恋のページェントの紹介:1934年アメリカ映画。スタンバーグ監督と組んだ6本目の作品でディートリッヒが演じるのはエカテリーナ2世(英語名キャサリン2世)。ドイツ貴族の家に生まれた無邪気な少女がロシアで権力を手中にするまでを描く。グロテスクな彫刻にあふれた宮廷のセットや階段を駆け上る多数の馬も見もの。少女時代のヒロインを演じているのはディートリッヒの娘のマリア・リヴァ。
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ 出演者:マレーネ・ディートリッヒ(ゾフィー/エカテリーナ)、ジョン・ロッジ(アレクセイ伯爵)、サム・ジャフィ(ピョートル大公、後のピョートル3世)、ルイーズ・ドレッサー(エリザヴェータ女帝)、ギャヴィン・ゴードン(グリゴリー・オルロフ大尉)、ほか
映画「恋のページェント」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恋のページェント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「恋のページェント」解説
この解説記事には映画「恋のページェント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恋のページェントのネタバレあらすじ:起・ロシアに嫁ぐ
約2世紀前、プロシアの一隅に公爵の娘として生まれたゾフィーは、この子をいつか王妃にという母親の期待を浴びて育てられる。美しく活発な少女に成長したゾフィーはプロシア王の命令でロシアの帝位継承者、ピョートル・フョードロヴィチ大公と結婚することが決められた。結婚相手はどんな人だろうかと夢見るゾフィー。やがてゾフィーを出迎えに来たアレクセイ伯爵は、ゾフィーに尋ねられて、ピョートルが美しく長身でたくましいと話す。しかしゾフィーは今、美男で男性的なアレクセイに魅せられてしまっていた。そしてアレクセイもまたゾフィーに欲望を抱いた。
1744年3月15日、ゾフィーは母に付き添われ、アレクセイの率いるコサックに護られてロシアへ出発した。いまだ雪の積もるモスクワに到着し、クレムリン宮殿でエリザヴェータ女帝にお目通りをして、エカテリーナという新しい名を与えられる。だが、女帝の甥のピョートルは美男でも長身でもなく、人形遊びや兵隊ごっこに興じる幼稚な男であることがわかった。でも、世継ぎの男子を産むという女帝の期待を負って大公妃となる。
恋のページェントのネタバレあらすじ:承・世継ぎの誕生
エカテリーナは結婚当初は自分への期待を自覚せず無邪気に宮廷の生活を楽しむ。だが、彼女の母が女帝の命令により別れも告げずに去ったことを知る。女帝はエカテリーナを従順な妻にしつけて世継ぎを産ますべく召使のようにあつかうと共に、妃を嫌う甥にも彼の愛妾エリザヴェータを宮廷から遠ざけるなどして圧力をかける。アレクセイがエカテリーナを誘惑していてエカテリーナも彼に好意を抱いていることに気づいた女帝は、女帝の寝室に入ろうと待っている彼女の愛人がアレクセイその人であることをほのめかす。エカテリーナは怒って、アレクセイから贈られたペンダントを一度は窓から投げ捨てるが、気になって外に取りに行く。彼女が大公妃と知らぬ警護の将校に拘束されるが、エカテリーナはその幸運な将校にその晩自分の体をゆだねてしまう。
数カ月後、女帝の待ちに待った世継ぎが生まれ、宮廷全体が喜びに包まれる。それが自分の息子でないと知るピョートルを別として。
恋のページェントのネタバレあらすじ:転・アレクセイ伯爵へのし返し
今や将来の皇帝の母となったエカテリーナは無邪気な少女から脱皮し、貞淑な妻という理想も捨て、この国の権力の掌握を目指し始める。やがて重い病気にかかっていた女帝が死に、ピョートルは皇帝ピョートル3世に、エカテリーナは皇后となる。叔母という重しがなくなったピョートルは権力をほしいままにして恐怖政治を行う。その間エカテリーナはロシア正教会に続いて軍隊も自分の支持勢力にしていた。ある連隊を視察したエカテリーナはずっと遠ざけていたアレクセイに出くわす。その夜、アレクセイは彼女の寝室に招かれる。アレクセイはエカテリーナの愛を取り戻したかに思われたが、結局エカテリーナがその夜アレクセイにあてがった仕事は、その日エカテリーナが知った美男で金持ちのオルロフ大尉を寝室に案内することだった。アレクセイはその屈辱を納得して受け入れる。
恋のページェントの結末:勝利の鐘
晩餐の席でピョートルは愛妾エリザヴェータへの乾杯を皆に求めるが、エカテリーナはそれを拒否し、クーデター決行の決意を固めてオルロフ大尉と共に退席する。ピョートルはエカテリーナの逮捕を命じる。エカテリーナを処刑して病死として処理するつもりだった。
オルロフは秘密の入り口から皇后の寝室に入り、既に軍服に身を包んでいたエカテリーナを連れ出す。エカテリーナは自ら馬にまたがって軍隊を動かす。エカテリーナが鳴らす鐘の響きに驚き部屋を出たピョートルにオルロフは「皇帝はいない。いるのは女帝だけだ」と言う。ピョートルが殺害される一方、ついにエカテリーナは女帝の座に上りつめ、それを祝う鐘は鳴り続けた。
以上、映画「恋のページェント」のあらすじと結末でした。
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