映画「ヘンリー・フール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヘンリー・フールの紹介：1997年アメリカ映画。ふらりと現れた前科者の男と、彼に詩の才能を見出された男。２人の顛末と彼らを取り巻く人々の行方を描いた人間ドラマ。他のハートリー作品と違い、詩の内容は一切明かされていない。
監督：ハル・ハートリー 出演：トーマス・ジェイ・ライアン（ ヘンリー・フール）、ジェームズ・アーバニアク（サイモン・グリム）、パーカー・ポージー（フェイ・グリム）、マリア・ポーター（メアリー）、ジェームズ・サイトウ（デン）、ケヴィン・コリガン（ウォーレン）、リーアム・エイケン（ネッド・グリム）、ほか
この解説記事には映画「ヘンリー・フール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゴミ収集人として働く内向的な青年サイモン。そんな彼の前にヘンリー・フールと名乗る男が現れ、サイモン宅の地下室に住みつくようになる。自らの“告白”をしたためることをライフワークにしているというヘンリーは、言葉に出せないことがある時は書き出せ、とサイモンにノートを手渡す。
サイモンのノートを見たヘンリーは彼に詩の才能があると言い、芸術家ぶった物言いで詩作の指南をするが、そんなヘンリーは仕事もせずにサイモンにたかって酒を飲み、フェイに誘惑されながら母親に手を出すロクデナシぶりで、過去に少女との淫行で逮捕、服役しており、刑期を終えた今は監察人の監視下にあった。
サイモンの詩は近所の雑貨店店主の娘や母親の感性を呼び覚まし、感銘を受けた高校生からは学校新聞に載せたいと申し出を受ける。一方で、それを見た学校関係者からはポルノだと糾弾、賛否両論の物議をかもすようになり、地元新聞にも取り上げられる。
ヘンリーの助言に従って仕事を辞めて詩作に集中したサイモンは、出版社に作品を送付するが、ことごとく酷評されたため、ヘンリーが親友だと豪語していた出版会の大物ジェームズに直接作品を持ち込む。しかしそこでも彼の作品は認められず、そればかりかヘンリーはその会社の単なる清掃員だったことが分かる。
その頃、ヘンリーは部屋で彼の“告白”を読んだフェイと関係を持ち、再びサイモンの詩を目にした母親は手首を切って自殺していた。
母親の葬儀を終えたあと、フェイの妊娠が発覚。ヘンリーは周囲におされてフェイと正式に結婚する羽目になる。その一方で彼はフェイにサイモンの詩をインターネット上に掲載することを思いつき実行すると、その内容はアメリカ中で取り上げられて再び物議を醸し、マスコミにも大きく取り上げられ話題となる。
かつて断られたジェームズからも出版のオファーを受けたサイモンは、ヘンリーの“告白”もあわせて出版することを条件にすると言って“告白”を読ませてもらうが、その内容が明らかに駄作であることに愕然とする。
それでもジェームズに出版を頼むが、やはり断られ、そのことを告げたサイモンはヘンリーから、自分の作品だけを出版することをなじられて彼と袂を分かち、町を去る。
７年後、ヘンリーはサイモンに代わってゴミ収集人となってフェイ、息子ネッドと暮らし、サイモンはノーベル文学賞を受賞し新聞をにぎわせていた。そんな中、ヘンリーは近所に住む少女を日ごろから虐待していた彼女の継父をもみ合いの末殺し、逮捕されてしまう。
途方に暮れるフェイを見てネッドは手紙をたよりにサイモンのもとを訪ね助けを求める。町に戻ったサイモンはフェイらとヘンリーを助け出し、パスポートを偽造して自分に成りすましてヘンリーを国外へ逃がすことにする。
空港でサイモンに見送られ、ヘンリーは搭乗する機体に向かって走り出すのだった。
以上、映画「ヘンリー・フール」のあらすじと結末でした。
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