梨)、関戸優希(紺野美雪)、ほか
映画「時をかける少女(アニメ)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「時をかける少女(アニメ)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
時をかける少女の予告編 動画
映画「時をかける少女(アニメ)」解説
この解説記事には映画「時をかける少女(アニメ)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
時をかける少女(アニメ版)のネタバレあらすじ1
主人公は高生2年生の紺野真琴。クラスメイトの間宮千昭と医者の息子で秀才の津田功介と放課後に野球やカラオケをしたりと毎日を楽しく過ごしていた。ある日、真琴は理科実践室で謎の人影の正体を知ろうとして転んでしまい、光るクルミに肘をぶつけ、その瞬間に異次元を垣間見るが、気付くと理科実験室に戻っていた。そこに人影があったが逃げて行った。その後、真琴は魔女おばさんに会うため東京国立博物館に向かっていたのだが、自転車で坂を下っているときにブレーキが故障し、あわや電車事故に。しかし目覚めると真琴は坂の上にいて事故前の風景だった。その話を聞いた東京国立博物館で働く魔女おばさんは「それ、タイムリープよ」と教えてもらうが真琴は半信半疑だった。
時をかける少女(アニメ版)のネタバレあらすじ2
その後すぐに時間の飛び方(タイムリープ)を覚えた真琴は「テストで満点を取る」「好きなおやつや晩ご飯を繰り返し食べる」などのどうでもいいことに好き放題タイムリープ能力を使っていた。ある日、功介が後輩の女子から告白されるが、勉強に支障があるとふってしまうが、その帰り道で突然、千昭は真琴に告白をする。動揺した真琴はタイムリープしてその告白自体を無かったことにしてしまう。後輩と功介の仲を応援したり千昭が他の子から告白されたりと、永遠に続けばいいと思っていた仲良し3人の関係に少しずつ変化が起きてきた。最初はその気がなかった功介と果穂は真琴のタイムリープによって付き合うことになる。
時をかける少女(アニメ版)のネタバレあらすじ3
ある日の放課後、真琴は功介が果穂を病院に連れていくために真琴の自転車を借りたことをメールで知る。自転車は壊れたままだったが、実はこの日は真琴の自転車のブレーキが壊れる日。あわてた真琴は功介をとめるため踏切近くまで行ったが2人はそこにおらず事故は起きていないようだった。その時千昭から電話がかかってきて真琴は「おまえタイムリープしてない?」と聞かれびっくりした真琴は最後の1回のタイムリープを使ってしまい、数分前に戻ってしまった。戻った時間は功介と果穂の事故直前。先には例の踏切があるが真琴は追いつけない。案の定ブレーキはきかずに遮断機に突っ込み絶体絶命と思ったその時、功介と果穂に事故は起きず、その傍らに千昭の姿があった。時間が止まっていた…とめたのは千昭。千昭は未来人だったのだ。千昭は未来に帰るために残してあった最後のタイムリープ能力を、踏切事故を無かったことにするため、真琴が悲しむ姿を見なくてすむように使ったのです。
時をかける少女(アニメ版)のネタバレあらすじ4
理科室にあったのは千昭が未来へ帰るためのタイムリープの能力をチャージしている球体の機械で、真琴は転んだ拍子にその球体の機械に腕を押し付けていたのだ。「俺が未来から来たって言ったら、笑う?」千昭は数100年も先の未来からタイムリープしてやってきたそうで、真琴がタイムリープの能力を使えるようになったのはその機械のせいだった。千昭は過去に来た理由を語ります。それは「絵を見るため」。千昭が見たかった絵というのは未来では完全に消失していて、あらゆる文献を調べたところ、この時代、場所、季節だけにあるという事しか分からなかったからだと言う。
時をかける少女(アニメ版)のネタバレあらすじ5
未来には帰れないけどタイムリープのことを知られたらもう側にいられないと、そういう決まりなんだと告げ、千昭は真琴のもとから姿を消します。そして何事もなかったかのように、千昭のいない日常に戻ります。しかし千昭がいなくなってからというもの、真琴はうつろな目をして生気を失ったようだった。真琴にとって千昭がどれだけ大切な存在だったのかを改めて思い知るのだった。ふと腕を見る真琴。するとそこにはタイムリープの残り回数が1になっている。実は真琴は最後の1回を使う前の時間に戻っていたのです。
時をかける少女(アニメ版)の結末
千昭が最後に使ったタイムリープの影響だと思った真琴は、千昭にまた会えると思い過去に戻ることを決意しその最後のタイムリープを使った。真琴はタイムリープを使えるようになる以前の理科実験室に戻ります。真琴は千昭のいるグラウンドへ向かい走ります。千昭と再会した真琴はこれからどんなことが起こるのかについて説明する。千昭には未来に帰るためのタイムリープの能力が残っています。タイムリープの事を知られると一緒にはいられないと千昭は未来に帰ることに。千昭は涙を流す真琴をそっと抱き寄せて最後の会話を交わします。
千昭「未来で待ってる」
真琴「うん、すぐ行く、走っていく」
time waits for no one
時は誰も待ってくれない
以上、アニメ映画版「時をかける少女」のあらすじと結末でした。
「時をかける少女(アニメ)」感想・レビュー
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淡い青春の物語を描いた作品です。現実的な現代という舞台設定にタイムリープというファンタジー要素が加えられたことにより、この作品にしか持ちえない雰囲気を持っています。タイムリープという力を持ってしまったが為にすれ違って別れてしまう2人が切なくてたまりません。
夏の爽やかさや青春、そして終わりの切なさを描いたとても素晴らしい作品だと思います。 -
青春と恋愛を織り交ぜたタイムパラドックスモノと言えばこの作品。
ヒョンなことから主人公が得てしまったタイムリープの能力により、自分の生活を上手くしようと試みるが自分の浅はかさに気づきその運命を変えようとします。
終盤のまこと(主人公)がボロボロになりながら叫ぶシーンは見所の1つです。
また、最後のシーンのちあきとまことの会話は鳥肌が立ちました。(実際にみて貰えると分かる)
見る価値のある作品です。 -
夏本番!青い空、走る主人公、友情、恋愛…と青春と感動が詰まった爽快な映画です。友情が恋愛に変わりそうな瞬間、それは学生の頃しかなかなか経験できないような貴重で、愛おしくなる体験です。後半での疾走感とハラハラドキドキは何度見ても飽きません。気持ちも心も学生時代に戻って、楽しく、そして最後はホロっと観れる映画です。
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青春だなぁ〜…と胸が苦しくなるような、懐かしさで胸がいっぱいになるようなそんな気分になります。最後の「待ってる」「走ってく」のやり取りでなんともたまらない気持ちになり、そのあとの奥華子さんの曲がさらにその気持ちを切なくさせます。高校生っていいなぁ、夏っていいなぁ、と思わせてくれる作品です。夏におすすめです。
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絵柄が明るい感じなのでもっと明るいストーリーかなと思ったけど意外と落ち着いた青春ストーリーです。タイムスリープしてしまう主人公が最初は自分の安直な欲だけにその能力を使っていく、しかし自体は思わぬ方向と未来に動いてしまい?という恋愛、友情、青春の甘酸っぱい感じが良いですね。ラストは意外な展開でちょっと切ないのもこの映画ならではのよいところかなと思います。
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細田守監督の作品の中で一番大好きな、思い入れの強い作品です。青春、SF的エンターテイメントを主軸にした作品ですがその中に恋愛の要素もうまく取り入れ、ラストは切なくとても印象的な結末でした。時間を戻す不思議な力を手に入れた主人公が何度も時の狭間を駆け抜けながら、自分が今まで気づかなかった気持ちや、もう戻せなくなった時間への後悔、そしてその中で自分の成すべき使命を見つけだし、大切な人との別離を乗り越えて成長する、誰の心にも残るであろう壮大な物語でした。
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主人公の高校時代を描く淡い青春ストーリーだと思います。青春やSFの要素が入っていると思います。主人公の紺野真琴が、青い空の中、時をかけていく、はしってくそんな感じに思えます。主人公がタイムリープを好きなように使うシーンは、高校生らしいなと思いました。最後のタイムリープは友人を事故から回避するためにつかうのは、友情感じます。SFっぽいので不思議な感じをしてみてました。
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大好きな作品です。内容を知らずに最初に見たときは、展開に何度もびっくりしました。でも内容を知ってても何度も見たくなりますし、何度も切なくなります。魔女おばさんが実は原作の主人公で、タイムリープ経験者というつながりが分かると、真琴へのアドバイスや魔女おばさんが独身を貫いていることなど色々と考えさせられてさらに面白いです。
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青春アニメの金字塔となった本作は最も胸熱かつエモーショナルな自転車シーンがある映画でもある。男2女1の三角関係の恋愛模様とタイムリープというSF要素が絡む。自らの揺れ動く気持ちに呼応するように時間を行き来し、一喜一憂する真琴を見ていると「あの時、どうしてあんなことを言ったのか」「あの瞬間に戻りたい」と素直に思わされる。誰もが抱える過去の後悔を温かい気持ちで受け入れるきっかけをくれる作品。
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もし、過去に戻れたら…誰しも一度は考えたことがあると思います。
私なら、当り馬券を暗記して過去で一攫千金をと目論見ますが、主人公はピュアですね(笑)
千昭との大切な時間に使い、おそらく後悔のないタイムリープだったと思います。
悪いタイムリープの使い方をしていれば、もっと稼げたのにとか、欲はキリが無いですしね。
主人公の淡さが、甘酸っぱくて何度でも見たくなります。 -
レンタルビデオ屋でVHSを借りたことをよく覚えていますが、回想してみるともう12年も昔のこととなり、今さらながらに驚いています。小規模なタイムトラベル。誰しもが失敗に遭遇したらそう思うことです。でも恣意的で自分勝手な目的で時間の流れに少ならぬ影響を与えると…。そうですね、それこそがパラドックスなのです。この種のテーマを扱った作品では必然的に使用した本人にペナルティが課される。しかし、重くなりがちな矛盾との遭遇においても『時をかける少女』は爽やかさを喪うことなく見終えることができました。キャラクターを筆頭にして良く作り上げられた作品でしたね。私はNHKの「少年ドラマシリーズ」で本作と出会い回想してみるに、全くの別の作品となっていることに驚きと納得、という矛盾を感じました。その他にも本作は多様に脚色され、広く世に認められているのです。原作となった筒井康隆氏の小説が傑出しているだけでなく、永遠の少年世界における需要なテーマであるというですよね。坂道を下りながら、このまま宙へ飛んでいきたい、と鑑賞しながら願った人は共通して認識しているはずです。叶えられない夢だからこそ、というのが夢なのですから。若さは誰しもが失う。それを新たに来た者が受け継ぎ、さらに後者へ…。永遠の青春物。とても善いテーマであり、これからも変わることはないでしょう。
青春×タイムパラドクスといえば日本では時をかける少女をおいて他にないわけですが、現代版としてアニメでリメイクされた本作では、タイムリープの能力を得た女子高生が一見すると無駄なことにその能力を使用してしまう感じが青春の儚さを表しているようにも感じられて、切なくも楽しい作品になっています。
まっすぐ走っているつもりでも気がつけば横道にそれてしまう主人公のはつらつさや、青さが清々しい作品です。