グレート・ワルツの紹介:1938年アメリカ映画。後にワルツ王と呼ばれ、大勢の国民に親しまれた作曲家ヨハン・シュトラウス二世の半生を描いた物語。2人の女性関係を軸に展開され、公開された年のアカデミー賞では撮影賞を受賞。その他の部門にも多数ノミネートされた。「ウィーンの森の物語」や「美しく青きドナウ」などの名曲がどのようにして生まれたのか、作り手が想像力を駆使してロマンチックに描いている。
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ 出演者:フェルナン・グラヴェ(ヨハン・シュトラウス二世)、ルイゼ・ライナー(ポルディ)、ミリッツァ・コリウス(カーラ・ドナー)、ヒュー・ハーバート(ホフバウアー)、ライオネル・アトウィル(ホーエンフリード卿) ほか
映画「グレート・ワルツ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グレート・ワルツ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「グレート・ワルツ」解説
この解説記事には映画「グレート・ワルツ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グレート・ワルツのネタバレあらすじ:起
父の意向で銀行に勤めていた若き日のヨハン・シュトラウス二世(愛称:シャニー)は、仕事中にいつもワルツを書いていました。素行不良としてあっという間に解雇された彼は、その足で恋人のポルディの家へ向かいます。自分の楽団を作ることを決心した彼は、仲間を集めて初めてのコンサートを開きます。客がまばらなため、コンサートは失敗したかに思えたその時、帝国オペラの歌手であるカーラ・ドナーたちがやって来て、彼らの演奏を称賛。ヨハンは今晩開かれるという伯爵家のパーティーに急遽呼ばれることになります。彼らのワルツやポルカは開け放たれた窓から街中に響き渡り、いつしか会場はウィーンの人々で埋め尽くされます。こうして第一回目のコンサートは大成功を収めたのでした。
グレート・ワルツのネタバレあらすじ:承
伯爵家に赴いたヨハンは、そこでカーラや皇太子らと出会います。この当時、ワルツは野卑な音楽であり社交界にはふさわしくないと思われていましたが、カーラは気にせずヨハンの作曲したワルツを見事に歌い上げます。余韻に浸り、カーラとキスするヨハンでしたが、カーラが既にホーエンフリード卿と結婚していることを知った彼はショックを受け、邸宅を出て行ってしまいます。するとそこにポルディの姿が。ヨハンのことが心配で様子を見に来たという彼女の思いを聞き、彼は結婚を決意します。その結婚式の最中に評判を聞きつけたホフバウアーがやって来て彼の音楽出版社と契約をしたヨハンは、市民権を求めるウィーン市民のために曲を書き続けるのでした。
グレート・ワルツのネタバレあらすじ:転
専制政治による抑圧に抗議し革命運動に参加し始めたヨハンは、ひょんなことからカーラと共に逮捕されてしまいます。友人の助けを借りて脱走した2人は、ヨハンの顔なじみの御者と出会い、ウィーンの森へと向かいます。やがて朝になり、聞こえてくる角笛や馬の足音、小鳥のさえずりなどからメロディーが生まれ、ヨハンはカーラと共にワルツを作り上げます。「ウィーンの森の物語」の誕生です。それからヨハンとカーラは互いに思いを寄せあうようになります。カーラはホーエンフリード卿に別れを告げ、ヨハンもポルディと些細なことで口喧嘩をしてしまいます。ある日、ヨハンはこのままではいけないとポルディと旅をすることを決め、友人にそのことを伝えるのですが、そこにはなぜかカーラの姿が。彼女はヨハンに自分が歌うオペラを書いて欲しいと頼みます。ポルディは2人との間のことを見透かしてしまい、それでも夫を応援すべく、ヨハンに申し出を受けるよう説得します。結局ヨハンは旅に出ることを諦め、オペラを書きあげるのでした。
グレート・ワルツの結末
オペラの公演日当日、ポルディが家で縫物をしていると、ホーエンフリード卿が訪ねてきます。カーラのことをまだ愛している彼は、カーラからヨハンを引き離すようポルディに迫ります。初めは抵抗していた彼女ですが、カーラが今夜ブダペストへ旅立つことを知った彼女は人が変わったように急いで身支度をして会場へ向かいます。公演は見事大成功し、その場でヨハンとカーラはキス。ヨハンはカーラに自分もついていくとカーラに告げます。楽屋へと戻るカーラでしたが、そこにはポルディの姿が。ヨハンも現れ、夫の幸せを思って笑顔を繕って送り出すポルディは結局、彼を止めることが出来ず、泣き崩れます。カーラはヨハンと共に船着き場に着きますが、彼の心の中にはいつもポルディの姿があると言い、ヨハンを残して一人で旅立ちます。夜が明けると、彼の頭の中に新たなワルツが流れ始めます。「美しく青きドナウ」が生まれた瞬間でした。それから34年後、ポルディを傍らに据え、皇帝になったホーエンフリード卿に謁見したヨハンは、集まった民衆の数に驚きます。やがて民衆は彼のワルツを歌い始めますが、ヨハンにはその歌声と共にカーラの声が聞こえてくるのでした。
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