殺人者の紹介:1946年アメリカ映画。食堂に現れた二人の殺し屋と彼らに殺されることを部屋で待つばかりの元ボクサーを描いたアーネスト・ヘミングウェイの短編小説を膨らませた映画は典型的なフィルム・ノワールになった。元ボクサー役のバート・ランカスターの映画デビュー作。ドン・シーゲル監督によるリメイク、『殺人者たち』(1964)が存在する。
監督:ロバート・シオドマク 出演者:バート・ランカスター(スウェード)、エヴァ・ガードナー(キティ)、エドモンド・オブライエン(リアドン)、アルバート・デッカー(コルファクス)、チャールズ・マッグロー(殺し屋)、ウィリアム・コンラッド(殺し屋)
映画「殺人者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「殺人者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「殺人者」解説
この解説記事には映画「殺人者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
殺人者のネタバレあらすじ:二人の殺し屋
午後6時になろうという時、ニュージャージー州ブレントウッドにある食堂に二人の男の客が現れる。横柄な態度で話す二人は午後6時にそこで食事をとるスウェードを殺しに来たのだ。店のコックと客のニック・アダムズを厨房に監禁してスウェードを待つが、今日は6時を過ぎても店に来ないからスウェードは来ないと店番のジョージに言われて、殺し屋たちは店を後にする。 殺し屋たちはスウェードの勤めるガソリンスタンドで住所を調べて彼を殺しに行くだろう。その前にガソリンスタンドの同僚であるニックがスウェードに危険を知らせに行くことにする。ニックはスウェードのアパートに走る。しかしベッドに寝ていたスウェードは警告に全く動じない。彼はこれを予期していたのだ。ニックが去った後に殺し屋がスウェードの部屋のドアを開けて発砲し、スウェードの体が崩れ落ちる。
殺人者のネタバレあらすじ:保険会社の男
スウェードは一年前に街に来たが、孤独な生活を送っていた。保険会社の調査員リアドンがスウェードについて調査を始める。ニック・アダムズは、一週間前にある客に出会ってからスウェードは体調不良を訴え食堂にも来なくなったと言う。リアドンはスウェードが指定していた保険の受取人に会う。彼女は写真を見てやっとスウェードを思い出す。彼は彼女の勤めるホテルの1212号室に1940年に別名で数日宿泊した客だった。彼が自殺しかけたのを彼女が止めたのだった。
殺人者のネタバレあらすじ:キティ
スウェードはボクサーだったが腕のけがで引退していた。リアドンはスウェードをかつて窃盗罪で逮捕したルビンスキー警部補に会う。スウェードとルビンスキーは幼なじみで、ルビンスキーの妻リリーはスウェードの元ガールフレンドだった。スウェードはある夜リリーをあるパーティーに連れて行く。そこでスウェードは美しいキティと出会い夢中になる。キティは服役中のコルファックスの女だったが、スウェードと付き合い始める。そしてルビンスキーがレストランでキティを窃盗容疑で逮捕しようとした時に現れたスウェードが、彼女のために自分が盗んだと主張して刑務所に入ることになる。リアドンは刑務所でスウェードと同房だったチャールストンという老人と話をする。スウェードは刑務所で音信不通のキティを思い続けていた。後にチャールストンは頼まれて、出所したばかりのスウェードを、強盗を計画するコルファックスたちに引き合わせる。スウェードは彼が呼ばれた部屋でキティと再会する。チャールストンの忠告を聞かず、スウェードは帽子工場の強盗に参加することになる。
殺人者のネタバレあらすじ:強盗団の仲間割れ
帽子工場の強盗にかつて参加した一人であるブリンキー・フランクリンが撃たれて病院に入れられ瀕死の状態になっていた。リアドンとルビンスキーを前に彼は強盗決行前夜のアジトでのスウェードとコルファックスのキティをめぐっての諍いを思い出す。そして、強盗の後、コルファックス、ブリンキー、ダムダムがある農夫の家に集まって金を分けようとしている所をスウェードが襲い、奪った25万ドルを持ち逃げしたことを話して息絶える。スウェードはその後キティとアトランティック・シティのホテルに泊まったが、キティは金をもって姿を消した。スウェードが自殺を試みたのはその後だった。ブリンキーを撃ったダムダムは、リアドンの予想通り、スウェードが死んだ部屋に25万ドルを求めて来る。リアドンはダムダムに拳銃を向けて、強盗後の集合場所が、前夜に集合したアジトから農夫の家に変わった理由を言わせる。深夜にアジトが火事で焼けたことをキティが告げに来たと言う。すきをついて拳銃を奪ったダムダムは警官隊をかいくぐって逃げる。
殺人者の結末:陰謀の真相
リアドンはピッツバーグで、建設請負業で成功しているコルファックスに会う。コルファックスに連絡を取らせてキティと会い、レストランに入る。キティは強盗の前夜にスウェードに、他の三人がスウェードを裏切ろうとしていると嘘をつき、農夫の家の襲撃をけしかけたことを話す。彼女はみじめな生活を抜け出すために、彼女を愛するスウェードを利用したと言う。スウェードを殺した二人の殺し屋がレストランに入ってきてリアドンに発砲する。リアドンはテーブルを盾にして身を護り、先にレストラン来ていたルビンスキーが殺し屋を射殺する。キティはその前にお手洗いの窓から逃げ出していた。リアドンとルビンスキーは警官たちと共にコルファックスの屋敷に行く。屋敷に入ったとたんに銃声がし、射殺されたダム・ダムが階段を転がる。階段の踊り場ではコルファックスが虫の息だった。コルファックスと妻であるキティが、帽子工場から奪った金を独り占めためにスウェードたちを罠にはめたことが明らかになる。ダムダムとブリンキーがだまされたことに永久に気づかないように、ブレントウッドのガソリンスタンドで偶然再会したスウェードを殺すためにコルファックスは二人の殺し屋をさしむけたのだった。キティは自分が計画に無関係であることを死にかけているコルファックスに証言させようとするが無駄な努力に終わった。
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