セカンドベスト/父を探す旅の紹介:1994年アメリカ映画。孤独な中年独身男性と養護施設で暮らす少年の心の交流を描いた作品。肉親の愛に飢えた二人が苦難を乗り越え、深い絆で結ばれていく姿が感動的に描かれていきます。「キリング・フィールド」や「ミッション」の撮影監督として知られるクリス・メンゲスによる監督作品です。
監督:クリス・メンゲス 出演者:ウィリアム・ハート(グレアム・ジョン・ホルト)、クリス・クレアリー・マイル(ジェームズ)、キース・アレン(ジョン)、アラン・カミング(ベルナルド)、ジェーン・ホロックス(ダビー)ほか
映画「セカンドベスト/父を探す旅」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「セカンドベスト/父を探す旅」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「セカンドベスト/父を探す旅」解説
この解説記事には映画「セカンドベスト/父を探す旅」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
セカンドベスト/父を探す旅のネタバレあらすじ:起
42歳の独身男性グレアム・ジョン・ホルトは小さな町で両親から受け継いだ郵便局と雑貨屋を営んでいます。母亡き後寝たきりとなってしまった父の介護をしていますが、父とは心が通い合わず孤独な日々を過ごしていました。ある日町で養子縁組の広告を見たグレアムは、その中の少年ジェームズに目が留まり、彼を養子として迎えたいと考えるようになります。グレアムは対面したジェームズに温かい家を提供し、信頼しあえる相棒になりたいと語り掛けますが、ジェームズは心を開こうとしません。ジェームズは様々な施設をたらい回しにされ、他人を信じることができません。さらに服役中の父ジョンからは自分以外の誰にも心を許さないよう強いられていました。父を妄信的に愛するジェームズにとってジョンの言葉は絶対的な意味を持っているのでした。
セカンドベスト/父を探す旅のネタバレあらすじ:承
グレアムの家にジェームズが一時的に滞在することになりました。グレアムはジェームズのために素敵な自転車と一人部屋を用意してあげます。そしてジェームズは次第に心優しいグレアムに心を許すそぶりを見せるようになっていきます。グレアムはジェームズがどのような暮らしをしてきたのかを把握するため前の施設の寮母を訪ねます。そこでジェームズが脱走の常習犯で、自殺未遂を繰り返してきたことを知ります。グレアムはジェームズの曾祖父に会いに行き、彼の亡き母親について尋ねますが、曾祖父は知らないほうがいいとはぐらかします。グレアムはジェームズを連れてキャンプに出掛けます。ジェームズは木の枝でわざと自分の額を傷つけ、グレアムの気をひくことに成功します。愛に飢えているジェームズはグレアムの愛情を試めそうとしているのでした。
セカンドベスト/父を探す旅のネタバレあらすじ:転
ジェームズの父ジョンからグレアムとジェームズに宛てた手紙が送られてきます。グレアムへの手紙には息子を養子として迎えてくれることへの感謝が綴られており、ジェームズへの手紙には良き父親になれなかったことへの謝罪が綴られていました。しかしこの手紙を受け取った後ジェームズの態度が一変します。父に見捨てられたと思い込むジェームズは苛立ち、反抗的な態度を見せるようになりはじめます。グレアムもまた心を閉ざすジェームズとどう接していいか分からず苦悩します。そんなある日入院していたグレアムの父が静かに息を引き取りました。グレアムは父と最後まで心を通い合わせることができなかった悲しみから涙を流します。彼は小さな頃から父が自分に関心を寄せてくれなかったことに悩み続けてきました。ジェームズは絶望するグレアムにそっと寄り添い、慰めてあげようとするのでした。施設の提案によりグレアムはジェームズの里親となって一緒に暮らし始めることになります。
セカンドベスト/父を探す旅の結末
ジェームズがグレアムとの暮らしに慣れ始めてきたころ、出所したジョンが家を訪ねてきました。ジョンはエイズを患っており、残された余命は僅かでした。残された時間を親子で過ごしてほしいと考えるグレアムはジョンに一緒にここで暮して欲しいと懇願します。学校から戻ってきたジェームズはジョンと対面しますが、父親の病を受け入ることができません。深夜ジェームズは部屋を抜け出し、森の中に穴を掘って隠れます。ジェームズは幼い頃母にクローゼットに押し込められ、隙間から母が自殺する姿を見てしまったことを思い出していました。その体験が深い傷となり、辛いことから逃避する癖がついてしまったのです。後を追って森に入ってきたグレアムは怯えるジェームズを抱きしめながら一夜を明かすのでした。翌朝グレアムは君にとっての一番の父親になりたいとジェームズに話します。二人は手をつないで自宅へ戻っていくのでした。
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