AI崩壊の紹介:2020年日本映画。2030年の日本、AI(人工知能)は果たしてユートピア社会を実現するのか、あるいは不幸なディストピアが到来してしまうのか。資産家だけが富を得て、労働者は飢餓状態の超絶格差社会が誕生してしまうのか。わずか10年後の日本は半分近くが働けない老人と生活保護者になってしまい崩壊してしまうのだろうか。人々の生活を支えるために開発された医療AIが、思いもせぬ悪魔の選別マシンと化し、人々を殺戮していく。日本中がパニックとなり、やがて意外にも医療AI開発者に嫌疑がかけられ、警察庁のサイバー犯罪対策課が犯人を追い詰めていく。警察の捜査AI「百眼」対 医療AI「のぞみ」開発者の、凄まじいまでの攻防が繰り広げられるSFサスペンスアクション映画。
監督:入江悠 出演:大沢たかお(桐生浩介)、賀来賢人(西村悟)、広瀬アリス(奥瀬久未)、岩田剛典(桜庭誠)、高嶋政宏(望月剣)、芦名星(林原舞花)、玉城ティナ(飯田眞子)、余貴美子(田中英子)、田牧そら(桐生心)、松嶋菜々子(桐生望)、三浦友和(合田京一)、ほか
映画「AI崩壊」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「AI崩壊」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
AI崩壊の予告編 動画
映画「AI崩壊」解説
この解説記事には映画「AI崩壊」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
AI崩壊のネタバレあらすじ:起
西村悟(賀来賢人)と桐生浩介(大沢たかお)、桐生の妻である望(松嶋菜々子)と娘の心(田牧そら)の4人は、家の近くの海岸でリラックスした様子で歓談しています。その場所で4人は記念撮影をしていました。
4人は幸せそうに見えましたが、桐生の妻で、西村の姉である望は乳がんに蝕まれていたのです。望は車椅子に乗り、帽子をかぶっていますが、頬がこけ、目が落ち窪んでいます。
このような末期症状の望を救うために、桐生は医療AI「のぞみ」と薬を開発しました。桐生と西村は治療法の許可を申請しましたが、田中英子厚労省大臣(余貴美子)は断固拒否して許可を出さなかったのです。治療方法は法律で認められないが、西村は実姉の望に対して、のぞみを使うべきだと主張したのです。
しかしながら桐生も望も、法律は守るべきだとして使用を拒みます。その結果、桐生望は愛する夫と愛娘を残して、天に召されてしまったのです。
AI崩壊のネタバレあらすじ:承
千葉のデータセンター。久しぶりに日本に帰国した桐生は、数多くの聴衆の前でスピーチをすることになりました。AIのぞみの開発者として紹介され、割れんばかりの拍手で迎えられました。
桐生が日本不在の間に、凄まじい勢いでAIが進化し、育ったのでした。医療分野だけでなく、ライフラインとして世の中に浸透して大活躍しているのです。
しかし、AIが人間の仕事を奪うとして、ラッダイト運動のような過激な反対運動も起こっています。この会場にも潜入した過激派が「AI反対、人間の尊厳を奪うな!」と絶叫して舞台に向かって突進してきました。
寸前で私服警官が彼らを取り押さえました。警察庁の桜庭(岩田剛典)が見張らせていたようです。メタルフレームの眼鏡をかけたインテリ風の桜庭は、人工知能研究者で警察庁サイバー犯罪対策課を率いていました。
AI崩壊のネタバレあらすじ:転
サーバールームで、AIのぞみの「インシデント発生、セキュリティーロックします。」という渇いた声が響き渡りました。桐生たちと総理官邸に向かう予定だった愛娘の心は、車を降りて忘れ物(思い出の写真が張り付けてある手鏡)を取りにサーバールームに入ってしまいました。
心は異常事態に気付き、サーバールームを脱出しようとした瞬間に、特殊強化ガラスのドアが完全に閉まり、走ってきた勢いで心はドアにぶつかって転倒し、そのまま起き上がれなくなりました。
AIのぞみの「攻撃を受けています。自己防衛モードに切り替えます。」という異様な声が響き渡ります。そして全国各地で異常事態が発生し始めました。
病院で患者が倒れたり、道路で玉突き事故が起こったり大混乱に陥っているのです。やがて、総理となっていた田中英子はペースメーカーの誤作動で絶命してしまいました。
サイバー対策課の桜庭は犯人を桐生と特定し、桐生を逮捕しようと、あらゆる防犯カメラを駆使して追い詰めていきます。
桐生はサーバールームに閉じ込められた愛娘の心を救出するためと、真犯人を見つけるために懸命に逃亡していきます。地下水道や大型貨物船などが逃亡舞台となります。
大型貨物船の甲板で、警察のヘリから桐生は銃撃され、真冬の太平洋に飛び込み、小さな漁港の漁師に助けられ、軽乗用車まで提供されます。目指すは東北情報先端大学大学院です。
AI崩壊の結末
荒れ果てた研究室で西村と合流した桐生はパソコンに向き合い、AI「のぞみ」を正常に戻すプログラミングを作成します。同時にAIのぞみを暴走させた真犯人も発見したのです。
そこへ警察が乗り込み銃撃したのですが、西村が身を挺して桐生を逃し、自らは絶命しました。
桐生は千葉データセンターでハッキングした百眼を使い、警察のドローンをコントロールして真犯人である桜庭の企みを全国中継しました。そして愛娘の心を救出し、AIのぞみの再起動にも成功するのでした。
以上、映画「AI崩壊」のあらすじと結末でした。
「AI崩壊」感想・レビュー
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これから先の未来を暗示しているような映画です。医療は人工知能によってしっかり管理されて、非常に便利になったように感じます。ただこれが自分で考えるようになって、しかも無差別に人を選別するようになったら。開発者は殺人者の汚名をかぶることになったら。そこには様々な陰謀が働いていたら。最後までドキドキできる映画です。
「22年目の告白ー私が殺人犯です」の入江悠監督の最新作ということでかなりの期待を抱いて拝見しました。
入江監督といえば、世界観に引き込まれる画の強さ。もちろん出ている役者さん達の演技と共に成せる技だとは思いますが、今回も素晴らしい世界観が広がっていたと思います。また、世界観としても、この先の未来現実としてもしかしたらこんな世界が広がるのかもと考えさせあられるような作品で、見応えのあっる作品でした!