ザ・ホールの紹介:2009年アメリカ映画。地下室で見つけた謎の穴を巡り、子ども達の恐怖と勇気が交錯するホラー&アドベンチャー。田舎町に引っ越してきたデーンは、弟ルーカスと一緒に地下室で不思議な穴を見つけた。中は真っ暗で何も見えず、物を落としても音がしないので深さも不明。隣人ジュリーも加わり穴を調べてみるが、その夜から彼らの周囲で怪奇現象が起こり始める。
監督:ジョー・ダンテ 出演者:クリス・マッソグリア(デーン・トンプソン)、ヘイリー・ベネット(ジュリー・キャンベル)、ネイサン・ギャンブル(ルーカス・トンプソン)、テリー・ポロ(スーザン・トンプソン)、クイン・ロード(アニー・スミス)ほか
映画「ザ・ホール」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・ホール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・ホールの予告編 動画
映画「ザ・ホール」解説
この解説記事には映画「ザ・ホール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・ホールのネタバレあらすじ:地下室の穴
舞台はアメリカのとある田舎町。シングルマザーのスーザン・トンプソンが2人の息子と引っ越して来ました。兄はデーン、齢の離れた弟はルーカス。一家はこれまでたくさんの土地を転々としていて、デーンはそれを不満に思っていました。スーザンが勤め先である病院に向かった後、デーンは2階の窓から隣家を覗き見ます。隣には同年代の少女ジュリー・キャンベルが住んでいました。彼女に惹かれるデーンは、遊びに誘うルーカスを邪険に扱います。デーンの好意を察したルーカスは、仕返しのつもりでジュリーに話しかけに行きました。怒ったデーンに追われたルーカスは地下室に逃げ込みます。そこで床に不自然に隠された扉を見つけました。扉にはいくつも南京錠がかけられ、厳重に施錠されています。興味を持った兄弟が鍵を探し出し、扉を開けると真っ暗な穴がありました。深さを測るため物を落としてみますが、一向に底についた音がしません。ジュリーも加わり、もっと穴を調べてみることにします。ハンディカメラを穴に下ろし、内部を撮影した3人。リビングのテレビで早速映像をチェックしてみますが、やはりよく分かりませんでした。そこにスーザンが帰宅し、3人はテレビに背を向けて適当に誤魔化そうとします。背後のテレビ画面には覗き込むような不気味な目が映っていましたが、誰も気付きませんでした。その夜、地下室では穴の扉がひとりでに開きました。デーン達は不審な物音や声を聞き、不気味に感じます。
ザ・ホールのネタバレあらすじ:少女とピエロの人形
翌日。デーンはジュリーに町を案内して貰っていました。バーガーショップで雑談の後トイレに入ったジュリーは、突然恐ろしい現象に襲われます。個室から血を滴らせた少女が現れ、静かに近寄って来たのです。他の利用者が入って来ると少女の姿は消えていました。一方、家で留守番をしていたルーカスにも奇怪な現象が襲い掛かります。家の中に不気味なピエロの人形が現れたのです。彼はピエロが大の苦手でした。デーンの仕業だと考えたルーカスは兄の部屋に人形を置き、地下室へ向かいます。するとデーンの部屋に置いたはずの人形が、地下室にも現れました。ピエロの人形は意思を持って動き回り、ルーカスに襲い掛かります。慌てて地下室から逃げ出したルーカスは、ちょうど帰宅したデーンに今の出来事を話しました。信じられないデーンはルーカスを連れて地下室に行ってみます。すると見知らぬ少女が蹲っていました。彼女はどうやらジュリーの前に現れた少女のようです。一旦地下室から出た兄弟がジュリーと一緒に戻ってみると、少女は虫のように這いながら穴の中へ入っていきました。
ザ・ホールのネタバレあらすじ:深まる謎
翌日。デーンは穴の扉に釘を打ち付けて開かないようにします。そして穴についてもっと詳しく知るため、前にこの家に住んでいた男性を訪ねてみることにしました。「変わり者カール」と呼ばれている彼は、古い手袋工場に住んでいます。3人が訪ねると、彼は無数の電球に囲まれて暮らしていました。デーン達が穴の扉を開けたと知ったカールは激怒し、「見られたな」と言い出します。闇が来る、殺されると喚くカールに困惑したデーン達はすぐにその場を後にしました。その夜、スーザンから1日か2日研修のため留守にすると告げられた兄弟は、不安を募らせます。地下室では打ち付けた釘が勝手に浮き上がり、また扉が開きました。カールはデーンが落としていったスケッチブックに一心不乱に何かを書き殴っています。すると電球が割れ、暗闇にカールの絶叫が響きました。スケッチブックを落としたことに気付いたデーンが工場を訪れますが、カールの姿はどこにもありませんでした。
ザ・ホールのネタバレあらすじ:それぞれの恐怖心
翌日。ジュリーは暗い雰囲気のデーンとルーカスを自宅のプールに誘いました。そこで不気味な男の姿を見たデーンは、ルーカスを1人にしてしまいます。ルーカスは凄まじい力で水中に引きずりこまれ、藻掻きながら沈んでいきました。異変に気付いたデーンとジュリーに助けられた彼は、「ピエロがいた」と泣き出します。ルーカスと家に帰ったデーンは、夜、眠っているルーカスの足に赤い手形がくっきりと残っているのを発見。その手形に見覚えがあったデーンは、自室でスケッチブックをめくりました。同じような手形を見つけ、1枚ずつ破いて床に広げると、カールが大きな1枚の絵を残したことに気付きます。そこに響く不気味な口笛。ダイニングに行ってみると、テーブルに1通の手紙が置いてありました。差出人は、ニュージャージー州立刑務所に収監されている父親です。デーンは顔を強ばらせ、バットを持って警戒にあたりました。一方、目を覚ましたルーカスは1階に警官がいると気付きます。女の子を捜しているという彼は、2人の少女が並んでいる写真を手渡しました。「守ってあげなきゃ」と後ろを向いた警官の頭は割れて脳が見えています。ルーカスがデーンを呼び、警官についていくとやはり彼も地下室の穴に入っていきました。写真を見たデーンは、片方の少女がジュリーだと気付きます。彼女を呼び出すと非常に怯えた様子でパニック寸前でした。部屋に例の少女が現れたのです。ジュリーは少女の正体に気付きました。彼女の名前はアニー・スミス。ジュリーの親友で、幼い頃遊園地の転落事故で死亡していました。ジュリーは既に閉園した遊園地に走り、古いハシゴを使ってコースターのレールに登ります。そこにはアニーがいて、ジュリーを強く責めました。自分や、自分を助けようとした警官が転落した時も泣いてばかりで助けてくれなかったことを。しかしジュリーが謝罪するとアニーは静かに消えました。ジュリーは追いかけて来たデーンと泣きながら抱き合います。
ザ・ホールの結末:子ども達の成長
1人で留守番をしていたルーカスは、地下室で再びピエロの人形と対峙しました。ルーカスは怯えながらも機転を利かせて人形を撃退。そこにデーンとジュリーが帰って来ます。デーンは「さっきのは恐怖心だ」と話しました。穴に自分が恐れているものを見破られると、現実世界にそれが現れるのです。そして恐怖と向き合い、克服すれば怪奇現象から解放されるようでした。カールが恐れていたのは恐らく暗闇だろうと話すデーンとジュリーは、彼のパズルを完成させてみます。それは巨人が小さな男の子を深い穴に引きずり込もうとする絵でした。その瞬間、恐ろしい予感にデーンはルーカスの部屋へ走ります。しかしルーカスはどこにもいません。「父さんの仕業だ」と焦るデーン。兄弟は毎日父親から虐待されていました。父が逮捕されてからも安心出来ず、一家は住所を知られる度に引越しを重ねてきたのです。デーンは自分が父を恐れているせいでルーカスが穴の中に連れ去られたと考えました。心配するジュリーを残し、地下室の穴に飛び込んだデーン。霧の中を落ちていくと、不気味に歪んだ街が広がっていました。デーンは建物に入り、異様に大きなクローゼットの中でルーカスを発見します。そしてハシゴのように伸びているクローゼットの棚を使い脱出しようとしました。しかしデーンは現れた父に捕まってしまいます。父は巨人のような姿と凄まじい怪力でデーンに襲い掛かります。立ち向かったデーンが「もう怖くない」と告げると、恐怖心と比例して父の姿は縮んでいきました。デーンが静かに「俺は違うよ 父さんとは」と呟くと、世界が崩れ父は真っ暗な闇に落ちていきます。デーンが本当に恐れていたのは、自分も父親のようになってしまうことだったのです。恐怖を克服したデーンは穴から脱出し、ルーカスとジュリーが待つ地下室に帰還しました。そこへスーザンがやって来て穴を覗くと、そこにはただ配管が通っているだけでした。4人は笑いながら地下室を後にします。ルーカスがスーザンにとって怖いものは何かと尋ねると、「子どもの頃モンスターが怖かったわ」と返ってきました。すると扉が開いてあの真っ暗な穴が出現します。新たな恐怖の幕開けを暗示しつつ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ザ・ホールのあらすじと結末でした。
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