突然の恐怖の紹介:1952年アメリカ映画。サンフランシスコで幸福な新婚生活を始めたはずの夫婦が互いの殺害をもくろむようになる。ジョーン・クロフォードは、ワーナー・ブラザース専属を解除して選んだこの企画で、アカデミー賞主演女優賞候補となった。ジャック・パランスの助演男優賞を含む計四つのカテゴリーで同賞にノミネートされた。フィルム・ノワールの傑作として再評価されている。
監督:デヴィッド・ミラー 出演:ジョーン・クロフォード(マイラ・ハドスン)、ジャック・パランス(レスター・ブレイン)、グロリア・グレアム(アイリーン・ニーヴズ)、ブルース・ベネット(スティーヴ・カーニー)、タッチ・コナーズ(ジュニア・カーニー)、ほか
映画「突然の恐怖」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「突然の恐怖」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「突然の恐怖」解説
この解説記事には映画「突然の恐怖」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
突然の恐怖のネタバレあらすじ:起・劇作家と俳優の結婚
女流劇作家マイラ・ハドスンは新作の舞台稽古を見ている。主演俳優のレスター・ブレインにプロデューサーも演出家も満足しているが、マイラはもっとハンサムな俳優がこの芝居にはふさわしいと主張して譲らない。レスターは演出家にクビを言い渡されるが、舞台の上からマイラに抗議して去っていく。新作のブロードウェーでの成功を見届けて、サンフランシスコの家へのんびり帰るべくマイラは汽車に乗る。マイラは途中の駅で車窓からホームにレスターがいるのを見る。彼も同じ汽車に乗っていたのだ。マイラは彼を自分のコンパートメントに招く。二人はポーカーを始める。二人は旅行の間ずっといっしょに過ごす。レスターはシカゴで降りる予定を変えてサンフランシスコまで行く。マイラは知的な好青年のレスターに魅かれていく。レスターはサンフランシスコに滞在しマイラとの結びつきを深めていく。マイラはもはや彼なしの人生を考えられなくなる。二人は海辺の別荘で初夜を過ごす。
突然の恐怖のネタバレあらすじ:承・レスターの秘密の生活
マイラとレスターは弁護士のカーニーを始めとする多くの知人を家に招いて二人の結婚の披露宴を開く。だが、レスターは、兄と共に弁護士事務所を構え皆がジュニアと呼ぶ、カーニーの弟が連れてきた女性の顔を見て驚く。それは彼の恋人だったアイリーンである。彼女は二人の結婚の新聞記事を読んでサンフランシスコに来て、カーニー兄弟の事務所を訪れてコネを作ったのだった。カーニーは、マイラの死後レスターが再婚するまでに彼に年金1万ドルを与えるという遺言書の案を作った。レスターを愛するマイラは、自室に備え付けの録音機に、「自分の死後全財産を無条件にレスターに与える」旨の修正案を吹き込み始める。しかし、録音機のスイッチを切るのを忘れたままカーニー兄弟、アイリーンたちを家に招いたディナーパーティーに行ってしまう。
突然の恐怖のネタバレあらすじ:転・復讐の台本
翌朝、マイラが録音を再生すると、自分の声の後に、レスターとアイリーンの密談が偶然ふきこまれていた。レスターがマイラを愛していないこと、カーニーの作った遺言書を目にして最終案だと思いこんだ二人が、マイラの父親の莫大な遺産が記念基金に寄付されてしまう次の月曜日までにマイラを殺してマイラの全財産を自分たちのものにすると決心したことをマイラは知る。衝撃を受けたマイラは録音されたレコード盤を隠そうとしてあわてて、それを割ってしまう。自分が夫に殺される悪夢に苦しめられた後、マイラは冷静に、自分をだました男への復讐を始めた。まず早朝、レスターの部屋にあるアイリーンの部屋の鍵を拝借して合鍵を作る。その合鍵でアイリーンの部屋に入りピストルを盗み出した上、アイリーンの筆跡をまねたメモとレスターの筆跡をまねたメモとを作る。日曜の晩になる。レスターとアイリーンは今夜中にマイラを殺さなければならない。だが、これからカーニー兄弟、アイリーン、そしてレスターと共に知人の家に遊びに行こうという時に、マイラはわざと階段で転んで、けがをしたと他の四人に思わせてベッドに運ばれる。その時に偽メモがアイリーンとレスターの手に渡るようにする。こっそりベッドから出たマイラは前に作ったメモを見てその夜の復讐の計画を頭に入れる。アイリーンの部屋に忍び込んだマイラは、偽メモを読んでアイリーンに会いに来たレスターをアイリーンのピストルで射殺する。同時間に偽メモによってマイラの家のガレージでレスターを待っていたアイリーンは、レスターが来ないので帰宅して死体の第一発見者になる。彼女がレスター殺害事件の裁判の被告になるはずである。
突然の恐怖の結末:悲惨な結末
マイラは白いスカーフを頭にまき黒いコートを着てアイリーンの部屋に忍び込む。だが、マイラは鏡に映るピストルをもった自分の姿に怯える。レスターの足音が聞こえるとピストルを落としてクローゼットに隠れる。アイリーンが部屋にいないことを不審に思ってレスターはアイリーンの名を叫ぶ。そして床にピストルを見つける。だが、マイラにはめられていたことに気づいたのはマイラがすきを見て部屋を出た後だった。逃げるマイラを自動車でレスターが追う。そのころ、ガレージにレスターが来ないのでアイリーンも外へ出る。レスターはマイラと同じ白いスカーフ、黒いコートのアイリーンをマイラと見間違えて轢き殺そうとする。勘違いに彼が気づいたときは既に遅く、アイリーンをはねたうえに自動車を横転させてしまう。マイラはスカーフを捨てて道を歩き去る。
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