ミディアンの紹介:1990年アメリカ映画。異形の怪物「夜族」と人間の抗争を描くホラー&ファンタジー。夜毎悪夢に苛まれるブーンは、精神科医デッカー博士の策略で連続猟奇殺人犯に仕立て上げられてしまう。警官に射殺されたブーンは夜族となって蘇り、仲間がひっそりと暮らしている死都(ミディアン)に迎え入れられた。しかし猟奇殺人の真犯人であるデッカー博士は夜族の殲滅を企て、警察を唆して死都に総攻撃を仕掛ける。ブーンは同胞を率い、人間の暴虐に敢然と立ち向かうのだった。ホラー映画監督として有名なデヴィッド・クローネンバーグが猟奇殺人犯を怪演。別題は「ミディアン/死者の棲む街」。
監督:クライヴ・バーカー 出演者:デヴィッド・クローネンバーグ(Dr.フィリップ・K・デッカー)、クレイグ・シェイファー(アーロン・ブーン)、アン・ボビー(ローリー・ウィンストン)、チャールズ・ヘイド(アイガーマン署長)、ヒュー・クァーシー(ジョイス刑事)ほか
映画「ミディアン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミディアン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミディアンの予告編 動画
映画「ミディアン」解説
この解説記事には映画「ミディアン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミディアンのネタバレあらすじ:謎の悪夢
舞台はアメリカ。アーロン・ブーンは、日毎酷くなる悪夢に苛まれていました。夜の闇、荒れ果てた墓地、得体の知れない怪物達。ブーンはその悪夢を仕事が原因のノイローゼだと考えていましたが、カウンセリングを担当して貰っているDr.フィリップ・K・デッカーは並々ならぬ興味を示していました。
ブーンに記憶はありませんが、カウンセリング中に「死都(ミディアン)」について詳細を語ったこともあるそうです。死都とは異形の怪物達が隠れ潜む街。そして多くの罪を犯したブーンなら、死都に行けるとデッカー博士は考えていました。
ここ10ヶ月の間、6家族が惨殺されるという連続猟奇殺人事件が起こっていました。その残虐な手口と、カウンセリング中ブーンが語ったことは酷似していると話すデッカー博士。自分の犯行だと考えたブーンは強いショックを受け、デッカー博士から渡された薬を服用してすぐ警察に向かいました。
明らかに正気を失った様子のブーンはフラフラと歩き、事故に遭って病院に運ばれます。そこで医師から、高純度の幻覚剤を服用させられていたと説明を受けました。困惑するブーンは、病室でナルシスという奇妙な男に出会います。彼から死都の場所を聞かされたブーンは、病院を抜け出して車を走らせました。
ミディアンのネタバレあらすじ:死都(ミディアン)と夜族
ブーンは夢で何度も見た、荒廃した墓地に辿りつきます。門を開けて足を踏み入れたブーンは、そこで異形の怪物達に出会いました。彼らは自らを夜の種族「夜族」と名乗ります。ブーンは罪深い連続殺人鬼である自分を仲間に加えてくれるよう頼みますが、まだ人間であるという理由で受け入れて貰えません。
夜族の1人ペロキンに襲われ、肩を噛まれたブーンは急いで墓地から逃げ出しました。すると門の外には警察が待ち受けており、同行していたデッカー博士の策略でブーンは射殺されてしまいます。実は連続殺人犯の正体はデッカー博士で、殺人の罪をブーンに着せるつもりだったのです。
ブーンの遺体は警察署に運ばれますが、そこで不思議なことが起こりました。少しずつ傷が治り始めたのです。目を覚ましたブーンは墓場の地下に築かれた死都へ足を踏み入れ、夜族のリーダー的存在ライルスバーグらに受け入れられました。死都の創造主であるバホメットの審理を受けたブーンは、正式に夜族として死都で暮らすことになります。夜族は人間に見つからないようにひっそりと生きていました。
ミディアンのネタバレあらすじ:デッカーの狂気
ブーンの恋人ローリー・ウィンストンは、消えたブーンを探して死都を目指していました。墓地に入った彼女は、瀕死だった夜族の子どもバベットを救います。母レイチェルは深く感謝しましたが、ブーンの居場所は教えてくれませんでした。
肩を落とすローリーの前に現れたのは、本性を現したデッカー博士です。彼はブーンをおびき出すため、ローリーを殺そうと考えていました。逃げるローリーを助けたのは、仲間の反対を振り切って駆けつけたブーンです。ローリーを無事救出したブーンでしたが、死都を危険に晒したとしてライルスバーグから追放を言い渡されてしまいました。
死都を出たブーンとローリーは、最も近い人間の街シェア・ネックのホテルに入ります。ところが、そこは既にデッカー博士によって血の海にされていました。外で様子を窺っていたデッカー博士の通報で警官隊が突入し、ブーンは捕まってしまいます。
ミディアンのネタバレあらすじ:存亡を賭けた戦い
警察署に連行されたブーンは、独房で警察署長アイガーマンから酷い暴力を受けます。しかしアイガーマン署長らはブーンに脈が無いことを知ると酷く動揺しました。そしてデッカー博士に唆され、夜族を殲滅することにします。怪物退治だからと、精神的に弱っている様子の神父アシュベリーも強引に同行させました。
警察が死都へ向かう中、バホメットの意志を受けたナルシスとレイチェルがブーン救出に向かいます。ローリーも加わってブーンを助け出した彼らは、急いで死都に戻りました。人間が墓地にガソリンを撒いて火をつけ、夜族にも既に犠牲者が出ています。怯える同胞に対し、ブーンは今こそ戦う時だと叫びました。
夜族の戦闘員が飛び出し、人間との戦いが始まります。しかし銃や火炎放射器まで持ち出した人間が夜族を圧倒しました。そこでブーンとライルスバーグは、危険過ぎるため地下牢に閉じ込めていた監禁獣を解放して戦わせます。
一方、ブーンとはぐれたローリーは、ペロキンから予言の壁画を見せられていました。そこにはブーンが夜族の救世主となる物語が描かれています。しかしブーンが死都にもたらしたのは破滅だったと、ペロキンは忌々しそうに唸りました。
ミディアンの結末:復讐の種
デッカー博士との死闘を制したブーンはバホメットの声を聞き、最下層の神殿へ降りていきます。バホメットは新たな死都を作れとブーンに命令しました。あちこちで大爆発が起こり、ついに死都は消滅してしまいます。
戦いが終わり、ブーンは生き残った夜族と別れローリーと共に歩き始めました。死都の残骸では、憎しみに震えるアシュベリー神父がデッカー博士の遺体をまるで神のように崇めています。すると突然デッカー博士が蘇り絶叫しました。アシュベリー神父が「ハレルヤ」と叫ぶ中、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ミディアン」のあらすじと結末でした。
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