民衆の敵の紹介:1931年アメリカ映画。ギャング映画の古典の一つ。撮影直前に脇役から主役に換えられたジェームズ・キャグニーを大スターにした。愛人を演じるメエ・クラークの頬にグレープフルーツを押し付けるシーン等の瞬発的で、そして優雅な動作が強い印象を与える。
監督:ウィリアム・A・ウェルマン 出演者:ジェームズ・キャグニー(トム・パワーズ)、ジーン・ハーロウ(グウェン)、エドワード・ウッズ(マット・ドイル)、ドナルド・クック(マイク・パワーズ)、メエ・クラーク(キティ)、メイミー(ジョーン・ブロンデル)、ほか
映画「民衆の敵 (1931年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「民衆の敵 (1931年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「民衆の敵 (1931年)」解説
この解説記事には映画「民衆の敵 (1931年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
民衆の敵のネタバレあらすじ:起
1909年、トムとマットの二人の少年は街で遊びまわる仲間だった。トムがマットの姉のモリーに悪ふざけをして怒らせたところを見つけた、警官であるトムの父親は、息子の尻をベルトで強く何度も叩く。クラブでピアノを弾き歌を歌うパティ・ノウズに盗品の時計を買ってもらって、トムとマットは犯罪者の道を歩み始める。1915年、トムとマットはパティのいるクラブに出入りしている。トムは市電の車掌をしながら夜間学校に通うまじめな兄のマイクを馬鹿にしていた。パティはトムとマットを彼らの初めての大仕事、毛皮倉庫の強盗に参加させる。二人は初めてピストルを渡される。しかし、熊の剥製に驚いたトムが発砲したせいで警官が駆けつけ、逃げ遅れた友人のラリーが射殺される。強盗に失敗したトムとマットをパティはかくまってくれなかった。どうにか逃げた二人はラリーの葬儀に参列するはめになる。
民衆の敵のネタバレあらすじ:承
1917年、トラックの運転手をしているトムとマットはギャングのパディ・ライアンの知己を得る。一方、マイクが兵役に就くことになる。マイクは残される母親のことをトムに託すが、マットとトムについての悪い噂を持ち出したことによりトムと喧嘩別れしてしまう。1920年、禁酒法施行前夜、人々は酒の買いだめに走っていた。これからは酒が高価になる。パディの手下としてガソリントラックを使って倉庫の酒を奪ったトムとマットはスーツを新調しナイトクラブにくりだすようになり、メイミーやキティと知り合う。パディは大物ギャングのネイサン・ネイルズの下でビールの密造に乗り出し、トムとマットも運転手をやめてビールの注文取りや売上金の取り立てを担当する。強引な手法で市場の独占を目指す。マットやモリーを招いて兄のマイクの復員を祝うトムだったが、弟が実はギャングであることを警官から教わって不機嫌なマイクはテーブルの上のビール樽をひっくり返してしまう。トムは街でマットと自動車を乗り回しているときに金髪の美女グウェンに出会い、自動車に乗せてあげる。トムは従順でないキティからグウェンに乗り換えることにする。
民衆の敵のネタバレあらすじ:転
ネイサン・ネイルズがトム、パディ・ライアンたちを率いてナイトクラブに現れる。グウェンも一行の一人だ。彼らは今晩、マットとメイミーの結婚を祝う。だが、トムは客の中に毛皮倉庫強盗失敗の時に彼を助けなかったパティ・ノウズを見出す。メイミーたちを残してトムとマットはパティを追ってナイトクラブを出る。強引にパティの家についていく。子供時代の彼らのために歌った歌をピアノを弾きながら歌ってパティは命乞いする。マットはためらって手を下さないが、トムがパティを殺して、彼がもはや不良少年でなくタフな犯罪者であることを示した。グウェンと過ごしているトムにネイサンが乗馬中の事故で死んだという悲報を告げる電話が。盛大な葬儀の後、トムとマットは乗馬クラブでネイサンの死を招いた馬を射殺する。
民衆の敵の結末
ネイサンの死は組織間の抗争を巻き起こした。パディの組織は追いつめられる。トム、マットら部下を一つの家に集めたパディは、彼らが危険な街に出ないようにという理由で部下から武器と金を集め、愛人のジェーンに彼らの世話を任せて、組織立て直しのために家を出る。パディが部下を残して出かけたことを知った敵組織は、隠れ家に面した建物にマシンガンをセットする。ジェーンによる誘惑を嫌ったトムはマットと共に翌朝外へ出る。二人はマシンガンで狙われ、マットが命を落とす。銃砲店でピストルを奪ったトムは土砂降りの雨の中、敵組織のアジトを襲いマットの仇を取るが、重傷を負って病院に担ぎ込まれる。母、マイク、モリーが病院にトムを見舞い、マイクとトムは仲直りする。トムの退院が明日に迫る。だが、パディがトムの家を訪れ、マイクにトムが敵組織に誘拐されたことを教える。部下がトムを見つければ連絡させるという。心配で夕食も口に入らないマイクだったが、トムを連れてくるという電話が入って一安心する。しかし、間もなくノッの音のしたドアの外に立たされていたのは、布にまかれたトムの亡骸だった。
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