太陽の帝国の紹介:1987年アメリカ映画。SF作家として知られるJ・G・バラードの自伝的文学作品を映画化。最初は巨匠デヴィッド・リーンの監督作として準備が進められたが、結局スピルバーグが演出を担当することになった。日本好きの彼らしく、日本軍兵士を悪人として描いていない点が特徴。
監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:クリスチャン・ベール(ジェイミー)、ジョン・マルコヴィッチ(ベイシー)、ジョー・パントリアーノ(フランク)、伊武雅刀(ナガタ軍曹)、ガッツ石松、山田隆夫、ほか
映画「太陽の帝国」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「太陽の帝国」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
太陽の帝国の予告編 動画
映画「太陽の帝国」解説
この解説記事には映画「太陽の帝国」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
太陽の帝国のネタバレあらすじ:起
時は1941年。海上に浮かぶいくつもの棺桶を粉砕するように進んでゆく船。マストには日章旗が翻っています。そこは上海。マレー作戦と真珠湾攻撃が起こる直前です。ジム・グラハム少年は両親とともに上海の租界で暮らしていました。父親は富裕な会社経営者で、住まいも広壮な邸宅。苦労知らずのジムは飛行機への憧れを持ち、特に日本の零戦が大好きでした。
太陽の帝国のネタバレあらすじ:承
やがてその年の12月、父親の仕事仲間の仮装パーティに出た翌朝、日本が米英へ宣戦布告。租界にいた人々は日本軍の侵攻に怯えて上海を脱出しようとします。グラハム一家も慌てて同じ行動を取るのですが、混乱がひどく、ジムは家族と離れ離れになってしまいます。ジムは一旦自宅へ戻りますが、すでに邸内は荒らされていて、家族たちの姿もありません。そこで寝起きしながら日本軍の支配する街の様子を見て回るうち、ベイシーとフランクという怪しげなアメリカ人たちと知り合いになり、食事の世話をしてもらうことに。
太陽の帝国のネタバレあらすじ:転
しかし、3人でグラハム邸へ行った際に日本軍に捕まり、そのまま収容所送りとなってしまいます。輸送の途中で憧れの零戦を見たジムはそばに近づいてきた日本軍将校に敬礼。こんな状態になっても、空への憧れは変わりませんでした。蘇州での収容所ぐらしは延々と続き、やがて1945年に。世知に長けたベイシーが捕虜のリーダーになっていたため、ジムもその部下のような形で使いに走り回り、すっかり管理側の日本軍と仲良くなります。しかし、その表面上は平穏な生活も間もなく終わりが来ます。
太陽の帝国の結末
日本の敗色が濃くなり、アメリカ軍の戦闘機が収容所を急襲。次々と爆弾を投下していきます。宿舎が焼け落ちたため、ジムたち生き残りの捕虜は日本軍の指令のもと、徒歩で別の収容所へ移動することに。しかしその旅程は苛酷で、捕虜の何人かは亡くなっていきます。もはや統率者もいなくなり、全員がただ広い大地を彷徨うだけです。長崎に原爆が投下されたのを遠くに見るジム。飢餓に苦しみますが、やがてアメリカ軍がやってきて、ようやく救い出されます。無事だった両親とも再会。しかし、様々な体験を経てきた彼の表情はもはや無垢な少年のものではありませんでした。
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