大砂塵の紹介:1954年アメリカ映画。鉄道開通を待つ荒野の一軒家の酒場に現れた放浪のギター弾きジョニー。彼の元恋人である酒場の主人ヴィエンナと銀行を経営するエマという二人の女の戦いを物語の中心にすえた異色の西部劇。
監督:ニコラス・レイ 出演者:ジョーン・クロフォード(ヴィエンナ)、スターリング・ヘイドン(ジョニー・ギター)、マーセデス・マッケンブリッジ(エマ・スモール)、スコット・ブレイディ(ダンシング・キッド)、ワード・ボンド(ジョン・マッカイヴァーズ)、アーネスト・ボーグナイン(バート・ロナーガン)、ジョン・キャラダイン(オールド・トム)
映画「大砂塵」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大砂塵」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「大砂塵」解説
この解説記事には映画「大砂塵」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大砂塵のネタバレあらすじ:起
鉄道工事で岩盤が爆破されるのを横目に、ギターを背負った男が馬を進める。谷底で駅馬車が襲撃されるのを目撃するが無視して彼は進む。彼の目的地は砂嵐の吹きすさぶ一軒家の酒場。酒場の使用人のトムに迎えられ、戸を開けるとそこには三人の従業員の男がいる。男はジョニー・ギターと名乗る。女主人と約束があるという。そして二階に男勝りの女主人のヴィエンナが姿を現す。彼女は鉄道開通で新しい街ができることを見込んでここに酒場を始めていたのだ。そこへマッカイヴァーズと女ながらに銀行を経営するエマをリーダーとする町の人たちがやってくる。彼らは、ジョニーが目撃した駅馬車襲撃――それでエマの兄が命を落としていた――の犯人をヴィエンナの店の常連であるよそ者のダンシング・キッドの一味であると疑っていた。そしてやはりよそ者のヴィエンナもその仲間だと思っていた。畜産業で栄える彼らはそもそも、鉄道開通でよそ者が次々と来ることを恐れいていたのだ。キッドに性的にひかれていたエマは彼の愛人のヴィエンナをとりわけ嫌っていた。町の人々が帰ろうとするときにキッドと仲間のバート、コーリー、ターキーが現れる。一触即発の緊張をギター弾きとして雇われたジョニーが救う。キッドらは駅馬車襲撃の時間には彼らの銀鉱にいたと主張するがマッカイヴァーズらは銀鉱の存在そのものを信じない。マッカイヴァーズは24時間後にヴィエンナの酒場を閉鎖することを宣言する。ジョニーとヴィエンナが二人きりになる。5年前は結婚直前だった二人。言い争った末に二人はお互いまだ愛し合っていることを確認する。しかしヴィエンナはジョニーが昔と同じ、いったん銃を手にすると情け知らずに人を殺してしまう男のままなのではと恐れていた。
大砂塵のネタバレあらすじ:承
翌日ヴィエンナはジョニーが御者を務める馬車でエマの銀行へ行く。預金を解約するためである。ところがヴィエンナが手続きをしているうちにキッドたちが銀行を襲う。彼らは無実の駅馬車襲撃の嫌疑で町からの追放を余儀なくされた腹いせに銀行から金を奪うことにしたのだ。エマの兄の葬儀から帰って銀行強盗を知った人々は喪服のままエマを先頭にキッド一味の捜索に出かける。エマはヴィエンナも銀行強盗の仲間とみなす。彼女にとって憎いヴィエンナを殺す口実ができたのだった。キッド一味は逃走経路を鉄道工事の岩盤爆破でふさがれてしまい、自分たちの隠れ家に帰ることにする。しかし逃走中に負傷したターキーが脱落する。
大砂塵のネタバレあらすじ:転
ヴィエンナは元からの従業員に退職金を渡しジョニーにも迷惑代を出し、一人酒場に留まることにする。ターキーの乗っていた馬を発見したことから捜索隊はエマの言う通りヴィエンナがキッドの一味でキッドたちをかくまっていると推定する。 トムが負傷したターキーを酒場にかつぎこみ、ヴィエンナはまだ少年の彼をかくまうことにする。ヴィエンナが白いドレスを着てピアノを弾いているところに捜索隊が現れる。ヴィエンナが無実の人間に罪を着せようとすることに抗議するがターキーが見つかってしまう。「ヴィエンナが強盗の仲間であることを証言すれば命を助ける」とだまされてターキーは嘘をつく。ヴィエンナを守ろうとしたトムも、町で裁判をしなければと主張する保安官も命を落とし、結局ヴィエンナもターキーも縛り首にされるべく外に引きずり出される。エマが撃ち落としたシャンデリアから引火して酒場は炎上する。 ターキーが縛り首にされた後、男たちは女であるヴィエンナの処刑をためらう。しかたなくエマが手を下そうとしたときに、密かに戻ってきていたジョニーが間一髪でヴィエンナを助け出す。
大砂塵の結末
一度地下の坑道に隠れたヴィエンナとジョニーはキッドたちの隠れ家へ行く。キッドは、恋敵のジョニーがいることが面白くないが、ジョニーが実は名うてのガンマン、ジョニー・ローガンであることを知り簡単に手出しはできない。捜索隊は隠れ家の入口の滝をついに発見する。そして、バートがキッドを裏切りエマたちを隠れ家に導いてしまう。バートは裏切りの仲間に入らないコーリーを殺しキッドをも背後から撃とうとするが、結局ジョニーに撃ち殺される。エマは男たちがためらう中、一人ヴィエンナを殺そうと隠れ家へ上っていく。エマを止めようと声をかけたキッドも彼女に撃ち殺される。しかし、エマがヴィエンナにとどめを刺そうというところでヴィエンナが先に撃ちエマを殺す。ジョニーとヴィエンナは隠れ家から喪服の男たちの間を抜けて坂を下り、滝を抜け出す。
何と云ってもジョーン・クロフォード(「ヴィエンナ」役)が魅了だ!女性同士の撃ち合いを最後に持ってきた大変珍しく、かつ面白い西部劇だが、最後だけ???が残った。それは、ヴィエンナを敵視する女「エマ」(マーセデス・マッケンブリッジ)を撃ち殺したヴィエンナと過去のが縛り首になるのを助けたスターリング・ヘイドン演じるかつての恋人「ジョニー・ギター」の二人が喪服の男たちの間を通って滝を抜けた岩の上で抱き合うシーン。彼らはこの後縛り首になるのか?それとも無事逃げられるのか?